「ビジネスのメールは気を遣うので時間がかかる…」そんな悩みを解決する第一歩は、英文メールの「型」を身につけることです。
英文メールの基本構成やポイントを例文とともに紹介しますので、相手との間柄や状況などに合わせて使い分けてみてください。
0.メールの構成とポイント
①件名 ②頭語 ③本文 ④結語
ー英文メールのポイントー
Point1.視覚的に読みやすいような配慮を
メールを受け取った相手が読みやすいよう、左寄せで、あらかじめ適当な長さのところで改行するようにします。
意味の切れ目も考慮しながら1行の長さを60 ~ 70 字(日本語だと30 ~ 35 字)程度で収まるようにしておくとよいでしょう。
Point2.内容はできるだけ簡潔に
要点だけの短いメールではそっけなく相手に対して失礼では…と考えてしまうかもしれませんが、忙しいビジネスパーソンには逆に長い文書の方が歓迎されません。
Point3.日本的儀礼は不要
英文ビジネスEメールには、日本人同士のやり取りでよく使われる「いつもお世話になっております」のような社交のあいさつを書く必要は基本的にありません。
1.件名
ビジネスメールにおいて、件名は非常に重要な要素です。書き方を間違えてしまうと、メールを開いてもらえないこともあります。
メールの内容が一目でわかるような、具体的かつ簡潔な件名をつけましょう。
意識するポイント
- 完全なセンテンスよりも簡潔さを優先
- about, a, theなどは適宜省略して語数を削減
- 重要なものには[IMPORTANT]などをつける
- 抽象的な件名はスパムメールと間違われる可能性があるので避ける
よく使われる件名の例
- Inquiry about your products 貴社製品に関する問い合わせ
- Order for LCD TV T-987 液晶テレビT-987の注文
- Request for payment 予約の確認
- Project meeting on March 5th 3月5日の企画会議
- Invitation to a party パーティーへのご招待
2.頭語
頭語とは日本語の「拝啓」や「前略」にあたる部分です。メールを送る相手の名前とともに使います。相手との間柄や状況などに合わせて使い分けましょう。
・改まった間柄の場合 Dear+敬称(Mr., Ms. など)+相手の姓(family name)
アメリカ式 Dear Mr. Green:
英国 / 欧州式 Dear Mr. Green,
※英語では敬称(Mr., Ms. など)に相手の名前を続けるのは不自然なので注意しましょう。
(例)× Dear Mr. Mark:
・親しい間柄の場合 Dear +相手の名前(first name)
アメリカ式 Dear Mary:
英国 / 欧州式 Dear Mary,
・同僚や気軽な間柄 Hi/Hello+相手の名前(first name)
アメリカ式 Hi James:
英国 / 欧州式 Hi James,
・複数の相手の場合
Dear Customer:(お客様へ)
Dear all,(皆さまへ)
3.本文
本文は「書き出し」「主文」「結び」の3構成で考えてみましょう。
書き出し
ここでは簡単なあいさつなどを書きます。
初めて送るメールでは自己紹介、2回目以降では挨拶やメールのお礼、用件などを述べます。
(例)
My name is Haruko Uchida of Seihoku Trading.
私は西北商事に勤務している内田春子と申します。
Thank you for your e-mail of March 14.
3月14日付のメールをありがとうございました。
I have read your e-mail, and I am writing to you forthwith.
メールを拝見し、さっそくお返事を書いています。
主文
依頼事項や確認点、提案などメールの主題について書く部分です。相手から見て要点を押さえた内容となるように心がけましょう。
・内容はできるだけ簡潔に
最初に結論を書き、要点・方法・期限・理由などを簡潔にわかりやすくまとめましょう。
・I とWe を使い分ける
個人としての発言なら「I ~(私は~)」を、会社を代表して伝えるのであれば「We ~(弊社は~)」を使うと考えるとよいでしょう。
例)
I will send the invoice seperately.
(別途、請求書を送ります。)
We are not able to offer a discount on this product.
(この製品に割引は適用できません。)
結び
メールを締めくくる部分で、用件の確認、念押し、対応を促す等の働きをします。
相手によい印象を与え、円滑な関係につなげることを念頭において書くとよいでしょう。
(例)
I ask for your kind cooperation.
ご協力のほどよろしくお願いいたします。
We look forward to your reply.
ご回答をお待ちしております。
4.結語
メールの締めとなる部分です。頭語と同じく相手との間柄に合わせて使い分けましょう。結語の最後には , (コンマ)をつけます。
・改まった間柄の場合
Respectfully yours,
Sincerely yours,
Sincerely,
Best regards,
・親しい間柄の場合
Thanks,
Talk to you later,
Take care,
Best,
いかがでしたでしょうか。
最後に、間違えがちな表現をご紹介します。
・あなたの仕事を手伝う
✕ help your work
◯ help you with your work
・こちらのアドレスにご連絡ください
✕ contact this address
◯ contact me at this address
「あなたの仕事を手伝う」ですが、help という動詞は手伝う相手(人)を目的語にとって、help you with your work という使い方をします。
日本語をそのまま英語にして help your work と表現したくなりますが、これは誤りです。その他にも、
・ご連絡をお待ちしています
✕ We look forward to hear from you.
◯ We look forward to hearing from you.
look forward to ~は「~を楽しみに待つ」という意味ですが、toは不定詞ではなく、前置詞のtoで直後に名詞が続くため、動詞は「-ing」と動名詞にします。
多少間違っていても伝わればOK…ということもあるかもしれませんが、言葉によって伝わるのは、事実情報だけではありません。あなた自身の印象も同時に相手に伝わっています。言いたいことはわかってもらえると思いますが、相手に「変な表現を使っているな」と思われることのないよう、正確な表現を心がけたいですね。
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