著者 風早 寛 先生より

日本の英語教育に関しては、4つの技能のうち Writing と Speaking の力が全般的に弱く、そこにもっとエネルギーや時間を注ごうという議論が盛んになっています。ただし、その2つの技能をしっかりと支えるためにはReadingやListening の実力を十分に養っておくことが必要です。内容の薄いWriting や Speakingでは意味がありません。

さて、どのようにすれば真の英語力をつけることができるのか?実は近年、そのことをズバリ研究する学問分野が大きく成長してきました。「第2言語習得論」と呼ばれる学問領域、日本でも多くの専門家が存在します。そこで、この専門家たちに共通する主張をザックリとまとめておきましょう。
 
  1. 英単語は個々に覚えるのではなく、興味深い英文を読みながら、そのストーリーと、あるいは、記憶に残りやすい何かと結びつけて覚えること。
  2. 明確な目標を持つこと(何となく学習するのではなく、「○○大学に入学したい」とか、「毎日少なくとも1ページは大きな声で音読するぞ」とか)。
  3. 繰り返し学習をすること(各レッスンを繰り返し音読する)。
  4. 新しく覚えた単語は、なるべくWriting や Speaking で使ってみること。
 
これらの専門家の中でも特に有名なStephen Krashen 教授は、「なるべく多くの英文を読むことによって英語の力をつける」ことを力説しています。また、そのことによって社会に出てから様々なチャンスに恵まれると主張しています。

さて、それでは大学入学前の皆さんにとって、いったいどんな英単語が必要なのでしょうか。それにお答えするには、客観的で膨大なデータをお見せするのがベストですね。
「速読英単語」に掲載する英単語を選び抜くために、みなさんが憧れを持っているような難関大学への入学試験問題に使われている英単語を、漏らすことなくコンピュータに入力し、それを正確に分析しています。大学英語教育学会の専門家の先生方は、「英文を理解するためにはそこに登場する英単語の95%を知っていれば十分で、残りの5%は文脈からその意味を推測することができる」と明言しています。
 
大学入学共通テスト英語の試行テストが2回実施されましたが、そこに登場した英単語はReading が各回およそ5,200語です(多いですね!)。Listening は各回およそ1,500語です。「速読英単語」のカバー率はおよそ99%です。安心して学習してください。
 
みなさんが難関大学を受験する場合、それでも試験問題には、「見たことも聞いたこともない英単語」が出現するでしょう。そのとき、パニックにならないことが大切です。ここが出題者側のねらいなのですから。その単語はみなさんの知力を試すために用意されたものなのです。つまり、「前後の文脈からその意味を推測する能力を試すためのもの」です。「この単語は速読英単語にも載っていなかったから、他の受験生も知らないはず。よって、推測能力を試される単語だろう。」と冷静に考えられれば勝ちです。
 
「速読英単語」に集中し、ぜひマスターしてください。
日本人はSpeaking力が弱いというのは、「日本人は完璧を意識しすぎて英語を発信する勇気がないだけ」なのだろうと考えます。「速読英単語」の中に存在する膨大な数の一つ一つの英文を覚えてしまうくらいに学習しておけば、将来あらゆる局面で、みなさんの強力な発信力にもなると確信しています。

みなさんが大いなる力をつけられることを期待します。