東大料理愛好会レシピ

定番野菜がおしゃれに変身!キャベツ

東大料理愛好会のメンバーが毎月1つずつ食材を取り上げ、旬の食材のレシピをご紹介します。

今月のテーマは「キャベツ」

春夏秋冬問わずいつ買い物に行っても、葉物野菜は売られていますが、旬の時期は新鮮なものが比較的安く手に入りますよね。今月のテーマにした「キャベツ」も、他の葉物野菜同様に一年中手に入りますが、旬の時期は品種ごとにさまざまです。大きく、冬キャベツ、春玉キャベツ、高原キャベツ(長野県など高冷地による栽培で夏に出荷される)の3種類に分けられますが、3月は一般的な冬キャベツに加え、甘みのより強い春キャベツが旬を迎えるということで、キャベツを最も手ごろにおいしくいただける時期ではないでしょうか。この時期は特に甘みがあり、芯もあまり抵抗なく食べられるので、おすすめです。

キャベツはゆでたり炒めたりするのが一般的ですが、今月のレシピでは、ドイツ風のピザともいうべき「キャベツとセミドライトマトのフランクーヘン」に挑戦し、千切りキャベツをのせてそのままオーブンで加熱してみました。この愛好会の新年会で出されたメニューで、普通のピザとは少し違うおもしろい食感・風味です。そのまま家庭で再現できるように制作してみました。

もう一つのメニューである「キャベツのニョッキ」は前者と比べて少し手間がかかりますが、キャベツの食感とスープのだしがうまく混ざり合っていて、個人的に大好きな一品になりました。ぜひ試してみてほしいと思います。

お子さまの進級・入学を控え、保護者の方もお忙しいと思います。また、季節の変わり目でもありますから、食で体調を整えて新生活をスタートしたいですね。大学卒業のため、私はこれが最後のコラムとなりますが、来月からは後輩たちがこのコーナーを担当します。過去のレシピと併せて、ぜひ引き続きご愛読いただければと思います。ありがとうございました。

 執筆:藤後 東京大学4年 

 

キャベツとセミドライトマトのフランクーヘン

材料 (1~2人前)

トルティーヤ(薄いもの)・・・・2枚
ギリシャヨーグルトまたは
サワークリーム・・・・・・・・・25g
ウインナーまたは
スライスベーコン・・・・・・・・50g
キャベツの千切り・・・・・・・・20g
セミドライトマト・・・・・・・・2個
(ミディトマト2個分)
塩、こしょう、ナツメグ・・・・・適量

作り方/レシピ

調理時間20分 ※セミドライトマトの調理時間を除く。

(1)オーブンを190度に予熱しておく。

(2)セミドライトマトができたところです。

(2)キャベツを千切りに、ウインナーも細切りにする。セミドライトマトを作る場合はミディトマトを6等分にし、天板に並べ100度に予熱したオーブンで60分加熱後110度で30分加熱する。加熱によって焦がさないように様子を見ながら乾燥させる。

(3)ヨーグルトを塗ります。

(3)トルティーヤ生地にヨーグルトを塗る。縁は1cm残し、中央部分は薄く塗るとよい。

(4)具をのせます。

(4)ウインナー、キャベツ、セミドライトマトの順にのせ、塩とこしょう、ナツメグを振りかける。

(5)190度のオーブンで10分加熱する。7分過ぎたあたりから焦げていないか確認し、必要に応じて170度に下げて加熱する。中央部分の焼きが甘いときは170度でさらに2分加熱して様子を見る。

(6)切り分けて完成。

レシピのポイント!

・サワークリームを使用する際は、塩を少し強めに振ります。
・スライスベーコンを使う際は、冷凍したものを使うと切りやすいです。
・ウインナーの切り方はお好みですが、輪切りや薄切りは味の主張が強くなるため、今回は細切りにしています。
・ヨーグルトを塗る範囲がポイントです。中央部分の焼き上がりもピシッとしているとパリパリで美味しいです。
・分量以上に具を盛りすぎないのがポイントです。

キャベツのニョッキ たらこソース

材料 4人前(写真は1人前)

小麦粉・・・・・・・・・・・75g~100g
キャベツ・・・・・・・・・・150g
じゃがいも(皮つき)・・・・200g
卵黄・・・・・・・・・・・・1個(L)
塩、ナツメグ、打ち粉・・・・適量
[たらこソース]
たらこ・・・・・・・・・・・2切れ
牛乳・・・・・・・・・・・・150mL
マヨネーズ、昆布茶・・・・・小さじ2
バター・・・・・・・・・・・適量
[お好みの具]
しめじ
春菊

作り方/レシピ

(1)じゃがいもを裏ごしします。

調理時間60分

(1)ジャガイモを水で洗い芽を取り、皮に十字線を入れる。濡らしたキッチンペーパーとラップで包み電子レンジで10分~12分加熱し、温かいうちに皮をむいて裏ごしをする。

(2)キャベツをフードプロセッサーなどでみじん切りにする。しめじは石づきを取り小さめに房分けし、春菊は根本と葉をわけてざく切りにする。

(3)生地をまとめます。

(3)小麦粉と溶いた卵黄、(2)のキャベツを合わせて(1)のボウルへ加えさっくりと混ぜる。全体が混ざったらひとまとめにし、粉っぽさが残らないように生地を畳みながらまとめる。

(4)フォークで溝をつけます。

(4)薄く打ち粉をしたまな板に、生地を適当に取り太さ1.5cm程度の棒状にし1cmずつカットしていく。フォークを使って生地に溝をつける。

(5)ニョッキをゆでます。

(5)鍋でお湯を沸かし、パスタをゆでるときと同じように塩を入れる。沸騰しているところに(4)を入れて1分程度加熱する。浮き上がってきたらすくって水気を切っておく。

(6)ソースを作ります。

(6)フライパンを熱してバターを溶かし、春菊の根本としめじを加えて焼く。牛乳を加えて温まってきたらマヨネーズと昆布茶を入れ、かき混ぜながら溶かしたら皮をとったたらこ、春菊の葉を加える。

(7)ニョッキを(6)へ加えて皿に盛り付ける。

レシピのポイント!

・キャベツは生のまま使います。加熱したものを使うと特有の青臭さが出てしまいます。
・小麦粉の量はお好みですが、35gで作るとキャベツの歯ごたえが気になります。75g~100gで好みの固さに調整してください。今回は100gで作りました。
・香りものとの相性がよいので、春菊の代わりにナッツを散らすのもおススメです。
・ジャガイモはふわっと裏ごしします。目の粗いザルなどを使ってもよいです。
・溝をつけるときに、生地裏面とフォークへの打ち粉が重要です。べたべたしたり柔らかかったりして成型が難しい場合は、生地に混ぜる小麦粉を増やします。

レシピ開発裏話

1品目の「フランクーヘン」は、フランスでは「タルトフランべ」とも呼ばれるアルザス地方の名物料理です。アルザスはフランスとドイツの国境にあり、「フラムクーヘン」とも呼ばれています。
サワークリームを使ったフランクーヘンは行きつけのお店の定番メニューで、ドイツ語で「flamm(炎)+kuchen(ケーキ)」、「熱い炎で焼いたケーキ」という意味です。キャベツを使った手軽な間食として、大人も楽しめる一品です。
サワークリームは酸味が強いので塩気のある具と相性がよいです。いつもはサワークリームを使って作りますが、今回はギリシャヨーグルトでの代用レシピを考えました。市販されているヨーグルト3種類とサワークリームを比較した結果、無糖の低脂肪ギリシャヨーグルトが最もコクが出ておすすめです。
トルティーヤ生地は時短のために市販品を使いました。できるだけ薄い生地を選んでください。

料理によってはキャベツの芯の甘みが気になる、ということはありませんか?2品目のニョッキのレシピでは芯も一緒にみじん切りにして使っていますが、キャベツの甘さはじゃがいもと相性がよく、ソースの塩気でまとまりのある一品になっています。春菊やホウレン草など香りや苦みのある食材と合わせると味が締まりますので、お子さまに合わせて食材を選んでみてください。
ニョッキはイタリアでよく食べられるもので、じゃがいものほかにカボチャのニョッキも定番ですね。中にチーズを入れてもおいしいですが、イタリアで定番のリコッタチーズはクセがあるので、モッツァレラチーズがおススメ。ただし、香りの強いチーズを使うとキャベツの存在感がなくなってしまいます。
野菜の粉末などを使うと色とりどりのニョッキができて楽しめます。是非いろいろなアレンジをしてみてください。

執筆:田代 東京音楽大学4年

 

*この記事で紹介しているレシピはアレルギー対応はしておりません。アレルギーをお持ちの方はご注意ください。

東京大学料理愛好会

東京大学を中心に、さまざまな大学・専門学校に通うメンバーで構成されている。都内のキッチンスタジオで週に1度調理実習を行い、腕を磨く。
最近では、NHK総合テレビ『あさイチ』にメンバーが出演したり、大手回転寿司チェーンかっぱ寿司にメニュー提供など積極的に活動。
著書に『東大料理愛好会 頭がよくなるレシピ』など。

「さぽナビ」から新連載のお知らせ

「さぽナビ」のもうひとつの料理コーナー「子どもと楽しむ料理の科学」が、2019年3月28日(木)からスタート! 

科学する料理研究家・平松サリーさんが、料理に役立つ知識を科学の視点から解説します。初回は「野菜の塩もみ」について取り上げ、キャベツのコールスローのレシピも紹介します。今回の「東大料理愛好会レシピ」とあわせて、キャベツ料理のレパートリーを広げるのにお役立てください。

これからも「さぽナビ」の2つの料理コーナーをお楽しみに!  

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