●高校生へのアドバイス
もし高校1年生に戻れるとしたら、何をしたいですか?
■卒業生
短期でもよいので海外留学をしますね。少しでも早く海外の文化に触れたいと思います。
■大学生
勉強や部活、遊びなどすべてにおいて全力で高校生活を謳歌したので後悔はないのですが、僕も松下さんと同じで、もしやり直すなら留学経験を積んでみたいと思います。
大学・学部・学科選びなど進路選択はどのように決めていきましたか?
■大学生
結果としては、自分で最初から目標にしていた慶應の法学部に入りましたが、浪人中には、いろいろな大学のことを調べました。現役の頃はブランド志向があったのか、有名大学のことしか考えませんでしたが、どういう大学にどのような学部があり、その特徴は何だろうかと、詳しく調べていきました。学部学科選びに関しても、予備校の先生やチューターさん(相談員)などにも話を聞いたりしましたね。
高校生の皆さんにも、大学・学部学科選びに関しては、いろいろな大学をリサーチしてほしいなと思います。
■先生
私の出身高校はほぼ全員がエスカレーターで大学へ進学する附属高校でしたので、外部大学の受験はまさに孤軍奮闘でしたね。相談相手は慶應の卒業生だった父親と、あと頼りにしたのは、当時Z会の通信教育を受けていましたので、進路相談の質問をしたりもしました(笑)。
高校生へのアドバイスとしましては、家族や親戚などにも協力してもらって、高校時代になるべく多くの大学生や社会人と会って話をする機会を持ってほしいと思います。これはゼミづくりでの経験則から言えることですが、授業に社会人を呼んで話をしてもらうと、「実社会ではそういうことをやっているのだ」と、大学生にとってすごく新鮮な体験ができます。同じように、高校生にとっても大学という想像上のイメージをよりリアルにしてくれるのは大学生そのものです。ですから大学とはどういう場所であるのかを、大学生に会って話を聞くとよいと思います。さらに社会人とも会えば、学部学科選びと就職先を照らし合わせながら、進路選択が良かったのかどうかなどの情報も入手できると思います。そしてそれらの出会いを、自分の将来の組み立てに生かせるとよいですね。
受験勉強で役立った方法を教えてください。
■大学生
テクニックではないのですが、浪人した1年間に関しては自負できることが1つあります。それは年間の勉強時間量において、その年の受験生の日本全国ベスト5に間違いなく入っているだろう、ということです(笑)。
浪人生活だからできたのでしょうが、文字通り365日休まず、1日10時間以上勉強しました。
吉原さんが浪人時代に特に力を入れて勉強した教科は何ですか?
■大学生
僕は理系から文転したため、現役時代は世界史をまったく勉強していませんでした。そこで、世界史の勉強にかなりの時間を割きました。というのも、慶應法学部の世界史の問題はかなり難易度が高いとわかったからです。
進学塾などが出している「世界史 一問一答集」を買い集めて、出題頻度が高い問題はもちろん、星一つのレアな問題まで、世界史マニアのようにすべて勉強しました(笑)。
高校と大学の学びのつながりや違いについて教えてください。
■先生
二人の受験勉強の話にもあるように、受験期はどうしても暗記や詰め込み型の勉強が多くなってしまい、勉強の意義が見出しにくくなります。
ただ、数学にしても実は論理思考を養っているわけで、高校ではとても重要なことを学んでいるわけです。私自身も実は数学が嫌いでした。当時の慶應法学部受験は数学必須でしたので、いやいや勉強していました。しかし今振り返ると、受験期の数学の勉強が、交渉学などにも深く関わる論理的思考の成長に、とても役立っていたことを実感しています。このように高校時代の学びは、将来に生きてくることが多くあります。
例えば、大学に入ってから学ぶ教養科目は、高校の勉強の延長線上に位置するものがほとんどで、高校時代の学びがないとわからないことが多いのです。
「高校の勉強がいかに大学の学びにつながっているのか」を、高校の先生たちが高校1年生に対してきちんと教えてあげたらよいのではないかと思います。
受験勉強のモチベーションも、単に志望校に合格したいからというだけでなく、さらに大学に入った後に役立てたいから勉強する、と考えればもっとやる気が出ると思いますね。
最後に改めて慶應義塾大学法学部の素晴らしさを教えてください。
■先生
本学の魅力は、やはり多岐に渡る科目が履修でき、「交渉学」のようにここにしかない授業もある、という点です。
法曹界に限らず、「リーガルマインド」を持って社会に出るということは、正しい判断や意思決定ができる筋の通った人間として社会からも評価もされます。そうした人間形成のための学問を総合的に提供しているのが、慶應義塾大学法学部だと思います。
■大学生
学びの環境も素晴らしいですが、就職活動においては、企業からも注目されているのを感じています。その点も慶應義塾大学ならではではないでしょうか。
■卒業生
そうですね。各業界や政界も含め、多方面に卒業生を送り出しているという刺激的な環境が慶應の素晴らしさだと思います。
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