●大学生活について
商学部での学びについて教えてください。
■先生
本学の商学部は1904年に創設されましたが、その基本理念は「学識ある実業家の輩出」です。いまで言えば「幅広い分野で活躍できるビジネスリーダー、起業家の育成」ですね。「商学」という言葉に一番近い分野を挙げるとすれば「マーケティング」ですが、本学部の学びの内容は「マーケティング」に限らず、ビジネスに直結する実学的な学びである「経営学」に重点を置きつつ「経済学」も学べる、ビジネスと経済の融合領域と考えていただければいいと思います。
皆さんが商学部を選んだ理由は何ですか?
■大学生
大学受験の際に、商学部・政治経済学部のどちらにするべきかで少し悩んだこともありました。最終的に商学部を第一志望にしたのは、いまのビジネスに関して実践的なことを学びたいという思いがあったからです。
■卒業生
僕はビジネスに直結した知識を学びたいと思っていましたので、経済・経営・商学といった学部学科を目指しました。そのなかで商学部を選んだのは、父が「会計」に詳しく、その話を聞くうちにこの分野に関心を持つようになったからです。高校時代には簿記の勉強も始め、「会計」が学べる学部である商学部を目標に定めました。
入学後の印象はいかがですか?
■大学生
少人数の高校出身でしたので、大学に入って驚いたのは、学生数の多さでした。一方で、個性的な人が多く、出身地も多岐に渡っているのが印象的でした。
勉強面では、苦手な数学も必修科目でしたが、基礎から先生が丁寧に教えてくださったので、不安を持つことなく学ぶことができました。
■卒業生
僕は早稲田の付属高校出身でしたが、高校時代の友達もみんなそれぞれ、新たな友達作りを始めていまして、僕も積極的に交友関係を広げていきました。早稲田大学はすごくオープンな雰囲気があり、友達が作りやすい風土があると感じました。
周りの方々の入学動機などは聞きましたか?
■大学生
入学当時は、「公認会計士を目指している」「税理士を目指している」と言っていた友人がいましたね。ただその後、それぞれ目標は変わっていったみたいですが(笑)。
■卒業生
たしかにそうですね(笑)。一般入試で入った同級生には会計系職を目指している人が多かった気がします。在学中に公認会計士試験に合格する人もいましたし、合格に向けて勉強を続けている人たちも多かったです。
商学部では新たなカリキュラムがスタートするそうですね。
■先生
はい。2014年度から新たなカリキュラムを導入します。ポイントは4つあります。
1つ目は基礎的な商学知識を身に付けるため、基礎専門科目を増やします。2つ目は「トラック制度の導入」です。これまで本学では、卒業後の進路を想定して4つのコースから学びたい領域を選んできましたが、新カリキュラムでは6つのトラック(進路)より選択ができる、つまり、より細分化された選択肢の中から学びを深められるわけです。3つ目は卒業に必要な単位が132単位から124単位になります。これは、海外留学やより発展的な活動を学生時代に行えるようにするためです。最後の4つ目は、英語力の強化で、全学共通の少人数制英会話科目「General Tutorial English(チュートリアル・イングリッシュ)」が新たに必修科目に加わります。また、数学を使った「統計」も必修になります。
印象に残っている授業を襲えてください。
■大学生
私は「寄附・提携講座」が印象的です。この講座では協賛企業の方が授業を行ってくださり、インテリア家具の小売メーカー、生命保険、旅行会社などその内容は多様です。ビジネスモデルや企業が成長のために取る事業戦略など、実学的なことを多く学べました。
■先生
この授業は、学生たちにビジネス現場の様子を伝えるための授業ですが、協賛企業の単なる宣伝にはならないように配慮され、ビジネスにおけるケースデータが学べるようになっています。商学部の特徴的な授業のひとつですね。
■卒業生
僕はゼミですね。藤田先生のゼミは、一人がプレゼンを行い、他の学生はそれに対して質問をしてディスカッションを行うというスタイルでした。「質問をする」ということが授業を進めるカギになっていますので、みんなが集中して主体的・能動的に授業に参加できる点が、とてもいいところだと感じました。
現在の業務においても、不明点はどんどん質問をして解消していかないと、自分の成長につながりません。この点もゼミでの学びが活かせていると思います。
■大学生
それから、英語の授業に関しては、3年次に英字新聞を読んで要約するという授業を履修しました。英語のボキャブラリーを増やしながら、ビジネス英語も学べたので助かりました。
■卒業生
英語といえば、僕は先ほども少し話に出ていたチュートリアル・イングリッシュが印象的です。ネイティブの先生との少人数制英会話の授業で、会話力を高めるのに役立ちました。
藤田ゼミの学びの内容を教えてください。
■先生
私のゼミのテーマは経営学の中でも「組織と戦略」です。3年次の最初には「組織論」を学びます。その後は、組織が事業において展開する戦略について、グループ研究を行い、その成果を論文としてまとめます。4年次では個人研究を進め、卒業論文としてまとめます。学生にとって大切なことは、組織・戦略・経営に関して自分でしっかりと関心や問題意識を持ち、研究テーマを見つけていくということです。自分なりの視点を持つということが、社会に出てからも大いに活きてきます。
藤田先生のゼミを選ばれた理由は何でしょうか?
■大学生
2年次に井上達彦先生の「経営組織論」という授業を履修し、経営に対する興味が深まったからです。また、ゼミを選ぶ際には先生のお話をうかがえるゼミ説明会や「ゼミナビ」という相談会があるのですが、その際に藤田先生やゼミの先輩にお会いし、内容や授業の進め方などを聞き、参加したいと感じました。
■卒業生
僕は経営系のゼミに入りたいと思っていました。藤田先生の授業は履修したことがなかったのですが、「ゼミナビ」に参加し、先輩や先生と話をしまして、先生のゼミが一番学びたい内容に合致し、授業もおもしろそうだなと感じたので選びました。
■先生
ちなみに商学部では、「経営」「会計」「マーケティング・国際ビジネス」「金融・保険」「経済」「産業」の6つのトラックごとに、それぞれ細分化したテーマのゼミが展開されています。
ゼミでは何か盛り上がるイベントを行いますか?
■大学生
藤田ゼミでは、「インゼミ」と言いまして、他大学と合同で研究発表会を行い、私たち早稲田大学のほか、慶應義塾大学、立教大学、明治大学が参加します。主に3年生がグループで参加し、準備は大変ですが、ゼミの早慶戦という感じでけっこうみんな気合を入れていますね(笑)。本格的な論文作成という作業も初めてでしたし、インゼミの他校生たちもみんな力を入れて勉強をしてきていますので、良い刺激を受けました。また、論文発表をするにあたり、しっかりとした根拠づくりを行い研究結果につなげる、というプロセスを学ぶことができました。
■卒業生
発表する論文に粗があると、質疑応答の際に他大学の学生たちから突っ込まれてしまいますので、論文に落ち度はないかと注意しながら、とても真剣に作成しました。いい勉強になりましたね。
■先生
本当は発表会にしたいのですが、ついつい討論会みたいになってしまうんだよね(笑)。この他にも、年に1回はものづくり現場や工場見学に訪れるようにしています。これは、経営を学ぶ上で工場というひとつの現場の実態を学んでもらうためです。
■大学生
私は昨年訪れたネジ工場がすごく面白かったですね。普段使うことなどない極小ネジなどを目の当たりにして、その高い技術力に驚かされました。
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