「物理」2019年度センター試験分析

投稿日時:2019年9月5日

■分量と難度の変化(理科(2)…時間/1科目60分・2科目120分/1科目100点・2科目200点) ・例年同様、大問6題が出題され、そのうち4題(第1問~第4問)が必答で、残り2題(第5問と第6問)のうちいずれかを選択して解答する方式。 ・マーク数は昨年度から1つ減り、昨年増えた組合せを問う設問が一昨年並みに戻り、さらに計算量が減ったことから、全体の分量感(解答の負担感)は昨年度に比べて減少した。 ・全体的な難易度は昨年よりやや易化したが、今年度は部分点を与えていないこともあり平均点は昨年並みと思われる。 ■今年度入試の特記事項 ・選択問題の第5問で熱力学が出題された。第5問に関しては、15、16年度は熱力学、17年度は波動、18年度は力学が出題されていた。なお、選択問題の第6問は例年通り原子の出題。 ・グラフの選択・読み取り問題や計算問題が減少し、定性的な理解を問う問題が増加した。 ・選択肢の数が少ない設問が多かった。 ・昨年度は設問6問で部分点の設定があったが、今年度は部分点の設定がなかった。 ・共通テスト(新テスト)を意識した問題が見受けられた。 ■いま解いておきたい問題 第3問Aは、センター試験ならではの問題で、内容的にもそう難しくはない。センター試験の特徴を知る上でも解いておきたい。 ■大問別ポイント 第1問(必答問題) ・例年通りの小問集合。難易度はやや易。 ・配点が25点と高め(1問5点)であるため、ミスが大きな失点につながる。 ・力学2問、熱力学、波動、電磁気が各1問という構成は昨年同様。 ・数値計算は、全体を通して、第1問の問3の凸レンズの像に関する問題のみだった。 第2問(必答問題) ・例年通りの電磁気分野。難易度は、A:標準、B:標準。 ・Aはダイオードを含んだ回路の問題。交流電源につながれた問2も落ち着いて考えれば問題ない ・Bは電磁誘導の問題だが、回路に並列につながれた抵抗に流れる電流を正しく考えられたかがポイント。 ・電磁誘導の問題は3年連続、センター本試験で出題されている。 第3問(必答問題) ・波動分野。難易度は、A:標準、B:標準。 ・A問1は薄膜の干渉の問題だが、解答番号1は屈折の法則を用いることに気付けたかどうかで、差が開いただろう。問2の屈折光の経路に関する問題はあまり見慣れないが、難しくはない。 ・Bは力学(単振動)と波動(ドップラー効果)の融合問題だが、力学的要素が強い。問5は、単振動の運動の様子が正しく理解できていたかが問われた。 ・光の干渉は4年連続、センター本試験で出題されている。 第4問(必答問題) ・力学分野。難易度は、A:やや易、B:標準。 ・Aは減速する車内での慣性力を考える問題。一度演習をしていれば難しくはない。 ・Bの振り子の問題は、問3は力学的エネルギー保存、問4は円運動の問題で、標準的。 第5問(選択問題) ・熱力学からの出題。難易度は標準。 ・問3のp-T図が見慣れない問題で、差がついた可能性がある。 第6問(選択問題) ・例年通りの原子分野。難易度はやや易。 ・X線の発生原理の理解を問う問題で、教科書レベルではあるが、原子分野に慣れていないと解答に手こずる。

攻略へのアドバイス

●早めの対策で、盤石な得点力を身につけよう
・基本的には、個別試験対策をしていれば、センター試験に対応できる。ただし、センター試験では、個別試験では出題されにくい定性的な考察を問われることが多い。式を追うだけでなく、その意味を正しく把握しておくこと。
・個別試験対策として、「物理」の底力アップには、Z会の通信教育 本科「物理」がおすすめ。学習を進める際のペースメーカーとしても有効。また、センター試験形式の問題をじっくり研究して実力をつけたい場合には、120分×5回の講義で得点力を高める、Z会の映像 センター試験対策映像授業「物理 標準編」や「物理 完成編」もおすすめ。
・センター試験の形式に慣れるために、定期的に模試や過去問に取り組もう。演習量に不足を感じる場合は、Z会の書籍『センター試験実戦模試 物理』を使ってやや難度の高い問題を解いておくと自信がつくだろう。直前期には、Z会の書籍『センター試験予想問題パック』の活用もおすすめ。
▼物理担当者からのメッセージ 

・センター試験の物理は、分野の偏りなく出題されるため、少しでも苦手な分野があれば、そのまま失点につながります。物理の教科書の内容をすべて終えるのが高3の秋以降という場合は、その後そのままセンター試験対策に入ってしまい、苦手の克服に十分な時間が確保できないかもしれません。そこで、日頃から、復習をしっかり行うことで理解の曖昧なところを少なくするように努めてください。
・高校で学ぶ物理の知識や、ものの見方・考え方は、さまざまな学問や分野に応用されています。入試という枠にとどまることなく、物理の学習で得た知見を、将来のみなさんの活躍の場に是非生かしてください。

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