これからの時代を生き抜く子どもに必要な「考える力」とは?

新しい大学入試制度も始まり、子どもたちの教育現場でも新たな価値観、特に「思考力」が求められるようになってきました。
AI化、グローバル化、さらにはコロナ禍で激変していくこれからの時代、子どもたちが「考える力」を身につけて生き抜いていくには?人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としてもおなじみの教育評論家・親野智可等先生に、そのヒントを教えていただきました!

 

これからの時代を生き抜くには「自分で考える力」が大事

――時代の変化に伴い、「思考力」がより重要視されるようになっています。先生はこの流れをどう捉えていますか?

ひと昔前までは、与えられた知識を理解して記憶することが“頭がいい”とされていたけど、激変していくこれからの時代は、それだけでは時代においていかれてしまいます。大学入試、就職試験まではうまくいったとしても、社会に出たら自分で課題をみつけてどうするかを考え、解決しなければならない。答えがない、正解がない。そういうときに、自分で考えていかなきゃいけない。いわゆる「思考力」が重要になります。子どもたちはそういう時代を生き抜いていかなけれ ばならないのですから、勉強の仕方もこれまでと同じようにはいきません。

――先生が考える「思考力」とは?

大きく分けると「想像する力(イマジネー ション)」「論理的に考える力」「ひらめき(ク リエイティブ)」の3要素。これらをバランス よく、同時に伸ばしていくことが大切です。こうした力は遊びのなかで身につけることができるんです。例えば幼稚園児が砂場遊びをしていて、もっとお山を大きくしたいと思ったら、砂を足したり、水を混ぜたり、新しい道具を試したり、それでもうまくいかなかったら友だちに手伝ってもらったりと、いろんなことを考えますよね。
自分でやりたい目標をつくり、その達成のために試行錯誤することで、考える力や非認知能力がグンと伸びます。友達と協力することでコミュニ ケーション力も備わります。子どもは熱中して遊びのなかで自然と考える力を身につけていきます。

毎日の親子の会話から考えるヒントがみつかる

――親として心がけておくことはありますか?

親子のコミュニケーションはとても大事ですね。親子の会話がないと思考力は育ちません。テレビを見たり、散歩をしたり、そうした日常のなかで、おしゃべりをしながら質問を出してあげたり、ヒントを出してあげたり、何か気づきを与えて考えさせる習慣をつけていくといいでしょう。また、小さい 子が「なんで、なんで?」って、聞いてくる時期がありますよね。こういうときには、正しい答えを教えることよりも、「本当だ、すごいね!」と、まずは子どもの驚きや気づきに共感してあげることが大切です。小学校高学年くらいになったら、自分で調べさせたり、図書館で本を借りてもいい。いろんなことに興味をもって考えるきっかけとしては、テレビ番組を選んで見せたり、小学生新聞を読ませて、さまざまな話題について親子で話すのもいいですね。
1日数分でもいいから、親子で楽しい会話、さらには楽しいだけでなく知的な会話をする習慣をつけてみてください。1日数分でも10年経てば大きな違いになり、会話を通して考える力が伸びていきます。ただ、子どもの考えを頭ごなしに否定したり、叱ったりするのはNG。子どもが、もう親に自分の考えを話すのはやめようとなって、親子の信頼関係も失われてしまいますから。

『遊び+学び』が子どもの思考力をグンと伸ばす

――「考える力」はトレーニングで身につくものでしょうか?

楽しみながら考え、学ぶことで伸びていきます。私がいつもおすすめしているのは【楽勉(らくべん)】という、楽しみながら学ぶ方法です。例えば、パズル遊びには図形を扱うもの、空間を扱うもの、言葉を扱うものなどいろいろな種類がありますよね。
勉強として解くのが算数や国語で、遊びとして解くのがパズル。やっていることは同じです。だから小さい頃からパズル遊びのようなものを日常的に解く習慣をつけることで「考える力」が育まれていきます

 

――「考える力」を鍛えるための書籍として『思考力ひろがるワーク』をオススメくださりありがとうございます

Z会の『小学生のための思考力ひろがるワーク』シリーズは、楽しみながら考える力を鍛えられるワークとしておすすめしています。パズルや迷路、 間違い探しなどの問題で楽しみながら、まさに“楽勉” を通して思考力を鍛える工夫がされていますね。試行錯誤する力、論理的に判断する力など、思考力を6つの力に分類して、それぞれがバランスよく鍛えられるようになっているのがいいですね。自分の子は、推理力はあるけど論理的思考は苦手というような傾向もわかると思います。問題の種類も多様なので飽きずに進められると思います。

――高学年向けになると、大人でもじっくりと考えさせられる問題もあります。

子どもが悩んでいる場合は、ヒントを出してあげたり、親子でいっしょに考えてみるのもいいでしょう。大切なのは途中であきらめずに、最後まで粘り強く考えるということ。難しく感じても、試行錯誤することで答えが導き出せる問題もたくさんあるんです。例えば、テストで難しい問題が出たとき、全然考えない子がいる。一方で、わからなくても、線を引いたり、図を書いたりと、様々な工夫をしながら考える子がいます。この違いは、「考えればわかるんだ!」という意識や経験があるかないかです。そういった意識や経験をこのワークを通して身につけていくといいでしょう。難しい問題も楽しい雰囲気の中で取り組ませてあげてください。楽しむことでますます考える力が伸びていきます。

 

――『思考力ひろがるワーク』を取り組む際のアドバイスをお願いします。

大前提として楽しい雰囲気でやらせるのが鉄則。迷路や推理、グループ分けやパズルなど様々な問題があるので、まずはぱっと見て、解きたいと思う問題に取り組ませてあげるといいでしょう。また、最初はすぐに解けるやさしめの問題を選んであげてもいいですね。悩んでいるときはヒントを出してあげたり、一緒に考えてあげるのも最後まで粘り強く考えるきっかけになります。正解したときは太い色ペンなどで大きく花丸をつけてあげたり、本ににシールがついているので、それをあげると、さらに子どもはやる気になります。それと同時に「集中力あるね、考える力があるね」など具体的な言葉でほめてあげると、子どもの自信にもつながります。また、よくおすすめしているけれど、最初に本をばらしてしまってもいい。本の厚みで子どもがうんざりしてしまう場合は、一枚だけ渡して、今日はこれだけやろうねと声をかけてあげることで子どもにとっては取り組みやすくなります。親子の触れ合いを楽しみながら、子どもの思考力を広げてあげてください!

 

親野智可等(おやのちから) 教育評論家

長年の教師経験をもとに子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。発行しているメルマガ「親力で決まる子供の将来」は読者数は4万5000人を超え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「自分でグングン伸びる子」が育つ親の習慣』など、ベストセラーも多数。人気漫画『ドラゴン桜』の指南役としても著名。TwitterやYouTube「親力チャンネル」、ブログ「親力講座」などで発信している。

 

『Z会 小学生のための思考力ひろがるワーク』とは

学校の教科学習とは異なる観点での「思考力」を身につけるために作られた本です。パズルのように楽しく挑戦することで、自然と「思考力」が身につきます。1つ1つの問題にじっくりと取り組むことで脳が活性化する快感、解けた瞬間の「わかった!」と目の前が明るくなる達成感が味わえる問題をそろえています。考えることが好きになれるワークです。