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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 

●5年後に向けて




皆さんの将来の夢・目標は何ですか?


大学生
大学院で様々な実験の手法などを学び、卒業後は向後さんのように、技術・研究系の仕事に就くことが今の目標です。5年後であれば、学びを生かせる食品メーカーの研究職で、健康に寄与する食品・サプリメントの開発をしていたいと思いますね。


卒業生
まずは技術者として、今より一回りも二回りも成長することが目標です。同時に、身につけた知識やスキルを生かしてより多くの成果を出し、その成果が業績アップや社会貢献に還元されればよいなと思っています。
将来は、会社の新サービスにつなげられるような研究も行い、新たな発見をしてみたいと考えています。

先生の研究で達成したい目標はありますか?


先生
ビタミンEの不足から生じる不安行動のメカニズムやタンパク質の不足で成長が悪くなるメカニズムを、分子レベルで解き明かすことですね。そして、生化学の教科書にその新たなメカニズムの記述が掲載されて、生化学の基礎研究の進歩に少しでも貢献できればよいですね。

先生の研究のやりがい、社会的な意義はどういうところにありますか?


先生
研究は、まだ誰も見つけていないことを発見する作業ですので、そこが最大のやりがいであり魅力です。
私たちの研究の社会的な意義としては、成果を心身の健康に役立つ食品等の形で一般の人たちにも提案できるところだと思います。

先生の研究に触れるために高校生ができることは何かありますか?


先生
研究分野に関係する教科は生物と化学ですので、その両方を高校からしっかりと勉強しておいてほしいと思います。

 


●高校生へのアドバイス




もし高校1年生に戻れるとしたら、何をしたいですか?


大学生
先ほども話しましたが、高校時代には勉強が面白いと思えなかったので、勉強の楽しさに気づけるような何かと出会えることを探したい、でしょうか(笑)。得意科目である生物と化学の授業は楽しかったのですが。
あとは、年上の方の人生経験的な意見にもっと耳を傾けておけば良かったなと思います。
今考えると、両親がいろいろと言ってくれたことは、間違っていなかったと思えることが多いです。そう考えると、当時は年上の方の意見をあまり聞きませんでしたが、いろいろなことを知っている年上の方に意見を聞いて、参考にするべきだなと思います。

卒業生
勉強とは関係ありませんが、高校時代、私はバスケットボールに情熱を注いでいましたので、今度はもっとハイレベルなバスケットボール部に入ってみたいなという思いがありますね。そこにはどんな世界があるのかな、と。

大学・学部・学科選びなど進路選択はどのように決めていきましたか?


大学生
僕は学部選びに迷いました。受験生時代は「生命科学」が流行でしたので、最初は明治大学農学部の生命科学科を受験しようと考えていました。その際に父から「農芸化学科の方が合っているのではないか」と言われ、考え直した結果、最終的には農芸化学科を第一志望にしました。

先生
生命科学と農芸化学は分野的にかなりオーバーラップしている部分がありますので、高校生だと迷ってしまうでしょうね。大きな違いを言えば、生命科学は基礎研究が中心であるのに対し、農芸化学の場合は、食品や環境などを中心に具体的な製品づくりも視野に入れた、かなり実学的な学びであるということです。

卒業生
私もその点で少し迷いました。ただ、根本には「食を通して人を健康にしたい」という思いが強くあったので、食品を中心に学べる農芸化学を志望する気持ちは変わりませんでしたね。

就職先や大学院進学などは視野に入れて学部選びをしましたか?


卒業生
「食を通して健康に貢献したい」という漠然としたイメージがあっただけで、具体的な就職先は考えていませんでした。大学院進学を考えたのは大学3年次の時でした。もちろん、私の周りには1年次から大学院進学を決めていた人もいました。

大学生
僕も就職のことはまったく考えていませんでしたね。こうなりたい、というビジョンすらありませんでした。当時は大学院進学については考えていませんでしたし、単純に微生物を扱った研究ができるのではないかという考えからこの学部を選びました。

高校での学びの重要性についてアドバイスは何かありますか?


先生
大学で何を専門的に学ぶにせよ、その専門分野に関する基礎学力は、高校時代からつながっていると考えてほしいですね。また、文・理や専門分野を問わず、英語はしっかり学んでおいた方がよいです。本学科においても、3・4年次になれば多くの英語資料を読むことになります。
他の教科に関しても同じですが、高校時代はそれがどう役に立つのかわからなくても、大学や社会に出て、様々なことを判断していく上で、いろいろな教科の学びが生きてくると考えてほしいと思います。

大学生
僕は英語力の必要性を感じています。大学でも英語の必修授業はありますが、読まなければいけない学術論文の多くは英語で書かれています。

先生
英語の授業は一般英語から、学部・学科ならではの専門英語を学ぶ授業も用意しています。

卒業生
私は「英語農学」を履修しました。環境や農学系のテーマについて、英語で学ぶ授業で、与えられたテーマに関して、英語でプレゼンテーションも行いました。大学院に入ってからも学びましたが、プレゼンする機会は院の方が多かったですね。とても勉強になる授業でした。

受験勉強で役立った方法を教えてください。


大学生
まず、暗記したいことは読んで覚えるのではなく、とにかく書いて覚えるようにしました。読んで覚える場合には、声に出して読むととても効果的でした。
受験期や受験当日は、精神面においても不安定になります。その際に役立ったのが、本で読んだ「アクセプト」という標語でした。受け入れる、という意味の英語ですが、どんな現実も受け入れていこうよというこの言葉を、呪文のように自分に言い聞かせていましたね。心が不安定になったり、寝られなかったりするのも、「しょうがないさ」と受け入れる。こう考えると、気が楽になって落ち着いて対処することができました。

先生
今は売っていますが、椅子に座った状態で入れるこたつを、大工さんに作ってもらいました(笑)。頭寒足熱の効果で、良かったですね。

卒業生
私は1日のスケジュールを立てて、それにしたがって勉強しましたが、それが自分には合っていたと思います。
また、睡眠時間はインプットした情報を脳に書き込む時間でもあるので、しっかり取ることも重要ではないでしょうか。
参考書は、ついあれこれ買ってしまいがちですが、まずは一つに決めて、それをしっかりと繰り返し読むようにする。その上で、さらに必要であれば別のものも読むようにすることで、知識が身についたと感じています。

最後に、改めて明治大学農学部の素晴らしさを教えてください。

大学生
農芸化学科に入り、2年次の段階で専門にしたいことを環境から食品へと転換させました。自分が本当に学びたいことを発見できたことが、まずうれしかったですね。
そして、高校時代から大学入学当初までは、将来のビジョンは真っ白でしたが、大学で学んで行く中でそれも見えてきたことが、さらにうれしかったです。そういう環境があることが素晴らしいですね。

先生
化学か生物のどちらかが好きであれば大丈夫という幅の広さと、学びが社会に役立つという実感が持てることが、農芸化学科の素晴らしさだと思います。

卒業生
先生と同じになりますが、化学や生物が好きな人にとっては、入って損はない学部・学科ですよね。 また、明治大学には多くの学部学科があり、学問の域を超えた多くの人たちと交流できる場であることも素晴らしいと思います。

大学構内のお気に入りスポット
先生
研究室フロアの端にあるテラス・スペースですね。景色がとても素晴らしくて、東側を見ると東京が一望できて、気に入っています。

卒業生
私も同じです。狭いスペースですが、景色が良く、疲れた時にはよく一休みしに来ていました。また、誰かと真剣な話をする時にも、そのベランダのスペースを使っていました。

大学生
生田校舎の人気スポットでもありますが、登山家、冒険家の植村直己さんの記念碑がある芝生ですね。あと、ラウンジによく集まって、話したり勉強したりしていました。

 

 

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