どーんとこい!中学入試の算数
第5回 仕事算
2017.5.25
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大人でもちょっと手こずってしまうような、難問奇問が続出する中学入試の算数。
でもだいじょうぶ、コツさえつかめば怖くありません!
学習サポートセンターのカズが、算数を楽しく学ぶ方法を伝授します。
こんにちは。学習アドバイザーのカズです。
最近、「働き方改革」が話題ですよね。巷では人手不足や長時間労働が問題になっていますが、世のため人のための労働がきちんと報いられる社会になってほしいものですね。
高齢化が進む社会では、イノベーション(技術革新)が人手不足解消の鍵を握っていそうです。Z会の「てんさく問題」は、添削指導者が1枚1枚ていねいに添削を行っていますが、今回は夢の添削ロボットを問題に登場させてみました。
仕事算とは、全体の量を1として、1日の仕事量や仕上げるのにかかる日数を求める方法です。中学入試では、問題文に「仕事」というキーワードが入ることが多いので、すぐに仕事算の問題だとわかります。しかし、「箱買いのみかんを家族3人で食べるときの、1日の消費量や食べ終えるのにかかる日数」のような問題でも仕事算として解くことができますし、実は出題者側からするとアレンジのしかたはいろいろあるのです。
問題
Z会には、添削の仕事をするロボット「マルちゃん」「ペケ太郎」「角さん」がいます。それぞれ仕事のスピードは異なり、本日届いた答案を、マルちゃんとペケ太郎の2台ですると3時間20分、ペケ太郎と角さんの2台ですると倍の時間がかかります。3台の仕事の速さがそれぞれ一定で、角さんがペケ太郎の2倍のスピードで添削を行うとき、次の各問いに答えなさい。
(1)マルちゃん、ペケ太郎、角さんの3台がフル稼働で午前10時から添削を行うとき、終了するのは何時何分になりますか。ただし、3台はロボットのため、お昼休憩は考えなくてよいものとします。
(2)午前10時から添削を始めたものの、途中で角さんが故障したため、残りをマルちゃんとペケ太郎で仕上げました。午後1時10分に終えたとき、角さんの故障した時刻を求めなさい。
(ヒント) Z会に添削ロボットがいたら、夜の間に添削をして次の日には返却!なんてことができるかもしれませんね。また、最近では、人工知能の進化にも驚くばかりです。マルちゃんが授業をしたり質問を受けつけたりする日も遠くはないかもしれません。 (1)角さんがペケ太郎の2倍のスピードで添削を行うことに着目し、それぞれの1時間当たりの仕事量を求めてみましょう。仕事算のコツは、全体の仕事量を1として考えることです。 (2)もしも角さんが故障しなかったら、どれだけの仕事量になるでしょう。 1を越えた分が、角さんが故障してできなかった仕事ということになります。 (参考) |
解答・解説はこちら
解答
(1)ペケ太郎と角さんの2台で添削をすると、マルちゃんとペケ太郎の2台でする時間の倍の時間がかかることから、ペケ太郎と角さんの2台では6時間40分かかることがわかります。したがって、角さんがペケ太郎の2倍のスピードで添削を行うことから、時間当たりに角さんのする仕事はペケ太郎の2倍で、ペケ太郎3台でも6時間40分かかります。
すなわち、ペケ太郎1台では6時間40分の3倍で20時間かかることから、全体の仕事量を1とすると、ペケ太郎が1時間あたりにする仕事の量はであり、角さんはペケ太郎の2倍ですから、
となります。また、ペケ太郎が3時間20分の間にする仕事の量は
マルちゃんは、3時間20分で残りのの仕事をするので、1時間当たりでは
よって、3台フル稼働で仕事を終えるのにかかる時間は
時間は2時間30分だから、午前10時から始めると、終了時間は
午後0時30分 (答)
になります。
(2)午前10時から午後1時10分まで3台がフル稼働したときにできる仕事量は、午前10時から午後1時10分までが3時間10分、すなわち時間であることから
全体の仕事量を1としていることから、が過剰になります。
すなわち、午後1時10分までかかるということは、の仕事を角さんが故障のためできなかったということですから
時間は2時間40分であり、午後1時10分から2時間40分を遡ると、角さんの故障した時刻は
午前10時30分 (答)
であることがわかります。
いかがでしたでしょうか。お子さまが大人になるころには、社会も働き方も今とはかなり変わっているでしょう。お子さまの人生のゴールは、中学校や大学に合格することではありません。お子さまが将来、自ら考え行動できる、自立した大人になるために、Z会も精一杯応援させていただきます。
プロフィール
出題・文
学習サポートセンター カズ
Z会の学習サポートセンターで、日夜会員のみなさんからの質問相談に応じている。