「日本史B」2018年度センター試験分析

投稿日時:2019年9月9日

2018年度センター試験分析速報

■分量と難度の変化(地歴公民…時間/配点: /1科目100点・2科目200点) 全体の難易度は2017年度よりやや易化。2017年度に比べて選択肢の判断がしやすい問題が多く、標準的な難易度で取り組みやすい試験であった。 ■今年度入試の特記事項 ・2015年度まで出題されていた、第1問の会話文の形式と、第6問の人物を題材にしたリード文が復活した。 ・年代整序問題は、2017年度から1問減少して、2018年度は5問出題された。2017年度に出題された、提示された図版を年代順に並べるという形式は出題されなかった。 ・ここ数年2~3問出題されている史料問題が、2018年度は4問出題された。いずれも提示された史料の内容を把握することが求められる設問であったが、史料は難解なものではなく、標準的な問題であった。 ・2018年度も図版を用いた問題が出題されており、全体で地図1点、写真資料7点が用いられた。2018年度は統計資料を用いた出題は見られなかった。 ■差がつくポイント ・史料問題では、提示された史料を読み、選択肢と合致するかを判断することが求められた。初見史料も出題されていたが、史料読解の演習を積んでいれば、十分に対応できる問題であった。 ・写真資料に関連する位置を地図上で指摘する問題が出題されており、日頃から地図上の位置を意識した学習ができているかが問われた。 ・年代整序問題以外でも、選択肢で扱われている事象の時期や、歴史上の位置付けを把握している必要のある問題が出題されており、歴史の流れを意識した学習をできているかで差がついた。 ■大問別ポイント    第1問    ・観光課に勤める2人の会話という形式で、観光と歴史・文化資源を題材とした問題であった。 ・問1は基本的な史料であり、史料を丁寧に読めば選択肢のXも解答できる。 ・問2は、土地制度に関する知識を前提として、写真・図を読み取る問題であった。 ・問6は地図問題であり、写真資料に関連する位置を地図上で指摘するという、新しい形式であった。写真に添えられた説明文を参考にして写真が何かを判断した上で、関連する場所を地図上から選ぶことが求められた。    第2問    ・原始・古代の国家・社会と音楽をテーマとした問題であった。 ・問5は初見史料の読み取りが求められたが、史料自体は理解しやすいものであった。    第3問    ・中世~近世初期の地震とその影響をテーマとした問題であった。 ・問3の年代整序問題は、選択肢で扱われている事項の年代がわからなくても、鎌倉時代の政治の流れを押さえられていれば解ける問題である。 ・問4は提示された絵巻資料を、知識を前提として読み取ることが求められた。    第4問    ・近世の外交・思想・宗教をテーマとした問題であった。 ・問2は文化史の年代整序問題で、選択肢それぞれの詳細な時期を特定するのはやや難しいかもしれないが、日本と外国の交流や政治の状況と関連付けて考えることができれば解ける問題である。 ・問5は初見史料であるが、史料を丁寧に読んでいけば選択肢の正誤の判断はつけられる。    第5問    ・幕末~明治維新の軍制改革と西洋医学をテーマとした問題であった。 ・問3の年代整序問題は、選択肢で扱われている事項の大まかな時期と、日本で医学が進展する流れが押さえられていれば難しくない。    第6問    ・石橋湛山を題材とした問題で、昭和戦後は1960年代までが出題された。 ・問8は昭和戦後史の史料問題。史料の出典に示された「1960年」も問題を解く上でヒントになった。  

高1高2生へのアドバイス

●センター試験・個別試験の両方で日本史が必要な場合 ・個別試験対策がセンター対策につながる! 個別試験で必要な知識・歴史理解はセンター試験でも必要になる。基本的には個別試験対策がセンター試験のための学習を兼ねるので、高3の秋以降に実戦的なセンター試験対策を開始するまでは、論述問題などの個別試験対策に専念しよう。 難関大をねらうのであれば、早めの対策が必須である。高1・高2のうちに、Z会の通信教育「高校理科地歴コース 日本史」などで日本史の基礎知識の定着をはかっておきたい。 受験生になると、志望大の傾向を意識した学習が必要になる。高3の3月~8月で入試につながるカリキュラム学習を終えられるZ会の通信教育「東大コース 日本史」「京大コース 日本史」「難関国公立コース 日本史」「早慶コース 日本史」「難関私大コース 日本史」や、Z会の映像などを受講し、個別試験のための日本史の学習を進めよう。 センター試験が近づいて来たら、年代整序や正誤組合せなど、センター試験独特の形式に慣れるために、実戦形式の演習に取り組もう。問題演習が行えるZ会の通信教育「センター攻略演習セット」や、書籍『センター試験実戦模試 日本史B』の他、テーマ別の対策ができるZ会の映像「センター講座:日本史完成編」がおすすめ。 ●センター試験のみで日本史が必要な場合 ・教科書の全範囲を終わらせることをまず目標にしよう! センター試験では、全時代・全範囲から出題されるので、計画的に知識を習得していく必要がある。また、正誤問題の形式や史・資料問題への対応も必要になってくるため、高3の秋以降は問題演習の時間を確保したい。Z会の映像「センター講座 日本史標準偏」やZ会の書籍『解決! センター日本史B』などを用いれば、頻出のポイントを効率的に学習できる。センター形式の演習をしながら夏までにカリキュラム学習を終えられるZ会の通信教育「センター攻略演習セット」をペースメーカーにするのがおすすめである。

  難関大合格には、センター試験での高得点獲得が必須です。「センター試験の問題は教科書レベルだから何とかなる」「対策は直前でも間に合う」というのは、大きな誤解。センター試験は科目数が多いため、個別試験の勉強と併行して早めの対策が必要です。本講座では、センター試験本番で9割得点することを目標に、必要な力を段階的に身につけていきます。 6教科17科目セットなので、必要な科目すべての対策はもちろん、苦手科目や分野に絞った対策も可能。節目ごとに実力を診断しながら、効率よく得点力アップがはかれます。

▼「センター攻略演習セット」日本史担当者からのメッセージ ・2018年度は史料問題が4問に増えましたね。いずれの問題も史料をきちんと読んで内容を把握する必要がありました。初見史料も出題されており、難しそうに思ったかもしれませんが、史料を丁寧に読んでいけば確実に解答できる問題でした。近年のセンター試験では、史・資料を読み解く必要のある出題が増えています。また、地図を用いた出題も見られます。日頃から、史・資料や地図に親しみながら学習しているかどうかがはかられる問題になっていると思います。 ・センター日本史は毎年平均点が60点台と高く、難易度も比較的安定していますが、決して簡単というわけではありません。教科書レベルの知識はもちろんのこと、歴史の流れや時代観の把握、初見の史・資料に対する判断力や思考力などが求められており、対策なしに高得点はとれません。ただ、対策をすれば、点数がついてくる試験でもあります。早い時期から、コツコツと学習を進め、基礎を固めておくことが大切です。しっかりと対策を進めていきましょう!

 

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