●2020年度センター試験と比べ、マーク数は13→19と大きく増えたが、解答形式の変更などによるものが中心で、設問数自体は13→14と微増であった。全体の分量としては、2020年度センター試験と同程度と考えられる。
●従来のセンター試験に比べて思考力を要する問題もあったが、計算問題が負担の軽い数値計算中心で、全体の難易度は2020年度センター試験より若干易しくなった。
●図の選択問題、会話文の中から物理的に誤りを含む文を選ぶ問題、グラフから数値を読み取って表と照らし合わせて答える問題など、試行調査に見られた新傾向の問題が出題された。
●試行調査と同様の実験を題材に、その結果を考察する問題が出題された。
●今回の共通テストは試行調査から傾向に大きな変更はなく、日常生活での物理現象や実験に関する考察問題などが出題されました。教科書の記載事項を覚えるのではなく、実際の現象に応用するという思考力重視の傾向が見て取れます。
●次の改訂においては、上記の傾向を踏まえて、過去2回の試行調査および今回の共通テストの傾向に沿うように、形式面はもちろん、日常の物理現象や実験を題材とした考察問題などを含めた出題とする予定です。
●従来のセンター試験から増加傾向にあった身近な物理現象を読み解くという傾向は、今後の共通テストでも続いていくと思われます。教科書の記載事項を日常の物理現象へ適用することを、常日頃から心がけていただくことが大切と考えます。
●実験を題材とした出題が続いています。生徒実験を頻繁に行うことは厳しいかもしれませんが、演示実験や実験動画なども取り入れながら、実際の現象を体感させることが望ましいと考えます。