(C)中央大学

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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 

●5年後に向けて




これから5年先の夢や目標について教えてください。


卒業生
取引先と議論する際には、「apple to apple」という表現があるように同じ用語と定義で的確に話ができているかという点に注意を払います。それができていないと、話がかみ合わなくなります。僕は何かのスペシャリストになろうとは思ってはいないのですが、この考え方は大切にしていきたいと思っています。これからの5年間は、海水淡水化、ゴミ発電のいずれか、あるいはその両方をアジア、中東各地で実現できるといいですね。そのために、技術面、投資ビジネス面、そして法務面に対する理解を深めていきたいと思います。
駐在を除いて、これまでの海外への主な出張は、フィリピン(560日間)、オーストリア(90日間)、イタリア(60日間)で、訪れた国は26ヶ国です。まだまだ少ないので、100ヶ国を目指したいです。
日本とグローバルスタンダードとの違いについて議論されるのを目にしますが、上司も部下も仕事のパートナーも日本人ではなかったことがあるのですが、その場を体験してみないと分からないし、それを言葉で説明するのも難しいと思うに至りました。
一方で日本に目を向けると、私が未踏の都道府県はあと8県です。日本の事を分からずに外国の事を分かろうとするのもおかしいので、時間が掛かると思いますが、温泉と休暇も兼ねて、必ず踏破したいと考えています。

先生
最先端に立って何でも自分で動く立場から、人に任せなければいけなくなる立場への端境期があるけれども、5年先はいかに人をうまく動かせるかということが橋本君にとって重要になると思う。次のステップにうまくつなげていけるといいね。

浅井さんの目標は何でしょうか?


大学生
ボランティアの先輩に言われたのは、仕事に取り組む量が、成長の量につながるということです。ですので、これから5年間はとにかく仕事を頑張りたいですが、3年後にはある程度自立して営業にまわれると思います。そこでは、いろいろな解決策を組み合わせて新たな解決策を作り出すようなことができたらと思います。そして将来的には、海外へ出ていって、いろいろな国の人たちの生活を豊かにという初志と自分の仕事をつなげたいですね。
参加している団体であるPARACUPのスタッフの8、9割は社会人ボランティアです。とりあえず3年は仕事に専念すべきと考えていますが、その後またスタッフ活動を再開したいと思っています。これも先輩に言われたことですが、同じ取り組みも、学生と社会人とで貢献できることに違いがあるそうです。会社で学んだ経験をボランティアに生かすことと同時に、逆にボランティアで今まで気づかなかった視点を見つけて、それを会社で生かすという関わり方ができたらいいですね。


先生の研究の目標について教えてください。


先生
政府や地方公共団体の審議会などの政策実践とともに、公共政策について研究してきましたが、あと5年で定年退職を迎えます。今後は国内外の研究者と研究を進め、数多くの論文を海外のジャーナルに載せたいと思っています。社会的ネットワークづくりに関していい仕事をしている同僚もいますし、仲間と切磋琢磨して良い仕事を成し遂げたいですね。

 


●高校生へのアドバイス




進路選択に関するアドバイスをお願いします。


大学生
今はなかなか選択ができないなという高校生も多いと思いますが、 その場合は「より多くの選択肢を残せるような進路選択」を考えてはどうでしょうか。 進路選択は就職活動をしている大学生にとっても難しい内容ですから、 高校時点で将来のことを決めるのはなおさら大変だと思います。後で諦めないためにも、複数の選択肢を残せるように考えてみてください。
また、私が心がけているのは、ささいなきっかけ、誘いがあったときにそれを貴重な機会と思って、とりあえず取り組んでみるということです。PARACUPへの参加もそうでした。たとえ直接興味がないことであっても、貴重な出会いが待っているかもしれないですよ。

卒業生
いろいろなジャンルの本を読んでみる、というのも一つのポイントではないかなと思います。新聞の社説を読むと良いとよく言われていますが、それ以外でも、歴史や科学などのわかりやすい本も多く出ています。私自身は高校時代の世界史や日本史の教科書を読み返してから、興味を持った地域や事象について勉強し直すことが多く、また、クリストファー・ロイドの「137億年の物語」が面白いと思います。できるだけ多くの分野に触れておくと、その中から自分の心の琴線に触れるものがいつか見つかりますし、世界が広がります。
それから、何より「体力づくり」でしょうか。健康という意味だけでなく、胆力、あるいは社会適応能力、という意味も含めての体力づくりは、学生時代も、そして社会に出てもその必要性を痛感します。できるだけ外に出て人と接する活動をしていくと、人の輪も広がりますよ。

先生
高校時代に「文理選択」を行うと思いますが、 例えば地球物理学や数学を専攻していた学生が、 その後一流の経済学者になるといったように、人はどのように変わるかはわかりません。進路選択にあたっては、まずは憧れる人、目標としたい人を見つけて、その人を真似てみてはどうでしょう。その人がどういう暮らしをして、何が好きで、どんな本を読んだか。それを真似して、背伸びをしてみることも将来を考える上で参考になると思います。

高校生へのメッセージをお願いします。

先生
高校生のみなさんにぜひ言いたいのは、自分を否定しないで、いいところを伸ばしてほしいということです。嫌なところは無視してしまってもいいと思います。とにかく自分をほめるスキルを身につけてほしいですね。
それから、希望大学に行けないとしてもそれはあまり問題ではありません。就職もそうです。常に自分で舞台を選んで、自分でプロデュースし、主演を演じ切る楽しさを味わってほしいなと思います。
それぞれに悩み、苦しみもあることでしょう。しかし、たとえ今はうまくいかなくても、将来うまくいかないということではない。自分の方向性を見つけてほしいと思います。これは元気な人にはいらないメッセージかもしれませんが、いまちょっと辛いなと思っている人にはぜひ伝えたいですね。辛いということも全部認めて、それでも自分を好きになれるよう、自分のなかの何かを探してください。ぜひ自分を大切にしてほしいと思います。

 

 

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