●5年後に向けて
5年後はどんな自分でありたいと思っていますか?
■大学生
何を仕事にするか、まだわからないですが、「あの分野といえば、○○社の末松さんだよね。とりあえず連絡してみよう」と言われるような人間になれたらいいなと思います。また、結婚していたらいいなと思いますし、ワークライフバランスを考えながら働きたいですね。
また、社会調査の中でも人の話を引き出すことを実践してきましたが、これから仕事の上でも相手の真の意図を汲み取っていくことができたらいいなと思います。
■卒業生
私は先ほど言ったとおり、海外に出て、会社のグローバルな展開方法などを学びたいと思っています。5年後というとおそらく海外からも帰ってきている頃だと思いますが、その頃には工場に戻りたいなと考えています。メーカーはやはりものづくりが原点ですので、工場で働く社員が一番パフォーマンスを発揮できる最適な環境を作っていくことが、特に人事労務という仕事においては意義のあることではないかと思います。今の日本での経験と、機会があるのであれば海外で得た知見を、国内工場のパフォーマンス向上・働きやすい環境作りに役立てたいと考えています。
■先生
僕は東京について研究しているので、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックにも注目しています。この件に関してはさまざまな見方や評価ができますが、いずれにしても、東京が動き、変わっていくさまを見ることができるので、いろいろな形で研究もしていきたいですし、研究成果を実際に発信していきながら、少しでも良い街を作るお手伝いができればいいなと思っています。
先生の研究のやりがいとは何でしょうか?
■先生
社会はいろいろなところでつながっているものです。経済、政治、宗教、文化、広告、街の暮らしなどは、一見バラバラに見えて、実は調べていくとつながりを持っており、どこかを変えると思いがけないところにその影響が及んでしまうのです。社会学は、そうしたはっきりしない部分も含めて自由に研究できる学問であり、柔軟に、さまざまな視点でものを見る目が必要になります。人間はどうしても保守的になる傾向がありますから、そうならないように努めながら、これからも研究を続けていきたいと思っています。
それから、都市研究は他国の研究者と一緒に行われることも多くあります。例えば、東京とニューヨーク、上海、アムステルダムの商店街を比較研究すると、都市というのは、国境を越えたものだということを実感できます。国に縛られない都市同士のつながりや、都市を基盤として出発するものの考え方や文化について考えていくというのは、都市研究に携わる者の原点だと思います。
|