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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 


●大学生活について




筑波大学の特徴を教えてください。


先生
総合大学の特徴を活かして、勉強できる機会が多くある大学だと思います。1年次には、ほかの学類の授業を受講するカリキュラムになっており、専門以外の学問分野も学び、視野を広げることができます。
また、サークルなど、学生の自主的な活動も活発です。キャンパスも広いですし、筑波大学には、「生活の中に大学がある」という雰囲気がありますね。


卒業生
たしかにそうですね。

社会工学類には、“つくばの社工”という愛称があるそうですが、どのような学類なのでしょうか?


先生
社会経済システム、経営工学、都市計画という3つの主専攻があり、どの専攻でどのような研究に取り組むか、1年次にじっくり考える余裕があるのが“つくばの社工”の大きな特徴です。そして、2年次に主専攻に分かれてからも、3分野にまたがり体系的に知識を習得することで、さまざまな社会問題の解決に挑んでいける人材を育てています。
“社工”のいいところは、3つの分野がカチッと分かれているわけではなくて、それぞれ関連して成り立っているところです。先生たちも、トピックに応じて分野の枠を越えて共同研究することも多いですし、そこから生まれるものは大きいと思います。

経営工学主専攻の学びの概要について教えてください。


先生
数学力とIT力を武器として理系の経営学を学ぶことができます。カリキュラムは「エリア制」を導入しており、自分で将来を見据えて必要なエリアを選択できます。マネジメント、情報技術、数理工学モデル化の3つのエリアがあり、経営が直面する諸問題を把握・解決するための現場力とともに、数学力とIT力を並行して学ぶことにより、科学的根拠を用いて解決できるようになります。

お二人の入学のきっかけを教えてください。


卒業生
私は高校の頃から数学が好きでしたが、理科は嫌いだったんです。理系の大学に行ってやりたい仕事というのが想像できず、高校2年の進路選択の時には文系を選択しました。しかし、数学の勉強を続けたいという気持ちが強く、文系でも受験できて理系分野を勉強できるところを探しました。それから、主専攻を選択するのは2年生からなので、進路についてじっくり考えられるなと思いました。大学に入ってからも、方向性についてもう少し迷っていいだろうと感じていたので、ここに決めました。
その中で経営工学主専攻に進んだ理由は3つの主専攻の中で、おそらく一番数学の色が濃いからですね。それに、繁野先生の授業を受けて、企業経営の中に数学や情報の概念を取り入れていくという考え方がとても面白いなと思いました。私がやりたかった、文系分野も理系分野も勉強したいという気持ちに一番近いと感じたのです。

大学生
宮崎さんがおっしゃったように、入学後に専攻を決める点は魅力だと思います。僕はよく言えば好奇心旺盛で、ゲーム理論やデータ解析も学びたく、まちづくりにも興味がありました。いろいろな分野を学ぶことができると思ったのが、社会工学類に決めた一番の要因です。
また、筑波大学に入りたかった理由としては、日本一の陸上部があるということが大きいですね。大学でも陸上をしっかりやりたいと思っていました。それに、僕は兵庫県出身ですが、知り合いが一人もいないという環境に自分が飛び込んでどうなるのかを試してみたかったという理由もあります。

社工はどのような雰囲気ですか?


大学生
グループワークが多く、特にディスカッションを行う実習が楽しいです。授業を通じて仲良くなって、飲み会をやったりして、顔見知りが増えていくというのがまた楽しいですね。


卒業生
在学中は勉強がすごく楽しくて、毎日友だちと集まってグループワークをしていました。入学直後に受けた授業では、「町に行って問題を探してきなさい」と言われて、いきなり知らないつくばの町をみんなで歩きました。私は自宅生だったので、みんなとは家も遠いし、なかなか溶け込んでいきにくかったのですが、グループワークを通じて、すぐに仲良くなれました。最初のグループワークで一緒だった人たちとは、専攻が分かれてからもずっと付き合いが続きました。

大学の勉強が、高校と違うと感じる点はどこでしょうか?


卒業生
24時間パソコンが使える端末室という部屋があるんですが、夜中までみんなで研究しているのを見て、高校とは全然違ってすごく刺激的だなと感じました。

大学生
僕は今ひとり暮らしなので、夜までみんなで課題に取り組むことがあっても、親に迷惑がかかることを考える必要がなくて、自分やグループの気の向くまま、気の済むまで勉強できるという利点があります。それに、高校では決まった時間割が組まれていますが、大学では自分で選択して履修する講義を決められるので、自分が知りたい!と思うことについて勉強できるというのが、大学での学びの幸せなところだと思います。

社会工学類に入って良かったと思うことを教えてください。


卒業生
ものをはっきり言えるようになったと思います。“社工”では、ゼミで上級生と議論をすることももちろんありますし、そこで遠慮していたらしょうがないですから鍛えられました。社内では、偉い方も同席し、同じテーマに向かって問題解決しようという研修があるんですが、そういう場に行くと、私の頭の中は「問題解決!」モードになるので、偉い方かどうかは関係なく、はっきり「それは違います」と言えます(笑)。

先生
グループワークのたまものですね。

卒業生
違うことを違うままにしておきたくないんですよ。

大学生
かっこいい……。

先生
我慢できないのね。

卒業生
そうですね。不機嫌な顔になっちゃいます(笑)。

大学生
僕は、行動力やコミュニケーション力がついたと思います。フィールドワークもよく経験したので、わからなくなったら、とりあえず現場に出てみようという習慣がつきました。普通の理系だと、研究室での学びだけで終わってしまうじゃないですか。でも僕らは、例えば都市計画の授業だったら、わからなくなった時は「東京のまち歩きに行ってみよう」と、現場主義で考える力が身についていると感じます。

 

 

●就職活動、仕事について




宮崎さんは、進路をどのように決めましたか?


卒業生
私は、サービス業の分野に数学や情報などの工学的知識を取り入れたいという目標を持っています。コンサルタントという形ではなくて、実際にその会社に入って、現場や管理職も経験したうえで、その会社のためだけに力を使いたいと思ったんです。サイゼリヤではアルバイトも楽しかったですし、ここでなら自分が役に立てそうだと思ったので、就職しました。



外からアドバイスするのではなくて、ということですね?


卒業生
よくわからないのに外から適当に言うんじゃない、と思うんです(笑)。

今のお仕事のやりがいはどういうところですか?


卒業生
今は店舗にいますので、たくさんのお客様に来ていただけるとうれしいですし、決められた時間内に、手順よく、見た目のよい料理を提供できた時に充実感を感じます。

社会工学類の卒業生の進路は、どういうところが多いでしょうか?


先生
経営工学主専攻からだと,経営に関する知識とIT力を活かした就職先が多く、SEが人気です。大学院への進学率は5割程度となっています。社工全体だと、社会経済からは金融、都市からはゼネコン、公務員などが多いです。

卒業生
SEは多いですよね。

先生
中には会社を作った卒業生もいます。スマートフォンのアプリケーションを開発する会社だそうです。ほかには、弁護士、会計士、税理士になった人もいます。

卒業生
都市計画主専攻からは、カーナビゲーションシステムを作る会社に就職した人がいます。カーナビの開発に関わっているようです。

 

 


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