2026年度本試験概要
2026年度本試験の分析
◆ 全体
- 全体としては2025年度の試験を踏襲しており、スクリプトの語数、設問数含め、大きな変化は見られなかったものの「難化した」といえる。
- WPMについては大きな変化は確認されなかったが、2回読み上げの第1問・第2問を中心に使用語彙の難化が認められたほか、第4問や第5問で形式面やトピックの方向性に変化が見られた。とはいえ、各設問において問われていた本質的な能力については、これまでと変わっていない。
- イギリス英語や英語を母語としない話者の英語も例年通り各所で出題され、バリエーションに富んだ英語の理解を問う方針が引き続き確認された。
- 全体の平均点は、大学入学共通テスト開始以後で最低点となったため、次年度の傾向・難度変化が注目される。
◆ 2025年度本試験と比較して
- 形式面で目立ったのは、第4問A前半のイラストを時系列順に並び替える問題である。第4問Aの前半は例年、グラフ型とイラスト型が交互に出題される傾向がある。2025年度がグラフ型だったため、イラスト型になる点は予想の範囲内だったが、その並び替えの選択肢の中にダミー選択肢のイラストが加わった点は、これまでになかった変化といえる。
- 第4問A後半においても、2025年度に比べて図表がシンプルになった一方、読み上げ音声の内容面で、解答を判断する際の情報にひねりが加わる変化も見られた。
- 見た目の形式は変わらないものの、第5問のトピックが「魚の新しい養殖方法」で、従来よりも専門用語を多く含む読み上げ音声となった。加えて、ワークシートの文字情報が昨年に加え多くなる変化もあり、これらも合わさって一部の受験者にとっては難度が引き上げられたように感じられたのではないか。
求められる能力
- 全体としては2025度本試験と大枠では変化はなく、求められる能力にも変化はない。
- 短文から会話や長文モノローグに至るまで長さがさまざまであり、テーマも日常的なものから社会的なものまで幅広い内容をリスニングさせることによって、全般的なリスニング力が問われている。
- 単に聞き取るだけではなく、イラストや図表と関連付けさせて答えさせたり、ワークシートの穴埋めをさせたりと、技能統合型の出題が多い。
- 場面設定としては、日常会話でよくある場面から、講義に関する要約やディスカッションといった授業風景に関わるものまで、生徒の日常と比較的近い設定が中心。
- 設問の背景設定、リスニングの場面や状況、目的が極力具体的に提示されており、実際の言語使用を視野に入れた出題がなされている。こうした点は例年通り一貫した方針がとられているため、これからも継続するものと考えられる。
指導上の留意点
リスニング力に留まらず、総合的な英語力をより一層評価しようとする特徴があり、以下で挙げるポイントを中心にしながら、最終的には情報を聞き取って要点を把握する力や、やりとりを聞いて判断・伝える力を測ることができるような問題を複数解くように指導していくのが有用と考えられる。
《英語の音を聞き取る耳を鍛える》
音声読み上げが1回の問題が全体の配点の6割を占めるため、うまく聞き取れなかったところで詰まってしまうと大きな失点につながりかねない。自分で発音できない語は聞き取ることが難しいため、単に英語に耳を慣らすだけではなく、聞き取れなかった箇所はスクリプトを確認し、生徒自身にも声に出して音読させることが大切と考えられる。
《実戦的な演習で多種多様な資料の読み取りに慣れる》
共通テストでは、図表やイラストなどの視覚的な情報と結び付けて解答することが求められる問題も多く出題され、印字された情報をすばやく頭の中で整理した上で音声を聞くという取り組み方が必要となる。共通テスト型の問題に多くあたってコツをつかんでおくことは有効な対策の1つである。
《情報処理力、思考・判断力を身につける》
与えられた印字情報と聞き取った音声の情報を組み合わせて答えを導き出すには、要点を掴む力や冷静に判断する力が不可欠。この力はリーディングとも共通するため、両者の学習をバランスよく進めていくのが効果的といえる。
2027年用共通テスト対策教材の開発方針
■ パワーマックス共通テスト対応模試
- 全8回の第1問Bを4問、第2問を3問になるよう調整し、大問ごとの設問数を最新に統一。
- 第6問Bについて最新の傾向を意識し、全ての回で3名の話者によるスクリプトに統一。
- 第4問A前半について、ダミー選択肢ありの形式を全体で2題掲載(イラスト型、グラフ型を各1題ずつ)。
■ 共通テストドリル
- 第5問対策問題の全問が最新傾向にあった構成になっており、「メディア論」「文化人類学」など幅広い分野をカバーしているため、対応力のアップに直結する。
- 第5版ご採用校には、第5問と変更の大きかった第4問A前半のダミー選択肢ありの設問の新作問題のデータを2026年5月からダウンロードにてご提供予定。
