(C)中央大学

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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 

●5年後に向けて




皆さんの将来の夢・目標は何ですか?


大学生
実は教職課程も取っているので、教師も将来のひとつの選択肢ではありますが、やはりテレビ局の技術部で「縁の下の力持ち」のように働いて、視聴者に安定した電波供給をしたいということが現時点での夢です。


卒業生
やはりこの学科生は「縁の下の力持ち」志望が多いですね(笑)。僕の今後の目標は、信頼されるエンジニアになりたい、ということですね。今はお客様から問題解決を相談されるセクションにいますので、部署の中でも一番頼られる存在になることが目標です。
仕事に関連する資格としては、電子機器のノイズを評価する「EMCエンジニア」という資格をすでに取得していますので、この肩書きに負けないように実務で実績を出していきたいと考えています。

先生
5年後と言われてしまうと研究成果として何ができているか難しいのですが、技術の進歩はすごく速いですので、その速い流れの中で私に何ができるのかが課題になるでしょう。基本的にはこれまで行ってきた基礎研究を、どう組み合わせることで新しい技術が生まれるか、その辺を研究していきたいですね。

今後の研究テーマにはどのようなものがありますか? また研究の社会的な意義は?


先生
金崎君が今の仕事で専門にしていると思いますが、携帯やパソコンなど部品を含めて小型化が進んでいます。しかし小型化に伴っては、どうしても部品などの相互作用が起きて、ノイズを始めとした不具合につながるケースもあります。
そこで機能性の高い小型化を実現するためのエンジニア育成、というのはひとつの重要なテーマですね。例えば、電波に関してはアンテナ機能がとても重要です。小型ながらも高性能・高効率で電波を送受信できるアンテナの製作などは、研究の余地がいっぱいあります。
研究の社会的な意義としては、この学科での各研究室の研究は、すべてが社会インフラの基礎技術になりますので、多くの社会貢献ができるものと思っています。
また、電波などは犯罪利用などと関わることもありますので、今は「技術者倫理」というものも理工学部全体にとって大きなテーマになっており、しっかりとした教育を行おうと取り組んでいます。原子力がいい例になりますが、高度な技術が生まれれば生まれるほど、使い方を間違えば大変なことになります。もちろん理工学部に限らず、大学ではあらゆる学部において、学生の倫理観を養う努力をすべきだろうと思います。

 


●高校生へのアドバイス




もし高校生に戻れるとしたら、何をしたいですか?


卒業生
「楽しい留学」がしたいですね(笑)。僕の場合、初海外は学会でしたし、それ以外の海外もすべて仕事の出張ですので、楽しく海外に留学して、その国の良さなどを体験したいです。

先生
あれ、新婚旅行は海外行かなかったの?

卒業生
沖縄でした(笑)。

先生
残念でした(笑)。

大学生
私も留学かホームステイ体験、あるいは英会話の勉強です。私の初海外は高校の修学旅行でしたが、大勢で行くので全然英語を勉強する機会にはなりませんでした。教育実習で行った高校に短期留学制度があって、すごくうらやましく感じました。もしそういう制度があったら、積極的に使って欲しいと思います。
高校時代は「別に外国に行くわけじゃないから」と英語の勉強に対して積極的ではありませんでしたが、理工学部に来ても英語論文を読むことはよくありますし、国際化社会ですから自分が行かなくても海外からお客さんは来るわけですので、英語は必要ですね。

卒業生
同感ですね。今の仕事では外国の顧客もいますので、そういう場合は英語を使います。英語にそんなに自信はありませんが、大学院時代に国際会議に出席したり、白井先生に鍛えられて良かったなと感謝しています(笑)。

先生
大学院へ進むと、多くの学生は研究をまとめ、学会で研究発表をします。もちろん英語で論文を作成し国際会議に参加して学生自身が口頭で発表する人もたくさんいます。本学では旅費のバックアップも含め、その辺のサポート体制を整えています。



進路選択について

進路選択に関して何かアドバイスをいただけますか?


大学生
自分が大学でやってみたいと思うこと、好きなことを書き出して見ると、その中にヒントが見つかると思います。私はやりたいことが多すぎて困った方なのですが、「目標がない」と言っている人も何かしら好きな教科などはあって、ただ就職とは直接に結びついていなかったりするだけだと思います。

卒業生
僕は「妄想すること」をオススメします。例えばテレビを見ているときに「テレビを作るにはどうしたらいいのか」を考えてみたり、「自分が通訳をしたらどんな仕事をしているのか」など、いろいろと妄想して楽しめるものを探してほしいですね。せっかく自分の人生を自分で決めていくわけですから、楽しむということも大切です。

先生
この学科には、ここにいる彼らのように、「数学が好きだから」という理由でこの学科を選んでいる学生がいると思います。
高校時代の文理選択では、多くの高校生にとって「数学が好きか嫌いか」がひとつの判断材料になっているのは確かだと思います。「数学が好きだから理系」、逆に文系の場合、「英語が得意だから文系」と、英語が大きな判断材料になっているようです。
ですが、数学や英語は、実は文理どちらにとっても基礎となる重要な科目ですから、この二つの科目だけで文理選択をするというより、もっと「自分が学びたいこと」に関して幅を広げて調べてみて、学びの内容で決めてほしいなと思っています。
また大学選びはネットでもできますが、できればオープンキャンパスに参加して、実際に大学を見ることをお勧めします。通学環境を知ることも重要ですし、施設や研究室なども実感してもらうといいと思います。

高校での学びはどのように大学で活きてきますか?


先生
これは多分、歳を取ってみないとわからないでしょうが、高校での学びはその後のいろいろな部分で基礎になります。ですので、ぜひ、興味を持って様々な分野の勉強をしていただければと思います。
例えば理系だから歴史は不要などと思いがちですが、国際化社会の中ではいろいろな国々の人とも関わり合いますので、歴史の知識も助けになります。
高校時代は文理を問わず、幅広い分野を勉強していただきたいですね。

 

 

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