「変化の激しい、予測不可能な」これからの時代を生きていく若者に求められるのは、答えの見えない大きな問いに対して、協調的かつ主体的に自らの解を導いていく能力といえるでしょう。この能力を伸長させるのに相応しい教授法こそが、近年脚光を浴びているアクティブ・ラーニングであり、集団の中でどの程度のパフォーマンスを発揮することができるのかが学習者に問われています。「課題発見・解決能力テスト」は、集団における活動を想定した出題の中で、どのようなパフォーマンスを発揮することができるのかを測定するテストです。
「課題発見・解決能力テスト」は、学習科学・認知科学に基づいた理論を背景に設計されています。複数の立場、見解をもとにより深く思考し、自ら主体的に意見・見解を構築していく――その過程においては、さまざまな資料を理解し、他者の意見を取り入れながら、広い視野で思考していくことが必要になります。模擬的なアクティブ・ラーニングの流れの中で、受験者のパフォーマンスを評価・測定していく、これからの時代に求められるアセスメントです。
「課題発見・解決能力テスト」の出題内容は、早稲田大学人間科学学術院・尾澤重知研究室との共同研究開発により考案されています。理論に基づいた出題案を、実際に大学生に取り組んでもらい(実証実践)、その解答結果を仔細に分析することで、パフォーマンスを測定するに相応しいアセスメントとしての出題が可能になるよう、日々研究を進めています。
「答えの見えない」問いに対する解答を評価するにあたり、従来型の「この問いは○だから何点」といった評価は相応しいとは言えません。問いに取り組む過程の中で、どのように情報を収集し、それによってどのような意見を構築することができたのか、プロセスを評価することが必要になります。「課題発見・解決能力テスト」では、複数の問いの解答を比較し能力項目を評価するという、これまでにない評価のありかたで学習者の力を測定していきます。