基盤学力アセスメントシリーズ LIPHARE 行動能力・興味関心セルフチェック基盤学力アセスメントシリーズ LIPHARE 行動能力・興味関心セルフチェック

監修者からのことば

このアセスメントの目指すところ

東京未来大学モチベーション行動科学部 高橋 一公 教授

写真:東京未来大学モチベーション行動科学部 高橋 一公 教授

これまでの職業適性検査に代表されるキャリアアセスメントでは、個人の性格や興味が、職業が持つ特性や特徴とどれだけマッチングするかということに関心を持ち、その一致度から適性を判断していくものが中心でした。しかし、近年では経済産業省の「社会人基礎力」が示すように産業界ではダイナミックな視点で人材を求めるようになっています。「社会人基礎力」のような特性が求められるようになると、これまでのアセスメントツールでは十分に測定・評価することができないという問題に直面することになります。

今回開発された「行動能力・興味関心セルフチェック」は、進路・キャリアに関する興味・関心と対人適性などのパーソナリティの測定を目的としています。新しい試みとして、学校や企業、組織などのダイナミックなシステムに対応していくための個人の能力に着目し、若年者(中学生)からキャリアを意識させることで「集団適応力」と「自己実現力」といった集団適応に関する基本的な能力と「目標」に向かって進もうとする能力の自己理解に貢献できるものとなっています。

現代ではコミュニケーションや集団適応が重要と言われています。SNSなどを用いたコミュニケーション能力は現代の若者は優れているかもしれませんが、直接、人と接して相手の気持ちを察し、状況を理解して自ら必要な情報を発信、受信していく能力は積極的な学習や経験を通して身につけていかなければならなくなってきています。

是非、「行動能力・興味関心セルフチェック」を通して社会生活で必要とされる諸能力の自己理解を行ない、新たな時代を勝ち抜くための資源として活用して頂ければ幸いです。

注)
「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年から提唱しているものです。産業界からも基礎学力と専門知識に加えてこの社会人基礎力が注目されるようになってきています。