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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 


●大学生活について




東京理科大学を志望した理由を教えてください。


大学生
まず高校生の頃、文系か理系かと考えれば、自分はどちらかと言えば理系だろうと考えました。その後、親や先生からのアドバイスを受けて、東京理科大学を選びました。


卒業生
受験を決めたのは高校3年生の時です。当時、「物理U」の電磁気学が好きで、そういう学問を学べる大学はどこだろうと考えました。私は出身が千葉県の柏市なんですが、理学部がある大学としては東京理科大学がとても有名だったので、そういうところから志望しました。

先生から、東京理科大学の特長を教えてください。


先生
「実力主義」というものを堅持しているというところが、東京理科大学の一番の売りであり、学生からすると、つらさであり、卒業した時に笑顔になれる要因の1つである、と私は信じています。つまり、しっかりとした力を持って社会に羽ばたいていけるということです。
応用物理学科では、カリフォルニア大学への留学制度のほか、プレ配属という制度があります。通常の学生より1年早く研究室に配属できるというシステムで、単位にはならないんですが、先輩とのコミュニケーションなどを通して、物理の面白さを知るという上では、とても魅力あるシステムだと思っています。

大学生
僕はプレ配属はしなかったんですが、友達でこの制度を利用している人もたくさんいました。全体の校風として、まじめな大学なんだなと思いますね。

面白かった講義や、大学生活で楽しかったことを教えてください。


大学生
講義で興味深かったのは、量子力学ですね。高校から学んできた古典物理学からの脱却というのは、かなり衝撃的でした。あと、講義実験という授業が楽しかったです。ドイツあたりで生まれた実験方法らしいんですが、先生が実際に教卓の前で実験をしながら講義する形式で、日本でそのシステムをとっているのは東京理科大学だけらしいです。小中学生にわかりやすく科学の面白さを伝える方法の1つとして、実験ってあるじゃないですか。そういう気持ちを思い出せる、興味を湧き立てられる授業でした。
大学生活では、高校までは大人たちに「これはやっちゃダメだよ」って言われていた、そういうタガが外れるというか、自由かつ自己責任というところがあると思います。いろいろ遊びのレベルが上がるというか(笑)。僕が大学に入っていちばん印象に残っているのは、バイクで日本中を旅したことですね。

卒業生
講義実験は私も楽しかったですね。比較的簡単な実験なんですが、社会に出てからも、簡単な実験のようなことはたくさんやるので、実験をするとはこういうものなんだということも学べるような気がします。
大学生活では、私はバスケットボールのサークルに入っていました。週に1回くらい、バスケットを通じて、先輩・後輩、友達などと交流したり、それ以外にも遊びに行ったり飲みに行ったりとか、そういう友達が増えて楽しかったですね。大学院を修了して今年で3年目ですが、誰かが結婚するので集まったりというのが、年に何回もあります。

大学全体の雰囲気はいかがですか?


大学生
さっき先生がおっしゃっていたように、実力至上主義、ですね。高校生にこういうことを言うのはよくないかもしれないですけど、他大学だったら、講義に出ていなくても試験直前に勉強さえすればなんとか卒業できるということもあるでしょうが、うちはそうはいかない。どんなに真面目に講義を受けていても落ちる学生は落ちる。だから、ある意味では実力は本当につきます。僕も最初のうちはいやいやだったんですけど、単位をほぼ取り終えて今思えば、なかなかいい経験だったと思います。

卒業生
たしかに、厳しい面もあると思います。でも、そういう厳しさというのは、社会に出ると当たり前のことになってくるので、それを学生のうちから体験できるというのは、いいことだと思います。今と、研究室にいた頃と、どっちが厳しいんだろうって、よく考えますよ(笑)。

 

 

●就職活動、仕事について




川島さんが、今の会社を選んだきっかけは何ですか?


卒業生
就職活動をするにあたって、大学の研究室でやっていることを生かした業界に行きたいというのはありましたね。そういう中で、半導体のメーカーや、今の会社のような半導体の研究所などが候補にありました。


どういう部分に興味をひかれましたか?


卒業生
いちばん大きいのは、研究開発に携われるというところですね。会社は半導体関係なので、超伝導体とはまた別の物質に関したことですけど、ただ、原理の追究とか実験技術に関して言うと、会社に入っても役に立つものがたくさんあります。大学で使っていたものと同じようなソフトウェアを会社で使うこともありますし、電圧とか電流の測定って、たいていどの物質に対しても行われる測定なので、大学時代の研究が、より具体的な局面で使えることが多いですね。

現在のお仕事は、直接超伝導には関わっていないけど、大学時代の研究のノウハウは生きているということですね。


先生
半導体をちゃんと理解していないと、超伝導は理解できないし、絶縁体も理解していないと、超伝導は理解できない。そういう意味においては、超伝導は全部の分野に関わってくるんです。逆に言うと、大学でしっかり基礎を身につけておけば、どの分野に行っても活躍できるということです。

超伝導は物理の範疇ではありますが、化学の知識も必要になってきますね。


先生
もちろんです。化学もわかっていなければ超伝導の研究はできません。

皆さんの卒業後の進路は、どういうところが多いですか?


先生
大半は大学院に進学ですね。その後の就職先は本当に幅広いですよ。研究所、自動車関係、メーカー、IT関係、教員、公務員などです。

卒業生
友達では、メーカーの技術部などが多かったですね。

 

 


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