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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 


●大学生活について




國學院大學文学部を志望した理由は何でしょうか?


卒業生
中学生時代には国語の先生になりたいと思っていました。大学については、教職のサポートも厚い國學院の一本に絞った志望でした。ここを落ちたら浪人、と覚悟を決めて受験しました。

大学生

実は、学科も含め進路選択に際しては迷いがありました。日本文学というと、とても狭い分野というイメージがあり、そんなに進路を絞ってしまっていいのかという不安があったのです。
そんななか、國學院大學では、副専攻として他の学部の授業もとれる制度があることを知りました。私は福祉の分野にも興味があり、そうした分野も含め様々な学部の授業や資格課程を履修できる点は、選択の幅が広くてよいと思いました。


大学選びの段階であまり道を絞ることには、確かに不安がありますよね。


大学生
広く浅くではありますけれど、あまり最初から一つに突き詰めないで、いろいろと勉強できる環境があることがよかったです。

諸星先生のゼミ以外で印象に残る授業はありましたか?


大学生
これはユニークだと思った授業は「古文書学演習」です。とにかく延々と古文書を読むという内容です。記号、パズルを解読していくような作業が続き、まるで異次元に入ったようなミステリアスな体験でした。

卒業生
他学部の授業をいろいろと受けてきた中で印象に残るのは、「メディアから何が受け取れるか?」という講義です。映画「モンスターズ・インク」に、お寿司屋さんのシーンがあるのですが、そのシーンは、実は日本放映用だけで他の国ではそれぞれの国のシーンが入っているそうです。制作元のピクサーが、世界各国で親近感を持って受け入れやすい映画にするために、わざわざカットを差し替えているというエピソードを学びました。
そこで、この話を先日高校の授業で話したのですが、これが生徒にすごく評判が良かったんですよ。このように大学で知り得たことが、今の仕事上の「ネタ」としてけっこう生きていますね(笑)。

先生の目でご覧になって、こういう講義はいいなというものはありますか?


先生
プレゼンテーションスキルの向上に力を入れている先生がいらっしゃいますね。研究だけでなく、さまざまに総合的な力をつける指導をされていて、良いことだと思います。私の演習でも、この点をを心がけるようにしています。

キャンパスのなかのお気に入りの場所を教えてください。


卒業生
私は図書館によく入り浸っていました。蔵書数150万冊というのは図書館として有数の規模だそうです。とにかく授業の空き時間はずっと居ましたね。

大学生
私も高校時代に大学見学に来たときから、図書館はいいなと思っていました。他の大学で学んでいる友人からは、トイレがきれいなことをうらやましがられます。それから学食もいいですね。お勧めメニューはうどんです。「おいしい学食ランキング」に入ったんですよ。

先生
渋谷のキャンパスは全部建替えてしまって古い建物が残っていないので、感傷に浸るようなものはあまりないのですが、学術メディアセンター内の國學院大學博物館は考古学、神道の歴史、大学の歴史に関する所蔵品の展示が貴重です。

渋谷の校地が再開発されて、コンパクトで高密度になりましたね。


先生

キャンパスの面積確保に関する文部科学省の規制が緩和されたこともあって、どの大学でもキャンパスの再編が進んだと思います。本学のキャンパスは渋谷とたまプラーザに別れていますが、文学部に関していえば、今は1年生が週に1日たまプラーザに通うほかは、ほとんど渋谷で授業を受けられます。


卒業生
私の学年までは、1・2年生はたまプラーザキャンパスで学んでいました。入学してからの2年間をたまプラーザで過ごしたので、どちらかといえばこちらのほうが懐かしいです。たまプラーザキャンパスの特徴は、とにかく敷地の広さですね。桜、緑がきれいなんです。

大学生
私も、実は自分のなかで思っていた國學院大學のイメージは、たまプラーザキャンパスだったんですよ。少し歴史のある雰囲気で、広くてというイメージですね。

いずれにしても、現在は「渋谷の大学」というイメージが定着している訳ですね。


大学生
とにかく渋谷のまちを満喫できるキャンパスです。そして、渋谷を通る通学定期を持っているのはなにかと便利ですね(笑)。

先生
個人的には、18階からの眺めが素晴らしいと思っています。六本木ヒルズと東京タワーが並んで見える。そして眼下には氷川神社の杜の緑。すばらしい景色です。

 

 

●就職活動、仕事について




佐藤さんはなぜ国語科の先生を目指そうと思ったのですか?


卒業生
もとはというと日本史が好きで、成績もむしろ国語より社会のほうがよかったです。そんな私が国語科を志すことになったのは、たまたま「学校の先生になりたい!」というきっかけを作ってくださった先生が国語の先生だったということと、他の教科と違う点を国語のなかに見つけたからです。それは、理科や数学、芸術をはじめ、他の分野の知識がないと文学作品の魅力を引き出せない、ということです。つまり、国語科というのは国語以外の教科のことも幅広く生徒に伝えたり、一緒に考えたりできる教科だと思ったんです。


教員採用への道のりは?


卒業生
大学で教職課程を履修し、免許を取得見込み、という状況で4年の夏頃に自治体の採用試験を受験します。2次試験まで受けて合格、そして教育委員会から配属通知を受ける、という流れです。
まわりの人にもよく言われてきたんですが、私、学校の先生に向いてないんですよ(笑)。容姿も含めて先生っぽくないとずっと言われ続けてきましたが、これから何十年かかけて「先生になってよかったね」「天職だね」って言われるようになるんだと強く思ってきました。まさに負けずぎらいの気持ちですね。
ですから、「先生になりたい」っていう気持ちなら誰よりもあるというプライドのようなものを持って採用試験に臨みました。その気持ちが伝わって合格できたのだとしたら、それは嬉しいなと思っています。

実際教えてみて、印象はどうですか?


卒業生
先生に友達言葉を使う生徒が多いんですよ(笑)。なので、まず敬語を使いなさいというところから指導を始めます。それから、記述力のない生徒が割合多いです。また、言葉を知らないので「ヤバい」「スッゲー」を多用するんですね。ですから、「何がどうすごいの?」と生徒に問いかける会話から始めます。

大学できちんとした言葉を学んだ身としてはギャップを感じましたか?


卒業生
そういう意味でギャップは大きかったですね。しかしそれを覚悟して教員になった訳で、ギャップというよりは、しっかり教えなくては、という覚悟や決意を強く持ちました。

やりがいについてはいかがでしょうか?


卒業生
よく教員のなかで「やりがい」ということで話に出るのは、「これ、わかったよ!」「楽しかったよ、国語が好きになったよ!」という生徒の気持ちがストレートに私たちに伝わる瞬間です。生徒の1年間の成長や変化を感じる際には、頑張ってきてよかったなと実感できますね。

國分さんは卒業後は金融関連のお仕事に就く予定と伺いました。どのような考えで進路を決めたのですか?


大学生
業界としては特に金融関係に絞ってという訳ではなかったんですが、「窓口の仕事」というものに憧れていて、かつ実家から通える仕事を、ということで就職先を考えました。福祉にも興味もあったので、そういう分野も含めてとにかくいろいろなジャンルを受けました。

就職活動で特に意識したことは何でしょうか?


大学生
これは後輩にも言っているんですが、とにかく「早く動く」ということです。就職活動は、学生にとって全く初めての体験です。何をしたらいいのかわからないけれど、とりあえずどこかへ足を運び、いろいろな人に会う。先輩や、他大学の就活生にも会う。そこから必ず何か感じるものがあり、情報を得ることができます。
また、大学生活でいろいろなことを実行してみるといいと思います。授業の単位をとる、ということ以外はすべて私たちに任されています。そのなかで、どう時間を使うか、経験をどれだけできるかということは、一人一人の自由に委ねられていると思います。

他の同級生はどのような方面に進むのでしょうか?


大学生
教員になる人もいますが、教職課程をとっていても一般企業に就職というケースも見られます。

先生
そもそも日本語研究を専門にしていますので、教職をめざす学生が多いのは当然なのですが、それ以外の分野も多様です。文学というと、教職以外ではとかく出版、マスコミ関係と思われる方が多いと思いますが、学科全体としては就職先は多岐に渡ります。たとえば、金融、旅行代理店関係も多いですね。

 

 


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