カコモンにTRY!
久留米大学附設中学校の国語にTRY!
2023.3.23
2.2K
「カコモンにTRY!」は、過去の中学入試で出題された問題のなかから、中学受験コースの皆さまに挑戦していただきたい問題を紹介するコーナーです。
ぜひ、お子さまと一緒に取り組んでみてください。
※ 3年生以上(いじょう)で習(なら)う漢字(かんじ)には文章(ぶんしょう)の後に読み仮名(がな)をまとめています。
今回の問題をご紹介する理由
一見、普通の言葉の問題と感じられるかもしれませんが、さまざまな国語の力を総合的にはかる問題となっています。まず、一つの言葉に複数の意味があることを理解していることが前提です。そのほかに、文の前半と後半の意味のつながりをとらえられるか、組みになって使われる言葉であることに気づいて意味と用法にあうものを自分で見つけ出せるか、慣用句の意味を知っているかなどの力も試されます。
■ 読み仮名
普通(ふつう)、言葉(ことば)、問題(もんだい)、感(かん)じ、総合的(そうごうてき)、複数(ふくすう)、意味(いみ)、理解(りかい)、前提(ぜんてい)、使(つか)われる、用法(ようほう)、慣用句(かんようく)、試(ため)され
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
- 今回のレベル ★
★:3・4年生も理解できる基礎的な問題
★★:4・5年生ががんばって解ける問題
★★★:5・6年生向けハイレベル問題
■読み仮名
基礎的(きそてき)、解(と)ける、向(む)け
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
問題
2022年度 久留米大学附設中学校 国語 大問二 問三
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■ 読み仮名
年度(ねんど)、久留米大学附設(くるめだいがくふせつ)、次(つぎ)、埋(う)めよ、腕(うで)、高価(こうか)、私(わたし)、届(とど)か、傘(かさ)、忘(わす)れて、服(ふく)、迷路(めいろ)、進(すす)め、完全(かんぜん)
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。
攻略法
【解答】
①とても ②ばかり ③まるで ④ものの
【解説】
①まず、二つめの( )に着目して考えます。「( )手が届かない」というように打ち消しの言葉と組みになっていることがポイント。「(とても)~ない」の形で不可能を表す用法があてはまりますね。この「とても」は「どうしても。とうてい。」などの意味を表しています。
一つめの( )に入れると「(とても)高価で」となります。後半に「手が届く」という慣用句の否定形があり、「手が届かない(=手に入れることができない。買うことができない。)」という意味であることから考えると、一つめの「とても」は「非常に。たいへんに。」という意味となり、文の前半と後半が正しくつながることが確かめられます。
②「傘を忘れた→服が雨にぬれた」という意味の文です。前半が理由で、後半が結果を示していますね。一つめは「~ばかりに」の形で原因や理由を表す「ばかり」が入ります。
二つめの( )に入れると、「買った(ばかり)の服」となります。この「ばかり」は「あることから間がないこと。直後であること。」を表しています。
③二つめが「( )見当がつかない」という打ち消しの言葉と組みになっていることに着目しましょう。「(まるで)~ない」という否定の表現があてはまりますね。この「まるで」は「ぜんぜん。まったく。」という意味を表しています。
一つめに入れると「(まるで)迷路そのもの」となります。この「まるで」は「よくにている様子。ちょうど。」という意味を表します。なお、この意味では多くの場合、「(まるで)~ようだ/みたいだ」の形で使われます。
④「教えてもらった→忘れてしまっていた」という文です。逆接の関係でつながっていますね。よって、一つめは「~けれども」という意味の「ものの」が入ります。
二つめに入れると「(ものの)数分もたてば」となります。ここの「ものの」は「ほんの。せいぜい。」という意味で「時間やきょりがごくわずかである様子」を表しています。文の前半と後半が逆接でつながり、意味がとおることを確かめておきましょう。
■読み仮名
着目(ちゃくもく)、打(う)ち消(け)し、不可能(ふかのう)、表(あらわ)す、否定形(ひていけい)、非常(ひじょう)に、確(たし)かめ、理由(りゆう)、結果(けっか)、示(しめ)し、原因(げんいん)、表現(ひょうげん)、様子(ようす)、逆接(ぎゃくせつ)、関係(かんけい)
※ 3年生以上で習う漢字には文章の後に読み仮名をまとめています。