(C)中央大学

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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 


●大学生活について




みなさんが電気電子情報通信工学科を受験した理由は?


大学生
高校生の時から数学が好きで、高3の春頃までは数学科への進学を考えていました。しかしその後、テレビ電波が乱れてお気に入りのドラマのクライマックスがちゃんと見られなくなる、という体験をしまして(笑)、「何でテレビの電波が乱れるのだろう」ということに興味が向いたのです。
そこから自分で電波や電磁波に関して調べ始めました。そして、中央大学のオープンキャンパスへも出かけて、長い名前にインパクトがある電気電子情報通信工学科でどんなことが学べるかをリサーチしました。その際に、情報通信だけでなく、電気や電子、雷などの自然現象やレーザーに関してなど幅広く学べる点に魅力に感じ、この学科を選びました。


卒業生
鈴木さんとかなり重複しちゃうのですが(苦笑)、僕も数学が好きで、オープンキャンパスでは数学科なども見学して、大学で使う数学の教科書も実際に手にしてみました。その時に、これは勉強したいこととは少し違うなと思い、むしろ自分は「数学を使って何かをしたいのだ」と思ったわけですね。そこでリサーチしたところ、やはり電気電子情報通信工学科という名前が僕にもヒットしまして(笑)、数学を使って社会に貢献できる学びができそうだなと思い、この学科を選びました。

実際に大学に入学されてみての感想はいかがでしたか?


卒業生
入学してみて、やはりこの学科を選んで良かったなと思いました。

大学生
率直な印象としては、「男子が多いな」でした(笑)。女子高出身なので、特にそう思ったのかもしれません。女子校から男子校へ来たみたいな印象です(笑)。入学までは全然気にしていなくて、大学ガイドには男女比は9対1の割合のように書かれていたので、「1割いるならまだいい」とポジティブに考えていました。実際には学部全体で1割なので、学科では1割もいなかったですかね(笑)。

先生
確かに女子学生は少ないです。そのため理工学部では、入学前に女子学生だけを集めて親睦を深めてもらっています。

大学生
私も参加して「ひとりじゃないんだ」と安心して、とても助かりました(笑)。その場で友達もできましたし。

卒業生
男子側から見ると、「ちゃんと志を持ってこの学科に来ているんだな」と、感心しているんですけどね(笑)。

現在、皆さんが研究などでよく使われる数学はどのような内容のものですか?


大学生
高校までに習う数学で言うと「微分・積分」くらいで、あとは大学で習う数学になります。

先生
電波の解析では「微分方程式」を基にした数学をよく使います。またコンピューター処理においてはさらに「差分」という数学の概念も出てきます。

卒業生
僕の研究でもやはり「微積分」を一番使いました。

専門性は年次によってどのように別れていくのですか?


先生
2年次までは基礎を学び、3年次からはそれぞれの専門科目を中心に勉強し、4年次で研究室に分かれて卒業研究をすることになります。
研究室での学びは、専門性を深めることも大切ですが、そればかりではなくいろんな学びがあります。一言で言えば「問題解決に向けたプロセスを学ぶ」ということになります。データや参考文献の収集から始まり、それを基に自分がすべきことを知り、自分の研究を行い、最終的には研究発表を行い、論文としてまとめます。この一連のプロセスは研究分野が違っても同じです。

特徴的なカリキュラムについて教えてください。


先生
先ほども少し話しましたが、1・2年次では電気・電子・情報通信に関しての基礎を幅広く学ぶということがひとつの特徴です。これにより3年次以降で、どの専門分野に進んでもついていける力を身に付けます。また、幅広く学んでおくことで、卒業後にもさまざまなメリットが生まれてきます。

何か印象に残っている授業や実験はありますか?


大学生
3年次必修の「電気電子情報通信実験」という授業があり、1年間を通していろんな実験を行う内容でした。2年次までに座学で学んだことを活かして、実回路を組んでみたり、ロボット製作を行って実際に手を動かしながら確認していきます。レポートもあって大変ですが、とても知識が身に付いたなと感じています。

卒業生
僕は基本的な「電磁気学」という科目ですね。使うのはそれこそ微積分ばかりなんですけど、面白かったですね。こういう計算で電磁気の予想ができるものなんだと思いながら、勉強していました。

中央大学理工学部の施設に関して何か特徴はありますか?


先生
まず学部としては、IT設備が充実している点ですね。「情報教育センター」にある250台ほどのコンピューターを使ってパソコンを学んだり、大規模な計算を行っています。また、学科ではかなり大規模な「放電設備」があり、雷の実験を行っています。それから、私の研究室には「電波暗室」があります。これは電波の伝搬を測るための設備ですが、この設備を持っている大学はなかなかないと思いますね。


卒業生
「電波暗室」は研究室の並びの一室にあるんです。外見はわりと普通の部屋なのですが、やけに重たいドアを開けたら特殊な設備があり驚きました(笑)。

大学生
本当にそうですね(笑)。私は実験の一環で、先ほど先生がおっしゃった「放電設備」を見学しました。雷の大きさを自由に変えられるのですが、最大級の落雷には本当に驚きました。

部活や学園祭などのイベントも理工学部後楽園キャンパスで行うのですか?


卒業生
入学式、卒業式、サークル、学園祭など、すべてこのキャンパスにて単独で行っています。

先生
学園祭も多摩キャンパスと時期は一緒です。こちらはこちらでこじんまりとやっているわけですが、研究室公開といった理工学部ならではの内容もあって楽しいですよ。

大学生
中高の女子生徒向けに「理系女子」を増やすためのイベントも大学で企画していて、私も参加しています。やはりもっと「理系女子」を増やしたいですね。

 

 

●就職活動、仕事について




電気電子情報通信工学科の卒業生はどのような方面に進まれていますか?


先生
かつては電気系=製造業というイメージでしたが、今はそうではありません。例えば金融系などはすべての業務はオンライン化されていますので、情報処理技術が必要です。テレビ局など放送メディアにしても、技術部門では特に本学科の学びが活きるでしょう。研究室からも官庁を始め多方面の分野に卒業生が就職しています。


金崎さんが現在の就職先を選ばれた理由は?


卒業生
大学選びと似ているのですが、就職に際してもいろんな分野に携わりたいなと考えていました。例えば家電メーカーさんに勤めれば、きっとテレビならテレビでそれを専門にすることになるでしょう。そうすると僕の場合、セットメーカー(製造販売している会社)ではなく、幅広い分野に部品を提供している部品メーカーの方がふさわしいだろうと判断したわけです。
部品というのは一般の人からは見えない部分ですが、そうした見えない部分から社会を支える仕事に憧れもありました。

学科での学びが仕事上で役立っていると感じるのはどんな時ですか?


卒業生
仕事ではすべての電子機器を扱います。ある部品の効果を見るのに実験を行う場合もありますが、理論的に推測することも多くあります。そうした推測を行う場合には、幅広い分野の理論が必要となります。電波の伝搬もそうですが、機器の回路、携帯電話の通信方式などいろんな知識を必要とする職種なので、この学科で幅広く学んだことがすべて今の仕事に活きています。
そして、問題解決をする際の引き出しの数が他の人よりも多いのかなと感じています。それが結果として商品の納期を早められることにもつながっています。また、顧客先で話をする際にでも、いろんな分野の話題に対応できていますが、これもこの学科で学んだことのお陰だと思っています。

同僚の方々も同じように理系出身で大学院も出られていますか?


卒業生
そうですね、大学院卒がほとんどです。顧客先へ出向いての商品プレゼンやコンサルティング業務も行いますが、技術的な知識も必要ですし、技術開発にも関わる仕事ですので、かなり専門的な職種になります。
接客面でのスキルも必要ではありますが、基本的に顧客先へ出向く際には弊社の営業担当者も同行しますので、その辺はカバーしてくれています。

仕事のやりがいはどういう時に感じますか?


卒業生
顧客と直接やり取りをしますので、自分の提案が受け入れられるかの是非が明白であるというところにやりがいを感じます。特に自分で「こういう問題が発生するだろう」と予測を行い、問題解決法を研究した上で提案が採用された際はうれしいですね。また採用されない場合にも、「なぜダメだったのか」を自己分析することは成長につながるので楽しい作業だと思います。

同期の方や研究室の方の就職先はどのような方面ですか?


先生
私の研究室は電波・電磁波が専門ですが、この研究室だからと言って必ずしもみんなが関連分野に就職はしません。むしろ、とても幅広い分野に出ていきます。例えば、総務省や国土交通省などの官庁で政策に携わったり、アナウンサーになったり、パイロットになった学生もいました。

大学生
私の同期の女子学生では、電気系の企業やカメラ部品メーカー、通信系などでしょうか。全員が技術職ですね。やはりここまで頑張ったのだから一般職ではなく専門知識を活かした技術職に進みたいと考えますね。

卒業生
普通は大学院を出ていないと難しいのですが、就職状況をみると高く評価されていると思います。

就職活動を行ってみて就職に有利な学科であると感じましたか?


大学生
はい。3年次に就活をしてみて、電気系の知識があるということが強みになることは実感しました。例えばおまんじゅう1つを焼くにしても電気は必要ですので、あらゆる企業で電気系の学生はニーズがあるのだなと思います。

卒業生
電気系学科出身ということもメリットなのかもしれませんが、本学科の場合、幅広い分野を学ぶわけですが、そうしたことに抵抗感がないということ自体がとても就職に有利だと思います。
と言いますのも、就職すると当然、いろんなことをこなす能力が必要ですので、幅広い学びに積極的であるということは、企業側からも評価できるポイントになると思いますね。

鈴木さんが大学院へ進まれる理由、動機は?


大学生
私は就職先として明確な目標がありまして、それはテレビ局の技術部への就職です。前にも話したように、テレビ電波の乱れをきっかけにこの学科に入りまして、電波を専門に勉強しています。そのモチベーションは、将来はテレビ局で技術をやりたいという高校時代からの目標のためなのです。そのためにはより専門知識が必要だと思い、大学院進学を選びました。

 

 


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