１　ア、エ

２　ア、イ、オ

今回の問題に登場する「ために」には＜目的＞＜原因＞という二つの意味が、「ばかり」には＜限定＞＜完了＞＜程度＞という三つの意味があります。それぞれに分類すれば解けますが、意味を熟語で何個も覚えるのは大変ですよね。

そこで、それぞれの言いかえを考えて、より自然な表現になるほうを選ぶ、という方法を伝授したいと思います。

１の「ために」は、「～という目的で＜目的＞」「～する/したせいで＜原因＞」のいずれかに言いかえることができます。下線部を言いかえて、日本語として自然なほうを選びましょう。

１　試合に勝つという目的で熱心に練習している。＜目的＞
ア　雨が降ることをいのるという目的で祭りをおこなう。＜目的＞
イ　宿題を忘れたせいで注意された。＜原因＞
ウ　準備がおくれているせいで延期となった。＜原因＞
エ　つかれをいやすという目的で温泉へ行った。＜目的＞
オ　雪が積もっているせいで通行止めとなった。＜原因＞

１「～という目的で」と同じ意味で使われているのは、アとエになります。

２の「ばかり」は、「～だけ＜限定＞」「～したところ＜完了＞」「～ほど＜程度＞」という三つの意味があります。こちらも日本語として自然な言いかえを選んでいきましょう。

２　市場が閉まると目に入るのはシャッターだけになった。＜限定＞
ア　かれはいつも不満だけ言っている。＜限定＞
イ　ゲームだけしていてはいけない。＜限定＞
ウ　先ほど目的地に着いたところだ。＜完了＞
エ　なみだを流さんほどに喜んだ。＜程度＞
オ　六月に入って雨だけ降っている。＜限定＞

２「～だけ」と同じ意味で使われているのは、アとイとオになります。

いかがでしたか。
「すべて選びなさい」と言われると難しく感じるかもしれませんが、解き方さえわかれば、どんなに選択肢が増えても迷わず正解を選び出すことができます。
文法問題を暗記だと思うとうんざりするかもしれませんが、普段当たり前に使っている日本語の仕組みを学ぶ勉強だと考えると、それほど取っつきにくくはありません。
言いかえを考えて仲間分けをする方法で、ぜひ文法問題を得点源にしてほしいと思います。

■読み仮名

原因（げんいん）、限定（げんてい）、完了（かんりょう）、程度（ていど）、解（と）け、熟語（じゅくご）、個（こ）、表現（ひょうげん）、伝授（でんじゅ）、難（むずか）しく、選択肢（せんたくし）、増（ふ）え、迷（まよ）わ、正解（せいかい）、普段（ふだん）

※　5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。