カコモンにTRY!

灘中学校の理科にTRY!

「カコモンにTRY!」は、過去の中学入試で出題された問題のなかから、中学受験コースの皆さまに挑戦していただきたい問題を紹介するコーナーです。
ぜひ、お子さまと一緒に取り組んでみてください。

※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名(がな)をまとめています。

今回の問題をご紹介する理由

今回は、日の出より前に空がぼんやり明るくなる「薄明」を題材にした問題を取り上げます。『薄明の時間から大気の高さを求める』という設定は、ほとんどの小学生にとって初めて見るものでしょう。理科の入試問題では、本問のように、与えられた状況を整理して自力で考えさせる問題も出題されます。今のうちにさまざまな問題にふれ、考える力を養いましょう。

■ 読み仮名

薄明(はくめい)、設定(せってい)、与(あた)えられた、状況(じょうきょう)

※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。

  • 今回のレベル ★★★

★:3・4年生も理解できる基礎的な問題
★★:4・5年生ががんばって解ける問題
★★★:5・6年生向けハイレベル問題

■読み仮名

理解(りかい)、基礎的(きそてき)、解(と)ける

※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。

問題

灘中学校 理科  問4

■ 読み仮名

推定(すいてい)、数値(すうち)、比(ひ)、正確(せいかく)、性質(せいしつ)、現象(げんしょう)、計測(けいそく)、瞬間(しゅんかん)、移動(いどう)

※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。

攻略法

【解答】

① 18  ② 18  ③ 64

【解説】

まずは設定を確認しましょう。日の出前に、太陽が見えない状態でも空が完全に真っ暗でないのは、問題文にあるように「地球の大気は、太陽の光を受けると明るくなるという性質がある」からです。たとえば、図2でGにいる人からは、Aにある太陽は(地平線の下にあるため)見えませんが、大気のDが太陽の光を受けて明るくなるので、Gにいる人には空がぼんやり明るく見えるのです。

図2を見て、Dが大気の端であることを読み取りましょう。また、実際は地球が反時計まわりに自転しているのですが、図2では(わかりやすさのため)地球は動かず太陽がまわっていることに注意しましょう。

① 太陽は24時間=24×60分で360度回転するので、72分間で□度回転するとして

   24×60分:360度=72分:□度

より、□=18(度)です。

② ①より∠ADB=18度なので、∠EDG=180度-18度=162度です。四角形の内角の和は360度なので、四角形EHGDに注目すると

   ∠EHG+90度+162度+90度=360度

より、∠EHG=18度です。

③ EとGはDHを軸として線対称なので、∠DHGは②の半分の9度です。よって、三角形DHGと、問題の左下の三角形の辺の比が等しいので、大気の高さFDを△kmとすると

  HG:HD=6400km:(6400+△)km=100:101

より、△=64(km)です。

なお、実際には大気は上空のどこかで急になくなるのではなく、だんだん薄くなっていくため、「大気の高さは何kmか?」に決まった答えはありません。しかし、国際航空連盟が地球の大気圏を高度100kmまでと定義していることなどからも、今回求めた64kmという値は、おおまかな見積りとしてよい線をいっていると言えます。上空に精密な観測機器を打ち上げることなしに、このような簡単な計算でおおまかな大気の高さが求められることには驚かされます。

■ 読み仮名

確認(かくにん)、状態(じょうたい)、実際(じっさい)、軸(じく)、線対称(せんたいしょう)、薄(うす)く、国際航空連盟(こくさいこうくうれんめい)、大気圏(たいきけん)、定義(ていぎ)、値(あたい)、精密(せいみつ)、簡単(かんたん)、驚(おどろ)かされ

※ 5年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。

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