●就職活動、仕事について
テレビ局へ就職した動機・理由を教えてください。
■卒業生
僕はお笑い番組やバラエティ番組が単に好きというより、ちょっと大げさに表現するなら「人生を救われた」(笑)ほど、助けられました。特にダウンタウンというお笑いコンビが大好きで、彼らの代表的な番組「ごっつええ感じ」を作っていたのがフジテレビでした。ですから、フジテレビに対する思い入れがすごく強かったのです。
その熱意が伝わったのか、フジテレビには就職できましたが、他局はすべて落ちました(笑)。
■先生
寺田君は、就活が始まる前の3年次の秋に、テレビ局勤務を目指す学生に対してフジテレビが行っている就業体験「フジテレビクリエイターズスクール」に参加しています。
■卒業生
そうですね。書類選考と面接を経て参加しました。
テレビ局への就職は狭き門だと思いますが、試験はどのような形ですか?
■卒業生
面接に続き筆記試験があり、また面接という感じでしたね。
■先生
テレビ局は面接が多いですね。最初は短い面接が続きますが、そこでどんどん振り落とされていきます。短い時間の中で面接官にどれだけ印象を残せるのか、そこが最初の方に行われる面接の勝負になると思います。
テレビ局へ入るコツみたいなものは何かありますか?
■卒業生
高校生の頃は、番組作りに欠かせない放送作家という職業に憧れていました。番組の構成やナレーション、必要によっては登場するタレントさんのセリフなども考えるのが放送作家です。ですから、高校時代から番組企画を考える練習をしたり、好きなダウンタウンの番組はMDに落として聞いたりして、自分なりに勉強していました。そのあたりの熱意を買ってもらえたのではないかと思っています。
■先生
今年の卒業生でも日本テレビに就職するゼミ生がいます。テレビ局に入る学生たちは、やはりテレビメディアに対する情熱がほかの人とはちょっと違いますね。その日テレへ就職する学生も、頼まれもしないのに100本の番組企画を書いて面接の時に出したと言っていました。
単にテレビが好きという学生は大勢いると思いますが、それを超えて努力できるかどうかが、いわばコツなのかもしれませんね。
勤務体系はどうですか? ADは何名くらいいますか?
■卒業生
最初の1年は営業局でCM営業を担当し、その後、現在の部署に異動になりました。僕の場合、出勤時間は12時です。帰りは仕事量などによって変動しますが、休みはしっかり確保できるようになっています。ADは僕のセクションで10名ほどいます。
テレビ業界で働いてみて、テレビメディアの持つ影響力の大きさなどを感じられることはありますか?
■卒業生
個人的な体験ですが、2時間特番などに携わると、番組最後のスタッフクレジットに僕の名前も出たりするわけです。そうするといろいろな人から電話があって(笑)、「みんなけっこうテレビを観ているのだな」と思ったりしますね。
また担当している「SMAP×SMAP」という番組で、SMAPのメンバーが5人だけで旅に出るという特別企画を行いました。これまで以上にSMAPメンバー各自の個性をクローズアップさせる企画意図を持った番組だったので、放送後の視聴者の方からの反響はすごかったですね。
このようにテレビは大きな影響力があるため、番組作りにおいては「その番組を観ることで、不愉快な思いをする人や傷つく人はいないか、常に考えろ」という上司からの言葉をいつも思い出しながら仕事をしています。
AD業務のやりがいはどういうところにありますか?
■卒業生
番組作りは細かい作業も多く、とても大変な仕事です。しかし、そうした準備を進めて、番組の収録が進み、タレントさんとスタッフで力を合わせて活気のある番組ができて、無事収録や放送が終わった時というのは、やはり大きなやりがいがあります。また、視聴者の方から好意的な反響が寄せられたりすると、苦労も忘れることができますね。
もう一つ、ADとしてはやはり視聴率は気になりますので、数字が上がると達成感を感じます。
「ビジネスと感性を両立させる」ことが今の仕事上の目標で、視聴率はビジネスにあたる部分で、感性はいかに面白い番組を作るか、ということだと思っています。
同期の方々の就職先はどうでうでしたか?
■卒業生
広告業界へ進んだ人が多いですね。インターネット系も含む広告代理店やJR関連の広告代理店、テレビ関係ではNHKサービスセンターのようなNHKの関連会社へ就職した友人もいました。
■先生
女性ですと金融関係も多いですね。
窪田さんは目標としてはどういう業界を目指したいですか?
■大学生
私もテレビもしくはマスコミ系で、自分から情報を発信できるような職種に就きたいと考えています。ただ、テレビ局は就職も難しいですし、また入れても「AD業務は大変そうだね」と友人と話しています(笑)。
■卒業生
いや、やってみると楽しいですよ(笑)。
卒業生の主な就職先を教えてください。
■先生
マスコミ・情報分野へ進む学生は学科の30%くらいですね。少ないと思われるかもしれませんが、マスコミ系というのは求人自体がそれほど多くないので、他の学科と比較すれば多い方だと思います。周辺の番組制作会社などにも多くの卒業生が就職しています。
ただ本学科での学びは、ほかにも様々な分野で生きてきます。例えばゼミ生の中には、ゲームソフトメーカーに就職し、現在は宣伝部で責任のある仕事をしている卒業生もいますし、食品メーカーや消費財メーカーなどへ進んで商品企画などを担当している卒業生もいます。
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