生物 – 共通テスト(2021年度)の分析&対策の指針

投稿日時:2021年2月11日

Z会の大学受験生向け講座の生物担当者が、2021年度の共通テスト(第1日程)を分析。出題内容や「カギとなる問題」の攻略ポイント、次年度に向けたアドバイスなどを詳しく解説します。

 

共通テスト「生物」の出題内容は?

まずは、科目全体の傾向を把握しましょう。分量・問題構成などを整理し、難度(センター試験や試行調査と比較してどう変化したか)を解説します。
試験時間と配点

時間 / 配点:60分 / 100点

全体の傾向

難易度は2020年度センター試験や平成30年度試行調査よりやや下がった。また、2020年度センター試験と比べると、考察問題の比率が高まったが、マーク数・選択肢数が減少したため、負担感は軽くなった。

●大問6題だが、実質は中問7題であり、平成30年度試行調査と同程度である。事前の予告通り全問必答。

●リード文のうち、第3問は会話文を含み、第5問文Bは生徒が「課題を発見し解決方法を構想する場面」であり、「『どのように学ぶか』を踏まえた問題の場面設定」の問題であった。

●平成30年度試行調査と同じく、各中問の設問は1つの大分野に縛られることなく、題材に応じて複数分野から出題された。

 

生物の「カギとなる問題」は?

次に、生物で「カギとなる問題」を見てみましょう。共通テスト特有の問題や、合格点をとるうえで重要な問題を取り上げ、攻略ポイントを解説します。
第5問文B問6・問7

実験の計画立案に関する設問である。問6は適切な対照のとり方、問7は確かめたいものと計測するものの関連を検討する必要があった。

第6問文B問3

「眼がなくても野生型と同じように赤色光/青色光に応じて振る舞った」という実験結果を柔軟に受け入れられるかどうかで差がついただろう。

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大問別ポイント/設問形式別ポイント(2/11更新)

次に、生物の出題内容を詳しく見ていきましょう。各問の難度や求められる知識・考え方を解説します。

第1問:ラクトース耐性の出現と拡散  [標準]

・ラクトース(乳糖)の消化を題材に、生命現象と物質、生物の進化と系統の知識とその運用が問われた。

・問1は乳糖不耐症による下痢について、浸透圧、膜を介した物質輸送、代謝といった、生命現象と物質の様々な知識を当てはめて考える問題であった。


第2問:トカゲの種間関係とすみわけ  [やや易]

・外来種を人為的に導入した後の在来種と外来種トカゲの種間関係や在来種の形質の変化を題材に、生態と環境、生物の進化と系統の知識とその運用が問われた。

・実験3で野外採取個体も、野外経験のない飼育個体も指先裏パッドの表面積が同様の傾向を示すことから、パッドの表面積は遺伝的な影響を受けることが推察される。

選択肢はグラフを確認すれば容易に正誤が判定できる内容であった。落ち着いて確実に取り組みたい。


第3問:林床の優占草本の光合成の季節変化  [標準]

・林床で優占する草本の早春と初夏の層別刈取法の結果をもとに、生命現象と物質、生態と環境の知識とその運用が問われた。

リード文の一部は、資料を見て検討する会話文であった。

・計算が必要な箇所が複数あったが、どれも複雑なものではないので、図の参照ミスや計算ミスに気をつけつつ取り組みたい


第4問:若鳥のさえずりの学習  [やや易]

・若鳥のさえずりの学習を題材に、生態と環境、生物の環境応答の知識とその運用が問われた。

問3の考え方は既知でないものだが、文章は丁寧に説明されているので、落ち着いて読み、文章に沿って検討すれば、問題なく解けただろう。


第5問A:茎頂分裂組織からの葉の分化  [標準]

・茎頂分裂組織からの葉の分化を題材に、生殖と発生の知識とその運用が問われた。

問2は見慣れない図と題材であり、実験と設問文を丁寧に読んで取り組みたい


第5問B:根の緑化に関する探求活動  [標準]

・根の緑化に関する探求活動を題材に、生命現象と物質、生物の環境応答の知識とその運用、また実験計画の考え方が問われた。

・問6・問7は実験構築にかかる問いであった。問6では対照実験・問7では測定対象について、計画した実験の趣旨に沿ったものを取捨する設問であった。


第6問A:タンパク質の分布と眼の形成  [標準]

・眼の形成の分子的な仕組みを題材に、生殖と発生の知識とその運用が問われた。

問2は既知でない誘導物質についての設問であり、落ち着いて設問文を読んで取り組みたい。


第6問B:オタマジャクシの光受容と眼  [やや難]

・オタマジャクシの光受容と眼について、眼のない個体、眼の異所形成個体を用いて検討する問題で、生態と環境、生物の環境応答の知識とその運用が問われた。

問3は実験1では野生型個体と眼のない個体の差がないことに気づく必要があったが、他の選択肢が明らかに誤りなので検討は容易であったと考えられる。


攻略へのアドバイス(2/11更新)

最後に、次年度以降の共通テストに向けた攻略ポイントを確認しましょう。生物で求められる力をふまえて、必要となる対策を解説します。
多くの設問で、複数分野の知識をもとにした検討が必要

知識問題に関しては、センター試験から変わらず全範囲について満遍なく問われる。文章の正誤判断での出題では、選択肢内の文全体で誤りがないかどうかを正確に判断する必要がある。選択肢が増えると負担が重くなる所以である。

また共通テストは全問必答となり、苦手分野を残すことはますます許されなくなる。例えば2021年度の第1問問3や第2問問1、第5問問1で選択肢の文章の検討に時間をかけているようだと、深い読解や検討の必要な設問に時間を割きにくくなるので、なるべく早く全範囲の学習をひととおり終えておきたい。

正確な知識と幅広い文章ジャンルでの演習経験が差をつくる

考察問題は、題材は教科書や図説にないものであっても、リード文と実験結果を読み取れば理解できる。時間に対してリード文が長く、複数の図表がある大問が多いので、普段の演習を通じ、実験の条件や結果のポイントをすばやく抽出できるようにしておきたい。

共通テストでは分野融合の問題も出題されるが、分野融合の実験考察問題も、理解の基になるのは各分野の基礎知識である。また、仮説・実験・結果・考察という流れや、対照実験を設けるなどの、実験考察の考え方自体は分野融合であってもなくても共通している。考察問題についても、まずは学習を終えた分野内での知識を元にした実験等の問題演習を通し、素早く要点をつかみ取る訓練などを進めていきたい。

解答時間を意識した演習を

知識問題では細かい正誤判断、考察問題では実験条件や結果の読み取りと整理を行わねばならないため、高得点を狙うには効率的に読解し、解答していく必要がある。そのため、問題演習を通じて、要点を把握・整理しながら正確にリード文を読み取る訓練、各選択肢をすばやく判定する訓練を重ねておきたい。

 

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