●就職活動、仕事について
橋本さんはどのような就職活動を行いましたか?
■卒業生
ちょうど就職氷河期だったので、辛かった分記憶も残っています。公務員なのかNGOなのか、いろいろな選択肢はあったかと思いますが、プラント・エンジニアリングという民間企業の立場で社会貢献できるのならば、会社の利益にもなり、地域の役に立ち、自分の生計も立てられる。そうした思いから、就職活動では、特に環境・プラント系の企業、それにお金を出すサイドである商社、そして工場そのものがひとつのプラントといえる自動車業界を中心にまわりました。就職後は、すべて幸運な巡り合わせで、大学時代の学びを生かすことができています。
■先生
学部時代の勉強が本当に生きているよね。研究テーマがここまで一貫して仕事についてまわるケースはそうは多くないと思います。
大学での学びは、どんなことを意識すれば将来に生かせますか?
■先生
その時々でスキルを磨くことは、それはそれですごく重要です。道具箱にどういうものが入っているかで、どんな仕事ができるかが変わってきます。しかし一方、その道具を教えられたことにしか使えないのでは、直面する問題を解決できません。それを柔軟に使いこなしていくことも考えていかなければならないでしょうし、さらに新たな問題に直面したとき、工夫をする発想も重要になってきます。
大学でもこの点を意識して学んでほしいと思います。当然に本だけで学べることは限られていますから、実際にフィールドに立ってみて物事を考えることも必要です。聞き取りなどをして初めてわかることもありますから。
浅井さんは大手電気メーカーのソリューション営業職に就職される予定なのですね。
■大学生
はい。さきほどお話した「チャリティ・マラソン」の運営経験を踏まえて、とにかく世界の人たちの生活を豊かにしたいという目標に向けて、できるだけいろいろなアプローチができるような会社がいいなと考えました。商社も含め、いろいろな企業を見てまわりましたが、どの業界もそれぞれ私の夢を実現できる可能性があるなと思いました。
「ソリューション営業」というのは、顧客先の問題点を探り、解決策を提案していく仕事です。つまり、「ここがもう少しうまくつながるともっと良くなる」ということを考える仕事であって、ひとつの課題に対して多角的なアプローチがあるというこれまでの学びを生かせたらと思います。それから、就職予定の企業は今後教育、医療などの様々な分野にますます深く関わっていくでしょうから、自分の経験や思いを生かせる可能性があると思っています。
周囲の皆さんはどのような道に進みますか?
■大学生
公務員、銀行、福祉関係など様々です。大学院に進学する人もいます。
■卒業生
私の代も、民間企業、公務員、大学院進学など多様な進路でした。JICAに就職した人もいましたね。
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