「物理」2018年度センター試験分析

投稿日時:2019年9月9日

2018年度センター試験分析速報

■分量と難度の変化(理科(2)…時間/1科目60分・2科目120分/1科目100点・2科目200点) ・過去3年と同様、大問6題が出題され、そのうち4題(第1問~第4問)が必答で、残り2題(第5問と第6問)のうちいずれかを選択して解答する方式。 ・マーク数は昨年度と同じものの、組合せを問う設問が増えたことなどから、全体の分量感(解答の負担感)は昨年度と比べてやや増加した。 ・全体的な難易度は昨年並み。 ■今年度入試の特記事項 ・選択問題の第5問で力学が出題された。第5問に関しては、15、16年度では熱力学、17年度では波動が出題されていた。なお、選択問題の第6問は例年通り原子の出題。 ・小問6題で部分点の設定があった(昨年度は部分点の設定はなかった)。 ・例年と比べて、グラフの選択・読み取り問題が多かった。 ■差がつくポイント ・時間的な余裕がないので、設定を素早く読み取り、時間をかけずに解き進める力が問われた。なお、今年度は立式や計算に手間がかかる設問は少なかったが、物理現象に関わる深い理解がないと解けない設問が多く出題された。 ■大問別ポイント  第1問(必答問題)  ・例年通りの小問集合。難易度は標準。 ・配点が25点と高め(1問5点)であるため、ミスが大きな失点につながる。 ・音に関する記述を選ぶ、電場の向きを考える、気体分子の運動エネルギー(速さ)を定性的に考えるなど、計算が不要な設問が多かった。  第2問(必答問題)  ・例年通りの電磁気分野。難易度は、A:やや易、B:標準。 ・Aは直流回路の基本的な問題。 ・Bは誘導電流の向きを正しく把握することがポイント。  第3問(必答問題) ・波動分野。難易度は、A:やや難、B:標準。 ・A問1は、苦手な受験生が多い波の式に関する出題で、差が開いただろう。 ・B問5では、光の干渉の応用問題として、数値計算が出題された。 なお、光の干渉は3年連続、センター本試験で出題されている。  第4問(必答問題)  ・Aは力学分野、Bは熱力学分野。難易度は、A:標準、B:標準。 ・A問2は摩擦力を受ける小物体について単振動の式を問う出題。差が開いただろう。 ・Bの気体の状態変化は、ピストンにばねをつなぐなど、設定がやや複雑だった。  第5問(選択問題)  ・過去3年と異なり、力学分野からの出題。難易度は標準。 ・対策が手薄になりがちな、ケプラーの法則からの出題。問3は自信をもって正答を選びにくい。  第6問(選択問題)  ・例年通りの原子分野。難易度は標準。 ・問1では、素粒子に関する細かい知識を問われたが、質量欠損についてきちんと理解していれば正答を選べた。

高1高2生へのアドバイス

●早めの対策で、盤石な得点力を身につけよう。 ・基本的には、個別試験対策をしていれば、センター試験に対応できる。ただし、センター試験では、個別試験では出題されにくい定性的な考察を問われることも多い。式を追うだけでなく、その意味も正しく把握しておくこと。 ・個別試験対策として、「物理」の底力アップには、Z会の通信教育 本科「物理」がおすすめ。学習を進める際のペースメーカーとしても有効。また、センター試験形式の問題をじっくり研究して実力をつけたい場合には、120分×5回の講義で得点力を高める、Z会の映像 センター試験対策映像授業「物理 標準編」や「物理 完成編」もおすすめ。 ・センター試験の形式に慣れるために、定期的に模試や過去問に取り組もう。演習量に不足を感じる場合は、Z会の書籍『センター試験実戦模試 物理』を使ってやや難度の高い問題を解いておくと自信がつくだろう。直前期には、Z会の書籍『センター試験予想問題パック』の活用もおすすめ。

    難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。 6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

「センター攻略演習セット」物理担当者からのメッセージ ・センター試験の物理は、分野の偏りなく出題されるため、少しでも苦手な分野があれば、そのまま失点につながります。物理の教科書の内容をすべて終えるのが高3の秋以降という場合は、その後そのままセンター試験対策に入ってしまい、苦手の克服に十分な時間が確保できないかもしれません。そこで、日頃から、復習をしっかり行うことで理解の曖昧なところを少なくするように努めてください。 ・高校で学ぶ物理の知識や、ものの見方・考え方は、さまざまな学問や分野に応用されています。入試という枠にとどまることなく、物理の学習で得た知見を、将来のみなさんの活躍の場に是非生かしてください。

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