課題を発見・解決する能力を測定するアセスメントから見える学生の傾向

高校から大学にあがるにつれて学びが深くなることに伴い、大学様から「入学前教育として議論や研究などの場で深い学びができるような思考の準備をさせたい」といったご要望がよく聞かれます。
Z会ソリューションズでは、こういったご要望にお応えする学習サービスとして、「課題発見・解決能力テスト」をご用意しております。

今回は、「課題発見・解決能力テスト」のうち、入学前教育で最もご採用いただいているテーマ「コンビニエンスストアの24時間営業」の成績結果から、学生様の資質・能力に関する傾向を分析いたしました。
本ページでは、2022年度の実施結果から分析をおこなっておりますが、同テーマの過年度比較資料もご用意しておりますので、大学入学後の実践的な学びの参考資料としてご活用ください!

 

 

「課題発見・解決能力テスト」とは?

〈決まった答えのない問い〉に対して、自分なりの答えを出すために、的確に情報を収集・分析し、建設的に意見を組み立てることができたか、その思考のプロセスを評価する、論述式のアセスメントです。

 

全体構成

全体構成全体構成

 

 

実施概況

【2022年度実施結果】
1,041名実施

【課題】
「コンビニエンスストアの24時間営業」

【解決すべき大きな問い】
日本には、コンビニエンスストアが約5万3千店舗あり、そのうち8割以上は 24 時間営業を行っています。
これに対して、最近、ファミリーレストランなどの飲食店では 24 時間営業を取りやめるケースが増えていると言われています。なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。

【測定する資質・能力】

  • 課題分析・情報収集力
  • 論理を構築する力
  • 意見を構築する力
  • 多様性受容能力
  • 論文作成技術

 

能力別評価

評価項目 A B C D E
課題分析・情報収集力 290 523 202 24 2
論理を構築する力 137 431 375 74 24
意見を構築する力 541 382 77 28 13
多様性受容能力 352 137 531 15 6
論文作成技術 231 317 326 156 11

「課題分析・情報収集力」「意見を構築する力」がA・B評価にボリュームゾーンがあります。
「論理を構築する力」「論文作成技術」はB・C評価にボリュームゾーンがあります。

以上のことから、適切な情報を収集し、それを踏まえて自分の意見を積極的に打ち出すことができている一方で、相手に伝わるように道筋立てて説明する過程に課題が見られます。

また、「多様性受容能力」はボリュームゾーンが分散していることから、資料を読んで理解したことを過不足なく表明する過程は、学生様によって習熟段階にばらつきがあると言えます。

 

能力別評価-小分類

能力別評価-小分類

評価項目(中分類) 評価項目(小分類) A B C D E
課題分析・情報収集力 論点設定力 744 26 206 62 3
課題分析力 121 354 0 518 48
情報収集力 757 250 0 27 7
論理を構築する力 論理構築力 123 511 144 237 26
批判的考察力 502 284 1 235 19
意見を構築する力 創造的思考力 557 0 428 40 16
提案・提言力 916 1 71 39 14
多様性受容能力 多様性受容能力 352 137 531 15 6
論文作成技術 読解力 18 374 306 3 340
記述力 640 290 84 0 27

評価が高かった「課題分析・情報収集力」「意見を構築する力」をさらに分類すると以下のような傾向が見られます。
「論点設定力」「情報収集力」「提案・提言力」の評価は全体的に高い傾向にあり、評価を引き上げた要因となっています。
一方で、「課題分析力」は二極化しており、情報収集や思考を整理する過程には課題が見られます。
また、「創造的思考力」においても、ボリュームゾーンが分散しており、独自性を持った意見を出す過程は、学生様によって習熟段階にばらつきがあると言えます。

評価にばらつきがあった「論理を構築する力」「論文作成技術」を分類すると以下のような傾向がみられます。
「論理を構築する力」では、「論理構築力」のボリュームゾーンが下がっており、相手に伝わるように筋道立てて説明する過程には課題が見られます。

「読解力」についてもボリュームゾーンが下がっており、前述した「課題分析力」と共に分析すると、自分の意見を表明する前段階で、「なぜそう考えるのか」といった情報収集や思考を整理する過程に課題が見られることが分かります。

 

総括

「提案・提言力」が高い評価となり、自己意見をもち、それを明確に打ち出すことのできる学生様が多い傾向となりました。
同じく、「論点設定力」「情報収集力」 といった自らの論を構築する力は全体的に高い傾向がみられます。

一方で「読解力」「課題分析力」「論理構築力」「多様性受容能力」は全体的に低い水準にあり、「正しく読み解き」「正しく分析し」「相手に伝わるように論理的に論を組み立てる」といった力は、学生様によってばらつきが見られました。

 

課題発見・解決能力テストを通して

Z会ソリューションズでは従来の添削指導だけでなく、大学入学後の実践的な学びにつながる、学習サービスを提供しております。
多くの大学様では入学前教育で小論文ライティングで論述のトレーニングをした後に課題発見・解決能力テストをご利用いただいております。
課題発見・解決能力テストは論述式のテストであるため、小論文ライティングで培った論述力、表現力をもって資質・能力を正しく測定することができます。
同テーマの過年度比較資料もご用意しておりますので、本コラムの傾向とあわせて大学入学後の実践的な学びの参考資料としてご活用ください!

 

 

全3回の入学前教育コラムを掲載致しましたがいかがでしたでしょうか。
Z会ソリューションズではこのようなデータを活用して、貴学の目的やご要望を丁寧にお伺いしながら、より質の高い教育を安心して進めていくためにご支援いたします。
入学前教育について見直し・ご検討でご相談の方は下記よりお気軽にお問い合わせください。

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