2020年度英語改革に向けて
中高生に聞く! 英語学習のいま 「スピーキング」編
2019.11.28
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グローバル化が進む現在、中学生・高校生の英語学習は、親世代とはどう変わってきているのでしょうか。さぽナビでは、中学生・高校生のZ会員にアンケートを実施。英語の授業の様子や、英語の必要性をどう考えているのか、小学生へのアドバイスなど、リアルな声をご紹介します。
目次
●中高生のスピーキング学習はどうなっているの?
どんなスピーキングの授業を受けていますか?
スピーキングにやりがいを感じますか? その理由は?
●スピーキングで苦労していることや小学生へのアドバイスは?
スピーキングの学習で苦労していることは?
スピーキングについて、小学生のうちにやっておけばよかったと思うことはなんですか?
Z会英語教材開発担当者からのアドバイス
学習指導要領の改訂により、小学校でも英語が必修化されることとなりました。ご自身の学生時代と比べて、英語の必要性が日に日に大きくなっていることを感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。
今月は「スピーキング」(話す)について、Z会員の中高生に実施したアンケートの回答をご紹介します。
「リスニング編」はこちら
「リーディング編」はこちら
「ライティング編」はこちら
(2018年12月3日~ 12月16日実施「中学校・高校での英語の授業・課題についてのアンケート」より 回答数391名)
中高生のスピーキング学習はどうなっているの?
どんなスピーキングの授業を受けていますか?
中学生では、約7割がALTの先生と月1回以上会話すると回答しましたが、高校生では、その割合は約5割でした。一方、月1回以上ペアワークやグループディスカッションをすると回答した割合は、高校生の方が高い結果となりました。
中学生で約6割、高校生で約5割の方が、毎回の授業の時に正しく発音する指導があると答えました。また、実際に受けているスピーキングの授業については、次のような声をいただきました。
中学生
わたしの学校では校内英語スピーチコンテストがあります。クラス代表を選び全校の前で発表する機会もあります。(ぱーぷる&きみどり 中学1年 千葉県 公立) |
高校生 全員が受ける授業ではスピーキングの時間は多くないのですが、週に2コマ、ディベートのクラスがあり、その間はずっと英語で話します。(まご 高校1年 東京都 公立) |
スピーキングにやりがいを感じますか? その理由は?
とくに中学生では多くの方が「スピーキングにやりがいを感じている」と回答。その理由を聞いてみました。
中学生
頭の中でするのではなく、しっかりと声を出して英語を理解する方がより頭の中に入りやすいから。また友達と交互に話すので、より自然に英語を使うことができます。(トリワン 中学1年 熊本県 公立) |
高校生 やはり人とのコミュニケーションで使えないと意味がないので、実践的に身につけることができると将来役に立つだろうと思います。なかなか英語で会話をする機会は少ないので、学校はよい環境であると思います。(Honey 高校1年 東京都 公立) |
スピーキングで苦労していることや小学生へのアドバイスは?
スピーキングの学習で苦労していることは?
中学生 さっと頭に適切な表現が浮かんでこない。語彙力はあるが、定着していません。(NaOH 中学3年 愛知県 公立) |
高校生 なかなかネイティブな発音ができないこと。(Ayrie 高校1年 千葉県 私立) |
「正しい発音がわからない」「とっさに単語や表現が思いつかない」という回答が多くみられました。
スピーキングについて、小学生のうちにやっておけばよかったと思うことはなんですか?
中学生 スピーキング能力を鍛えたり、語彙を増やしたりしておけばよかったです。(ドラマツルギー 中学1年 東京都 その他) |
高校生 英語を教科ではなく1つの言葉として話せるようなスピーキングメインの学習。(リーナ&リオラ 高校1年 愛知県 公立) |
中学生では「単語の発音に慣れておくこと」という回答が多く見られ、高校生では「英会話になじんでおくこと」という意見が目立ちました。単語や文法などの知識が増えた高校生でも、会話形式のスピーキングには課題を感じているようです。
Z会英語教材開発担当者からのアドバイス
中高生からは、「英語の授業の中でペアワークやディスカッションをする」「スピーキングにやりがいを感じている」という回答が多く寄せられました。小学5・6年生でも英語で発表する機会が増えていることは、お子さんの様子から実感されていることと思います。小学校では、中学・高校よりもスピーキングの比重が高い活動がなされています。
訪日外国人の増加はもちろんのこと、企業活動においても、Web会議など国内で英語を使う場面が増加しており、スピーキング力の必要性が高まってきています。アカデミックの場でも、書いた論文について英語による学会発表が求められることがあります。中高生が今も感じているスピーキング力の必要性は、今後もいっそう強まり、生活に根ざしたものになっていくと考えられます。
小学生は、分析的な文法学習や読解力を鍛えるにはまだ未熟である一方、声に出すことを恥ずかしがらず、お手本をフレーズ単位で聞き取り、まねして発声する能力が高い時期です。小学生のスピーキング学習としては、次の2つのことが大切です。
①単語単位ではなく「文・フレーズ単位」で繰り返し発話する |
①小学生はまだ、文が単語の集合という感覚が薄く、表現を丸ごと覚えることができる時期です。ぜひ、教科書や『エブリスタディ』の会話表現をそのまま声に出して練習してみてください。
②いきなり英語でスピーチをすることは誰でも難しいものです。あいさつが英語でできた、間違えても言い直すことができた、など少しずつ経験を積むとよいでしょう。中学・高校で成長とともに発話自体に羞恥心を感じてしまったり、億劫な気持ちが大きくなったりしてしまう前に、機会を作っていくことが重要です。
Z会小学生コース英語3・4・5・6年生では、録音ができるオリジナル音声ペン「エブリスピーク」を利用した問題を出題しています。多様な場面設定の中で発話練習ができるよう工夫していますので、楽しんで取り組んでみてください。