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CONTENTS

●プロフィール    ●大学生活について     ●就職活動、仕事について
●5年後に向けて    ●高校生へのアドバイス
 


●大学生活について




商学部での学びについて教えてください。


先生
本学の商学部は1904年に創設されましたが、その基本理念は「学識ある実業家の輩出」です。いまで言えば「幅広い分野で活躍できるビジネスリーダー、起業家の育成」ですね。「商学」という言葉に一番近い分野を挙げるとすれば「マーケティング」ですが、本学部の学びの内容は「マーケティング」に限らず、ビジネスに直結する実学的な学びである「経営学」に重点を置きつつ「経済学」も学べる、ビジネスと経済の融合領域と考えていただければいいと思います。

皆さんが商学部を選んだ理由は何ですか?


大学生
大学受験の際に、商学部・政治経済学部のどちらにするべきかで少し悩んだこともありました。最終的に商学部を第一志望にしたのは、いまのビジネスに関して実践的なことを学びたいという思いがあったからです。


卒業生
僕はビジネスに直結した知識を学びたいと思っていましたので、経済・経営・商学といった学部学科を目指しました。そのなかで商学部を選んだのは、父が「会計」に詳しく、その話を聞くうちにこの分野に関心を持つようになったからです。高校時代には簿記の勉強も始め、「会計」が学べる学部である商学部を目標に定めました。

入学後の印象はいかがですか?


大学生
少人数の高校出身でしたので、大学に入って驚いたのは、学生数の多さでした。一方で、個性的な人が多く、出身地も多岐に渡っているのが印象的でした。 勉強面では、苦手な数学も必修科目でしたが、基礎から先生が丁寧に教えてくださったので、不安を持つことなく学ぶことができました。

卒業生
僕は早稲田の付属高校出身でしたが、高校時代の友達もみんなそれぞれ、新たな友達作りを始めていまして、僕も積極的に交友関係を広げていきました。早稲田大学はすごくオープンな雰囲気があり、友達が作りやすい風土があると感じました。

周りの方々の入学動機などは聞きましたか?


大学生
入学当時は、「公認会計士を目指している」「税理士を目指している」と言っていた友人がいましたね。ただその後、それぞれ目標は変わっていったみたいですが(笑)。

卒業生
たしかにそうですね(笑)。一般入試で入った同級生には会計系職を目指している人が多かった気がします。在学中に公認会計士試験に合格する人もいましたし、合格に向けて勉強を続けている人たちも多かったです。

商学部では新たなカリキュラムがスタートするそうですね。


先生
はい。2014年度から新たなカリキュラムを導入します。ポイントは4つあります。
1つ目は基礎的な商学知識を身に付けるため、基礎専門科目を増やします。2つ目は「トラック制度の導入」です。これまで本学では、卒業後の進路を想定して4つのコースから学びたい領域を選んできましたが、新カリキュラムでは6つのトラック(進路)より選択ができる、つまり、より細分化された選択肢の中から学びを深められるわけです。3つ目は卒業に必要な単位が132単位から124単位になります。これは、海外留学やより発展的な活動を学生時代に行えるようにするためです。最後の4つ目は、英語力の強化で、全学共通の少人数制英会話科目「General Tutorial English(チュートリアル・イングリッシュ)」が新たに必修科目に加わります。また、数学を使った「統計」も必修になります。

印象に残っている授業を襲えてください。


大学生
私は「寄附・提携講座」が印象的です。この講座では協賛企業の方が授業を行ってくださり、インテリア家具の小売メーカー、生命保険、旅行会社などその内容は多様です。ビジネスモデルや企業が成長のために取る事業戦略など、実学的なことを多く学べました。

先生
この授業は、学生たちにビジネス現場の様子を伝えるための授業ですが、協賛企業の単なる宣伝にはならないように配慮され、ビジネスにおけるケースデータが学べるようになっています。商学部の特徴的な授業のひとつですね。

卒業生
僕はゼミですね。藤田先生のゼミは、一人がプレゼンを行い、他の学生はそれに対して質問をしてディスカッションを行うというスタイルでした。「質問をする」ということが授業を進めるカギになっていますので、みんなが集中して主体的・能動的に授業に参加できる点が、とてもいいところだと感じました。
現在の業務においても、不明点はどんどん質問をして解消していかないと、自分の成長につながりません。この点もゼミでの学びが活かせていると思います。

大学生
それから、英語の授業に関しては、3年次に英字新聞を読んで要約するという授業を履修しました。英語のボキャブラリーを増やしながら、ビジネス英語も学べたので助かりました。

卒業生
英語といえば、僕は先ほども少し話に出ていたチュートリアル・イングリッシュが印象的です。ネイティブの先生との少人数制英会話の授業で、会話力を高めるのに役立ちました。

藤田ゼミの学びの内容を教えてください。


先生
私のゼミのテーマは経営学の中でも「組織と戦略」です。3年次の最初には「組織論」を学びます。その後は、組織が事業において展開する戦略について、グループ研究を行い、その成果を論文としてまとめます。4年次では個人研究を進め、卒業論文としてまとめます。学生にとって大切なことは、組織・戦略・経営に関して自分でしっかりと関心や問題意識を持ち、研究テーマを見つけていくということです。自分なりの視点を持つということが、社会に出てからも大いに活きてきます。


藤田先生のゼミを選ばれた理由は何でしょうか?


大学生
2年次に井上達彦先生の「経営組織論」という授業を履修し、経営に対する興味が深まったからです。また、ゼミを選ぶ際には先生のお話をうかがえるゼミ説明会や「ゼミナビ」という相談会があるのですが、その際に藤田先生やゼミの先輩にお会いし、内容や授業の進め方などを聞き、参加したいと感じました。

卒業生
僕は経営系のゼミに入りたいと思っていました。藤田先生の授業は履修したことがなかったのですが、「ゼミナビ」に参加し、先輩や先生と話をしまして、先生のゼミが一番学びたい内容に合致し、授業もおもしろそうだなと感じたので選びました。

先生
ちなみに商学部では、「経営」「会計」「マーケティング・国際ビジネス」「金融・保険」「経済」「産業」の6つのトラックごとに、それぞれ細分化したテーマのゼミが展開されています。

ゼミでは何か盛り上がるイベントを行いますか?


大学生
藤田ゼミでは、「インゼミ」と言いまして、他大学と合同で研究発表会を行い、私たち早稲田大学のほか、慶應義塾大学、立教大学、明治大学が参加します。主に3年生がグループで参加し、準備は大変ですが、ゼミの早慶戦という感じでけっこうみんな気合を入れていますね(笑)。本格的な論文作成という作業も初めてでしたし、インゼミの他校生たちもみんな力を入れて勉強をしてきていますので、良い刺激を受けました。また、論文発表をするにあたり、しっかりとした根拠づくりを行い研究結果につなげる、というプロセスを学ぶことができました。

卒業生
発表する論文に粗があると、質疑応答の際に他大学の学生たちから突っ込まれてしまいますので、論文に落ち度はないかと注意しながら、とても真剣に作成しました。いい勉強になりましたね。

先生
本当は発表会にしたいのですが、ついつい討論会みたいになってしまうんだよね(笑)。この他にも、年に1回はものづくり現場や工場見学に訪れるようにしています。これは、経営を学ぶ上で工場というひとつの現場の実態を学んでもらうためです。

大学生
私は昨年訪れたネジ工場がすごく面白かったですね。普段使うことなどない極小ネジなどを目の当たりにして、その高い技術力に驚かされました。

 

 

●就職活動、仕事について




岡戸さんが新聞社に就職した理由は何でしょうか?


卒業生
就職活動をしていた頃、自分がどういう職種に向いているのか、明確に定まっていませんでした。朝日新聞社の場合、「ビジネス職」として採用されると、入社後の一定期間、いろいろな部署を体験し、その後、本人の希望・適性を考慮した上で各部署に配属されるという方法を取っています。そこが大きな魅力でした。




では経理部を希望された理由は?


卒業生
企業の潤滑油であるお金の流れを、早めに学んでおきたかったからですね。大学時代に取得した簿記資格や会計学の学びも活かし、会計に関するさらに新たな知識も身に付けたいと思いました。

同期入社の方の出身学部は?


卒業生
朝日新聞社の場合、記者職採用とビジネス職採用とありまして、ビジネス職採用は16名でした。ビジネス職採用の場合、広告営業系、デジタルコンテンツ系、総務経理系などに配属されます。その16名の出身学部で言えば、政治、経済、文学、法学など、文系学部を中心に幅広く、理系出身者は1名でした。

今の仕事で必要とされるスキルを教えてください。


卒業生
経理部においては、財務、税務、会計、経理それぞれのスキルが必要となるのですが、まだ僕は入社1年目ということもあり、いま求められているのは、業務スキルと言うよりむしろメンタルの部分で、「失敗してもへこむな」といった社会人としての心構えですね。

業務の大変なところ、やりがいなどを教えてください。


卒業生
経理実務では、伝票のチェックの仕方、データ入力など、多くの細かな作業があり、慣れるまではその流れを把握するのがとても大変でした。
経理においては使われたお金を、たとえば「交通費」、「交際費」など「科目」ごとに分類します。新聞社の場合、新聞制作においても多くの科目があり、また新聞制作以外にも美術展等の文化事業、デジタル事業、国際事業など、多方面に事業展開を行っていますので、科目分類を把握するのも大変な作業です。
そのようななか、半期ごとの決算期の業務を終えた際には、日々行っている細かな業務の持つ意味、予算を決める業務の意図などが明確になり、やりがいを感じます。持っている知識と実務で必要となるスキルの融合が進んだことを実感できる瞬間です。

学部の同級生の方々はどういった企業に就職されましたか?


卒業生
メーカー、メガバンクなどが多かった印象があります。その他には、生命保険、商社、マスコミ、IT系など、幅広い分野の一般企業が多いですね。公務員は少ないと思います。

先生
商学部の場合、ひとつの分野・業種に集中するということはほとんどなく、幅広い方面に就職します。ゼミ別で見ても、例えば保険をテーマに扱うゼミであれば、保険業界に就職する学生が多くなりますが、それでも全員ではないですね。うちのように経営系のゼミであれば、学生の興味の分だけ、就職先が異なります。

細田さんはどういう方面に就職される予定ですか?


大学生
私は広告代理店のグループ会社で、マーケティングを専門にしている会社に就職予定です。マーケティングは商学部で学ぶテーマですので、学びが活かせると思い選びました。

 

 


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