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プログラミングが大学入試で課される時代へ ――小学生保護者が知っておきたい基礎知識(2)

 

3)小学生のうちにプログラミングを学ぶ意義

Q.プログラミングはいつから始めるのがよいでしょうか。
A.苦手意識なくプログラミングに出合うために、なるべく早い段階で一度ふれていただくことをおすすめします。

「本当に今すぐ必要なのだろうか?」と思われるかもしれませんが、たとえばこれを「国語や算数はいつから始めるのがいいか」という質問に変えるとどうでしょう。「小学校の早い段階で」という回答に違和感を感じることもなく、さらに「苦手意識が芽生える前の小学校から学習し、中学校、高校とつながっていくことが理想です」ということに、納得がゆくのではないでしょうか。

保護者さまご自身が受けてきた教育と異なるものは、その中身がわからないため、どうしても先延ばしにしがちです。しかし、プログラミングで身につく「情報処理力」はすぐに身につくものではないうえ、将来的には大学入試においても必要となるため、やはり「小学校の早い段階でふれておく」ことが理想です。

ここで、少しプログラミングから離れて、保護者さまも馴染みのある、学校における英語教育の例で説明をします。これまでは中学校に入ってから教科として学んでいた英語も、2020年度には小学5・6年次において教科化され、教科書で学び成績もつくようになりました。つまりこれは、中1で学ぶ際には小学校で学習した内容が「復習」という形になり丁寧に扱われなくなることを意味します。具体的には、中1の最初から、Be動詞と一般動詞の現在形や助動詞Canを使った英文が登場します。

保護者さまの世代は、英語を中学1年生から勉強されているので、これがいかに大きな変更であるか、実感をもって感じられることでしょう。
では、プログラミングの場合は小学校以降でどのように学んでいくことになるのかを、次の項目で解説します。

Q.プログラミングは、小学校で学んだあと、中学以降ではどのような扱いになるのでしょうか。
A.小学校→中学校→高校と進むにつれて重視されていきます。

小学校では、プログラミング(情報)という教科や単元があるわけではありません。あくまで各教科の一部として、「プログラミング的思考」を学ぶことが組み込まれているのみです。
中学では、技術・家庭科の技術分野の3年間で学ぶ4単元のうちの1単元として確実に学びます。教科書によって差がありますが、3年間のうち、学習期間は合計10~11か月間になります。
さらに高校では先述のように1つの教科となって、1年間かけて学びます。そして、最後は大学入試の1教科として出題されます。

このように、プログラミング(情報)は、小学校→中学校→高校と上がるにつれ重要度が急激に上がる、これまでにない教育の形なのです。だからこそ、小学校の間から「体系的」かつ「実践的」に学ぶことで、その先で困らないようにすることが重要なのです。

「好きこそものの上手なれ」と言われますが、苦手意識がない状態で触れていると、自然に学ぶ意欲も生まれてきます。プログラミングも、楽しいと思える間に、しかも一歩先んじたタイミングで学習しておくことが、お子さまに自信をつけ、このあとの学びによい影響を与えることができると言えます。

 

4)開発責任者が語る、Z会プログラミングシリーズ教材の特長

Q.Z会のプログラミングを学ぶことで「情報処理力」以外に、身につく力はありますか?
A.思考力・判断力・表現力が身につき、さらに主体性・多様性・協働性といった学ぶ姿勢をも養います。

今回、なぜ小学校からプログラミングを学ぶ必要があるのかについて「入試」という切り口から説明していますが、もちろん入試のためだけに学ぶのではありません。
入試の先にある、将来お子さまが人生を切り拓いていくために必要な思考力・判断力・表現力を身につけることを、Z会では重視しています。
たとえばある課題を解決するプログラミングを組む場合、

と、ただ単にプログラミングを組んで終わりではなく、学びを通じて、思考力・判断力・表現力が身につくような教材となっています。

また、主体性・多様性・協働性といった、よりよい学びに向かう姿勢を養うことも意図しています。具体的には、実際に作ったプログラミング作品を他の人が見られる場に投稿したり、投稿されたほかの人のプログラミング作品を見たりすることで、

というように、教材の流れにのって学習を進めるうちに、自然とこうした姿勢が身につくものとなっています。

<コラム>近年の入試で求められる力

ここまで述べてきたように、小学校からプログラミングを学ぶことは、入試のためだけではありません。しかし、一方でこれらの力は実際は「入試」においてもとても重要な力でもあるのです。なぜなら最近の「入試」では暗記だけではなく、

といった力が問われます。

さらに、主体性・多様性・協働性については、2021年から、文部科学省の方針により多くの国公立大学や、早稲田大学、慶應義塾大学をはじめとする私立大学の一般入試の出願時に、高校での活動にからめて受験生本人に記載を求めたり、面接試験で問うようになっています(これらを点数化して加点し、合否ライン上に位置する志願者の選抜に用いると公表している難関大学も多くあります)。
また、自分の考えを書かせる問題が増加しているということは、

といった姿勢を求めるようになってきていることの表れといえます。

⇒次ページに続く 5)Z会プログラミングシリーズにいただくご質問

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