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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 

●5年後に向けて




5年後の自分はどうありたいと考えていますか?


大学生
今は大学院に進学しようと考えていて、そこで学びを深めて、あわよくば先生のお供として海外の学会発表などについて行けたらいいなと思っています。そして、データ解析など、今培っている能力を活かせる仕事につきたいですね。


どういう業界、職種というのは、現時点では決めていないのですか?


大学生
そうですね。でも、コンサルタントよりも宮崎さんのようにどこかの企業に入って、そこでしっかりやりたいとは思っています。

卒業生
私は、5年後には結婚して出産していたいなと思います。そして、仕事も続けていたいです。外食産業は現場主義なので、出産を機に辞めてしまう女性社員が大変多くいます。そこを経て続けないと、自分の夢は叶わないと思っているので、出産してからも仕事を続けられるというモデルケースになりたいですね。

その「夢」とはどういうことでしょうか?


卒業生
大学の先生方と一緒に何かをやってみたいです。将来的には、大学での研究を会社で活かしたいという気持ちがありますが、自分の力だけでは難しいところがたくさんあります。繁野先生はもちろん、多分野の先生方にお会いしてご協力をお願いできたらいいなと思っています。

先生
今、つくばの“社工”では、サービス工学という新たな分野の研究に取り組んでいます。大学院では、「サービス工学学位プログラム」という制度も始まりました。まさに宮崎さんが言ったように、サービス業を対象にして、経営の効率化などの研究を支援するプログラムです。新たなサービス方法を開発・実践し、社会に還元していくことを目的としています。マネジメント、数理、ITにとどまらず、“社工”の強みを活かして、都市、地域、環境、心理、経済などの様々な研究者が産業界と一緒になって、サービス業のあり方を変えていこうとしています。私たちの研究をいかに浸透させていくかということが、今後課題になっていくでしょうね。

先生の研究の魅力を教えてください。


先生
小さなことでも、新しい方法、法則を発見した時にドキドキ感を得られることです。 さらに言えば、経験と勘だけで経営している会社に、数理的手法を用いて、経営資源をより効果的に活用する手助けができた時の満足感も魅力ですね。サービス業で成功を納めているいくつかの会社は経営陣が数理的アプローチによる問題解決を重視し、それが成功につながっています。例えば、従業員の勤務表作成などは、些細なことのように思われがちですが、これも従業員の満足度を上げ、経営の人的無駄を省く、経営にとってはとても重要な問題です。

 


●高校生へのアドバイス




ご自分が高校1年生に戻ったら何をしたいですか? それを踏まえて、高校生に向けてアドバイスをお願いします。


大学生
僕は高校生活にはあまり悔いがないので、今の高校生にも悔いなくやってほしいですね。体育祭や音楽合唱コンクールなどの行事が大好きで、高校の時にしかできないことに一生懸命取り組めて良かったと思っています。あとは、大学選びの時に偏差値で選ぶのではなくて、僕のようにはっきりした理由を見つけて受験してくれたら、大学入学後につらいことがあっても粘り強くがんばれるのではないかと思います。

卒業生
私は高校1年生の時に、化学を学び始めてから理科が全部嫌いになってしまって、あきらめちゃったんですよ。でも、好きにはなれなくても、何かしら嫌いにならなくて済む方法があったのではないかと思っています。嫌いと思う教科がなかったら、選択の幅は広がったと思うので、選択肢を残しておけば良かったですね。
偏差値で選ばないほうがいいというのは、まったくその通りです。私は筑波大学に入学するまでに、3回くらい大学を見て回ったり、オープンキャンパスでお話を伺ったりして、そこで「筑波大学に合格したらご飯をおごります券」というものをもらいました(笑)。そういうことをしてくれた先輩がいたのは筑波大学だけだったので、温かい空気を感じましたし、その印象は入学後も変わりませんでした。実際に足を運び、本やWebでの情報だけではわからない部分を見て選ぶということがとても大切だと思います。

先生
特に、女性だと理系というだけで尻込みする生徒さんもいると思います.でも、この経営工学主専攻にいる教員のうち、25パーセントは女性です。女性にとっても、とても環境のいいところだということを強調したいと思います。
それから、表現力、論理的思考力は数学の学習で身につくのではないでしょうか。数学は将来必要ないと思う人が大勢いると思いますが、手順を追って説明する力は大学でも社会に出てからも必要です。

最後に、理系を目指す高校生へエールをお願いします。


先生
私は、そもそも橋を造ったりトンネルを掘ったりの工学に興味があったのですが、結局経営工学の道へ進みました。しかし、今でも土木方面に関わろうと思えば、研究者として関われる環境にはあります。
だから、好きなことはあきらめないでください。興味があって好きならば、何かしら続けられる方法があるはずです。好きだけどきつそうだから理系はやめますというのは、とてももったいないことです。

大学構内のお気に入りスポット
大学生
勉強の面でのお気に入りスポットは、端末室です。僕たちの間では、「○時、端末集合」という言葉が当たり前に使われているくらいです。
あとは、陸上をやっているので、クロスカントリーコースを走るのが好きです。森の中を走りながら、いろいろ考えを深めることができ、とにかく気持ちいいですよ。

先生
筑波らしいスポットとしては、ペデストリアン・デッキですね。歩行者と自転車専用の道で、沿道には芝生や池もあり、緑に囲まれた環境です。のんびり散策すると、なにかアイデアが生まれそうですね。

卒業生
キャンパスの北側にある農林技術センター方面に歩いていくと、牛が見えるんですよ。緑があってほっとできる場所なので、研究室時代、疲れるとよく15分くらい散歩していました。

 

 

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