東大料理愛好会レシピ
栄養たっぷりの青魚をおいしく食べよう!アジ
2018.5.10
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東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。
今月のテーマは「アジ」
5月はわたしたち大学生にとってサークルの新入生勧誘でたいへん忙しい時期です。活動のなかでさまざまな大学のメンバーたちと料理に関して話をしていると、肉や野菜がメインの料理は自分で作ることに抵抗があまりないものの、魚料理に関しては、さばいたりするのが面倒だとか、素材が早く傷んでしまうとか、調理後キッチンににおいが充満してしまうことなどを理由に、自宅ではなかなか作らないというメンバーが多いようです。料理サークルのメンバーでさえ魚を調理するのをためらうので、多くの普通の学生はふだんあまり魚を食べていないのではないでしょうか。 大学生だけではなく、小中高生を含む最近の子どもの食生活は魚から肉中心にシフトしていると聞きます。そこで、どこのスーパーでも売られている大衆魚であるアジを使って、手軽に作れ、かつ魚に苦手意識のあるお子さまでもおいしく食べられるように工夫したレシピを2つ考えてみました。実はアジは5月から7月にかけてがいちばんの旬でありますが、基本的には通年手に入る魚なので、ふだんあまり魚料理をしない方もぜひチャレンジしていただければと思います。 執筆: 藤後 東京大学4年 |
主菜 アジの香草パン粉焼き 25分
オリーブオイルやパン粉の香ばしい香りで、おいしくアジが食べられます。
揚げるのではなく、グリルで焼くので手軽です。
材料(2人分)
アジ・・・・・・・・・1尾※切り身または刺身
アスパラガス・・・・・1本
A.香草パン粉
パン粉・・・・・・・大さじ4
乾燥パセリ・・・・・小さじ1/2~
乾燥ディル・・・・・お好みでひとつまみ
オリーブオイル・・・大さじ1
にんにくチューブ・・小さじ1/2
B.ソース
玉ねぎ・・・・・・・20g
ミニトマト・・・・・20g
オリーブオイル・・・小さじ2
塩・・・・・・・・・適量
作り方/レシピ
(1)アスパラガスをピーラーか包丁で薄くスライスし、塩を入れたお湯で湯がいておきます。
(2)アジの切り身または刺身を写真くらいの大きさに切り、軽く塩をふっておきます。
(3)オリーブオイル以外の材料Aのすべてを混ぜ合わせて、香草パン粉を作ります。
(4)耐熱皿に分量外のオリーブオイルを敷き、表面の水分をふき取った(2)を並べ、香草パン粉を上に乗せます。
(5)分量のオリーブオイルを回しかけてパン粉をしっとりさせ、グリルで10分程度加熱します。パン粉がこんがりしたら取り出します。
(6)アジをグリルで焼いている間に、ソースを作ります。玉ねぎはみじん切りにし、ミニトマトをざく切りにします。オリーブオイルと塩を加えて味を調えます。
(7)焼きあがったアジにアスパラガスとソースを盛り付けて完成
上手に作るワンポイントアドバイス
・アジはあまり小さく切らないほうがいいでしょう。
・香草パン粉にかけるオリーブオイルは、パン粉がしっとりする程度に全体になじませるとおいしくできあがります。
汁物 アジのつみれ汁 15分
お子さまでも食べやすい一口サイズの丸いつみれ型にしています。
メレンゲを入れることでふわっとしたつみれができます。
材料(1人分)
アジ・・・・・・・・・1尾(つみれ6つ分)
※切り身または刺身
卵白・・・・・・・・・卵1つ分
しょうがチューブ・・・小さじ1/2
スナップエンドウ・・・1本
根菜・・・・・・・・・お好みで
和風だしの素・・・・・小さじ1/4
昆布だし・・・・・・・お好みで
水・・・・・・・・・・450mL
酒、しょうゆ・・・・・各小さじ1/2
作り方/レシピ
(1)アジの切り身を細かく切ってから、包丁でよくたたきます。しょうがと塩をひとつまみ加えて、粘り気が出るまでよく混ぜます。
(2)鍋に分量の水を入れ、沸騰したら弱火にしてスナップエンドウ、だしを加えます。(根菜を入れたい場合にはここで一緒にゆでます)
(3)ボウルに卵白を入れ、泡立ててメレンゲを作り、(1)と手早く混ぜ合わせます。
(4)スナップエンドウは色が鮮やかになったら取り出し、半分に切ります。
(5)スプーンを2つ使って(3)を丸めながら(2)の鍋へ落として加熱します。沸騰させない程度の火加減でアクをとり、お好みで酒やしょうゆを加えて完成。
上手に作るワンポイントアドバイス
・アジの身をたたくときに粗い部分も残しておくと食感がよくなります。
・だし汁を多めに作り、人参や大根などの根菜や、きのこを加えてもおいしくいただけます。
・つみれに具を混ぜたいときは、つなぎに片栗粉を加えてください。
レシピ開発裏話
今回は、冷めてもおいしくお弁当にもぴったりな「香草パン粉焼き」と、汁物にすることでアジの栄養を最大限にとれる「つみれ汁」をご紹介しました。
香草パン粉焼きは、オリーブオイルやパン粉のこうばしい香りがオーブンからただよってきて、作っている途中から早く食べたいという気持ちになりました。アジがあまり得意ではないメンバーにも好評でしたので、独特の魚くささをいやがるお子さんも喜んで召し上がっていただけるのではないかと思います。今回は、最後にかけるソースとしてミニトマトベースのものをご紹介しましたが、梅ジャムと玉ねぎをつかったソースとも非常に合い、香ばしさと甘さがマッチします。最後にレシピを掲載しますので、ぜひ試してみてください。
つみれ汁は、レシピとしては地味なようですが、シンプルにアジのおいしさを感じることができます。時間があるときには、顆粒だしではなくかつお節やこんぶなどでだしをとると、繊細な素材のうまみが引き立ちます。また、コンソメで洋風のスープにしてもよいですし、味噌ベースで具だくさんにしてもよいと思います。今回は片栗粉を入れないふわっと柔らかなつみれのレシピをご紹介しましたが、つみれに具を混ぜたいときは、つなぎに片栗粉を加えると上手にまとまると思います。なお、冷めてしまうとアジ独特のにおいが気になるので、召し上がる前には、しっかり温めるとおいしくいただけます。
※梅ジャムソースの作り方
梅ジャム:小さじ2
たまねぎ:大さじ1(みじん切り)
梅ジャムとたまねぎをよく混ぜて、ジャムがさらっとしたらできあがり。
必要に応じて塩を加えてください。
執筆:田代 東京音楽大学4年
*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。
東京大学料理愛好会
東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニューを提供したりするなど積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。