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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 

●5年後に向けて




先生の研究は、5年後にはどのように発展されているでしょうか?


先生
大学の研究室には、常にフレッシュで若い学生が入ってきます。いろいろな刺激を与えてくれますので、何年後であろうとも、常に新しい方向に研究が向いていると言えるでしょうね。また、そうでありたいと思っています。
私たちの研究は、だいたい5年10年のスパンで行っています。企業から話しを持ちかけられて、現実的な共同研究をする場合もありますが、研究室全体の目標というのは、かなり先の未来を意識して設定しています。


5年後、2人はどのような将来を思い浮かべることできるでしょうか?


大学生
5年後は社会に出て仕事をしていると思います。一人前として仕事を任されていたらうれしいです。

卒業生
もしかしたら、まったく違う分野の仕事をしているかもしれません(笑)。
機械工学の学位を持ってはいますが、それに縛られることもないので、もし別の何かをやりたくなったらやれるような柔軟性は持っていたいと思います。
ただ、今の私の研究が5年後に成果を得て、たとえば市場に出ているかというと、それは怪しいでしょうね。もっと長いスパンを考えて研究を行っています。

先生
新しい車の開発には10年かかりますね。

卒業生
ですから、10年後に新しい車を市場に出した時に、自分がその時まで関わっているかはわかりません。分業制ですからね。ただ、それを生み出す基の研究は自分が行ったと言えるでしょう。5年後には、さらにその先の10年後を見据えた研究をしていたいです。

 


●高校生へのアドバイス




先生の研究を将来行おうとした場合、高校生はどのような勉強が必要ですか?


先生
物理と数学の勉強は、きっちり行った方がいいでしょう。これらは基本の基本です。英語は、あえて言うまでもありません。世界をターゲットに様々なことを行うには、英語が不可欠です。僕が大学の頃は、英語の授業は先生次第で、たいした内容ではないものもありました。しかし、今の授業はすごく実践的で充実しています。クラス編成に、TOEICの成績が加味されます。

受験勉強にあたって何かアドバイスをお願いします。


大学生
私の場合、ボールペンを使って、書いて勉強していました。友達の中には、定規を使って図を書いている人がいましたが、それでは試験の時に定規がないと書くことができません。私はボールペン1本でスラスラ綺麗に書けるくらいに勉強しました。
また私は心配性なので、勉強した量が目に見えないといやだったんです。ボールペンはインクの減りが目に見えますから、私にとっては最適の筆記具でした。これだけやったから大丈夫だと、自信を持って試験に臨めました。

卒業生
勉強は、辛いかもしれませんが、慣れると辛さはなくなります。いい点を取って合格を勝ち取るのが受験勉強ですが、そのためには、どう勉強するのか、塾へ行くのか、通信教育を受けるのか、自分でやるのか。予備校でも講師を選ぶことができますから、ゲームのように戦略を立てて、自分を律して、それに向かって邁進する。そういう計画性が大事ではないかと思います。それが身につけば、大学に入って定期テストを受ける時にも、研究の時にも応用することができます。

創造理工学部の素晴らしさを教えてください。


先生
創造理工学部はモノづくりがキーワードです。今は、いろいろな大学がモノづくりから遠ざかりつつあって、何でもコンピューターで行ってしまう方向に変わっています。そういう中で、現実に手を動かす、モノをつくる、さまざまな機械に触れられる。そういう場を私たちは、重視しています。現実のものに触れたい、携わりたい、それをテーマにして研究したい、将来もそういう方向で活躍したい、という人たちのために、そういう環境を整えているのです。早稲田はその環境を充実させることを重視していて、他大学と比較しても早稲田のモノづくり系は一番強いと自負しています。


卒業生
早稲田はカラーというか校風があり、言葉で伝えるのは難しいですが、慶應、東大、明治とか有名他大学とは明らかに違う雰囲気があります。そういう校風に合う人は、仲のいい友達も作りやすいので、ぜひお勧めします。

大学生
先生がおっしゃったように、モノづくりの環境が整っている点が一番の魅力だと思います。設備や装置もそうですが、指導してくださる人がいるのです。工房に行ってこういうイメージのものをつくりたいと言うと、こういう材料を使って、こういう手順でつくればいいのではないかと、具体的にアドバイスしてくれる人がいることはとても大きいと思います。

先生
それは工作実験室のことですね。早稲田にはモノづくりのための実験室が整っています。専任の技術職員の方がおられて、細かく指導してくれます。モノづくりのための施設、人を含めて、これほど整っているところは、ほかにはありません。

大学生
私の場合、いろいろな人に出会えたことが大きかったです。女子高でしたから、女子大に行って、そのまま社会に出る場合と比べると、大きな違いがあったと思います。ここでは、価値観が異なる多くの人と出会えました。

卒業生
ロボット研究ということで言えば、早稲田は世界でもトップレベルにいます。先生方も世界のトップクラスの方々ばかりです。ですから、世界中の著名なトップクラスの先生方が早稲田で講演されたり、研究室を見学に来てくださったりしますので、そういう先生方にアドバイスをいただくチャンスもあります。

もし、高校生に戻れたら何をやりたいですか?


大学生
2つやりたいことがあります。1つは、もう少し真剣に部活をやりたかったです。もっと運動して体力をつけておけばよかったと思っています。高校は部活を行う環境が整えられていますから、大いに活用するべきです。
2つめは、機械科に入って感じたことですが、もう少し手を動かして何かをつくるという体験をしておけばよかったと思いました。高校の時にモノづくりのセンスを身につけておけば、今ほど苦労はしなかったと思います。

先生
理工系は体力が必要ですからね。そこが文系と理系の大きな違いの1つでしょう。論文を仕上げる時は徹夜が続きます。世界の先端を走ろうとすれば、体力の続く限り研究を行うのは、当たり前の話なのです。

卒業生
僕はアルバイトをしたいと思います。じつは、高3の時に一番悩んだのは、大学に行くべきか行かざるべきか、ということでした。将来どうしたらお金を稼ぐことができるのか具体的なイメージがつかめず、大学を卒業すればお金が稼げるようになるという実感がなかったんです。結局それで一年を無駄にしてしまいました。それを考えると、高校生の時からお金を稼ぐことは、大事な意味があるのではないかと思います。

 

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