●高校生へのアドバイス
国際教養学部を目指す高校生に向けて、アドバイスをお願いします。
■先生
海外に行った際に様々な切り口から話を展開するためにも、すべての科目を興味を持って勉強してほしいです。少なくとも、世界の歴史についてはしっかりと理解してください。知らないでは済まされません。
■卒業生
英語に対するアレルギーをなくすことも大事だと思います。私も入学直後は英会話に対する苦手意識を持っていましたし、実際そういう学生は多いんですよ。ただ、英語は好きな科目でした。抵抗感を持って入ってきてしまうと、苦痛になって、最悪やめてしまう可能性もありますので、ぜひ英語を好きになる努力をしてほしいと思います。
■大学生
高校生の頃から、TOEICやTOEFLを受験すると良いと思います。というのも、入学すると9月頃には留学希望先の申請を出し、その際にTOEFLなどの成績も提出しないといけません。入学から半年という期間の中で準備するのは大変ですから、高校時代から受験しておくと負担を軽くすることができます。
英語に関するアドバイスはありますか?
■先生
高校生にぜひ伝えておきたいのは、英語という言語は必ずしも一つではないということです。英語には日本語の方言のようなローカルアクセントがあり、国によって全然違います。いわゆるイギリス英語と、アメリカ西海岸で話される英語は全然違う。インドで話される英語も違う。そこで何が起こるかというと、聞き取れなくてショックを受けるケースをよく見かけます。二人も経験があるでしょう?
■卒業生
ええ。現在、会社の英語研修プログラムを受けているのですが、その講師がイギリス出身の方なので、最近ようやくイギリス英語を聞き取れるようになりました。逆に、在学中に縁のあったアメリカ英語をしばらく耳にしていないので、話す際にイギリス英語のような発音になっている自分に違和感を感じているところです(笑)。
■大学生
僕は中学まで中国で過ごしていましたので、イギリス英語を中心に学びました。なので、留学先のアメリカでは、最初のうちはテレビやラジオをつけてもうまく聞き取れずに辛かったですね。学部内でも、インドの留学生とグループワークを行うと彼らが何を言っているのかよくわからなかった経験がありますね。
■先生
そういう時にはもう一度聞き直す勇気を持って、わかるまでコミュニケーションを取る。したがって、どうやって聞き返すかということも身につけないといけないですよね。
■大学生
はい。見栄張ってはいけないですね。
■先生
そう。そこでYES、NOと答えるのはだめです。ショックを受けるのではなくて、それぞれのローカルアクセントがあるのだと自覚をする。高校生諸君もこの点を覚えておいてください。
進路選択・受験勉強に関してはいかがですか?
■卒業生
やりたいことは成長するにつれて変わると思うんですよ。ですから、ある程度選択肢の広い学部に入るのがいいかなと思います。たとえば弁護士になりたいといった確固たる思いがあるのであれば法学部に入るのがいいと思いますが、そういったものが特にないということであれば、それこそ国際教養学部は幅広い学問が勉強できるのでお勧めです。
受験勉強に関しては、基礎固めが大切だと思います。私は高校1年生の時に成績が悪く、まずいなと感じて、心機一転勉強に取り組む姿勢を改めました。さぼっていればさぼっているほど基礎力はついていないものなので、その状況で勉強に本腰を入れてもすっと入ってきません。遅れている自覚がある人は、過去に習った範囲から勉強をやり直して基礎を身に付けた方がいいと思います。
■大学生
大学受験については付属校出身なのであまりお話できませんが、長牛さんのおっしゃる通り、基礎は大事だと思います。進路に関しては、まず10年後の自分をイメージできるかを試し、自分の考えをまとめてほしいと思います。もし将来の自分が海外にいる姿を全く想像できないのであれば、あるいは海外には行きたくないと決めているのであれば、他の学部をお勧めします。
改めて、国際教養学部の素晴らしいところは何でしょうか?
■大学生
多様な体験ができる環境で4年間を過ごす、これにつきると思います。留学生と一緒に過ごす機会も多く、彼らの文化や歴史を教えてもらいました。どんな国の人も共通点や相違点があることを肌で感じた経験は、これからに活きると思います。
■卒業生
国際教養学部には、いままで自分が持っていたものとは全く違う価値観に触れるチャンスが数多くあります。大げさな表現かもしれないですが、この学部に入学して自分の人生が変わりました。英語という母語ではない言語をマスターし、コミュニケーションツールとして使って生きていけるということは、自分の可能性や視野を大きく広げたと思います。
■先生
とにかく学生も教員も成長できます。学内には留学生、海外出身者など様々なバックグランドを持った学生や教員がいますので、見聞きのニュースではなく、直接の交流を通して世界の本音を聞くことができます。恵まれた環境の中で、自分をどのように高め、変えていくのかは学生の自由に委ねられています。
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