1.「実力テスト」とは?
学校の定期テスト、授業中の小テストがその学期あるいは単元で学習した項目の理解度を測るのに対し、「実力テスト」はもっと広い範囲(今までの学習の全て)の理解度・定着度を見るための試験です。出題される問題がある程度予想できる定期テストに比べて対策が立てにくく、それゆえ本当に理解できているのかどうかの実力を測るためのテストと言えます。
2.できない問題があるのは当たり前!
「実力テストで点数が取れずショックを受けてしまった」という声をよく耳にしますが、前に述べたように、「実力テスト」は学校の確認テストとは異なり、広い学習範囲から出題されています。「前に習ったことだから忘れてしまっていた」ことは決して珍しくありません。また、“実力を試す(テストする)”ために出題に工夫がされており、一問一答で正解が導き出せる問題ばかりとは限りませんので、「最近習ったばかりで、応用問題が難しくてできなかった」という話もよく聞きます。
個人差はあっても、たいていの受験生はこのような印象を受けているはずです。たとえ思い描いていたような結果ではなかったとしても、結果を真摯に受け止めて、できなかった部分を発見し、いかに具体的な次の行動に結びつけるかが、「実力テスト」を上手に活用できるかどうかのポイントになります。
3.すぐにできなかった部分を復習
「実力テスト」に限らずどんなテストでも、できなかった問題をきちんと復習しておくことが一番大切になります。
テスト受験後できればその日のうちに、まずできなかった問題や解答に不安がある問題について、なぜできなかったのか冷静に考える機会をお子さまに持たせることをお勧めします。忘れて思い出せなかったのか、きちんと理解しないままにしておいた分野だったからなのか、自分なりに分析してみるよう、お子さまに促してください。
分析がすんだら、解答状況に合わせてできなかった問題にもう一度取り組ませるようにしましょう。もう少しでできたはずという問題には、解答を見ずにもう一度チャレンジさせ、わからない部分については、教科書や参考書を活用して答案を作成させ、その後解答と解き直した答案を比較してみるとよいでしょう。考え違いや思わぬ穴が発見できます。すぐに解答を見てしまうと、実際には理解できていなくてもわかったように感じてしまうことが往々にしてあります。解答を理解できても、解答を作り上げることができなければ真の理解とは言えませんので、この点はご注意ください。
難しくて全く手がつけられなかった問題に対しては、まずは解答を理解することから始め、ある程度理解できたら日をおいてもう一度解くようにさせます。そうすることで曖昧な理解になっていた部分がはっきりするはずです。
また、自信をもって解答している部分についても、考え方・解き方が正しかったのか確認させるようにしましょう。勘違いして覚えていたがたまたま答えが合っていた、ということも十分にありえます。
4.成績表が返却されたら
成績表には、科目別の得点・順位・平均点(学校内・全国)・問題別や分野別の得点・アドバイスメッセージ等、様々な項目がありますが、まず科目別の総合成績で、科目ごとの出来を確認し、次に問題・分野別の成績に注目します。
そして、その結果がテスト受験当日の感触通りの結果だったか、お子さまに確認します。食い違いがあるようならば、食い違いが起こった原因を分析するようにしてみてください。そこにはお子さまも気づいていない弱点が必ず潜んでいるはずです。
得意なはずの科目が思うような点数になっていなかったという場合は、その原因として、なんとなく理解したつもりで本質を理解できていなかったということが考えられます。これを機会にもう一度学習し直すよう、促してみてはいかがでしょうか。
成績表を見ると、とかく順位や偏差値ばかりに目が行きがちになりますが、あくまでも弱点を発見し、それを克服するための指標と考えてください。
また、良い結果が出た場合も、それに安心してしまっては、その後の成績が伸び悩んでしまう恐れがあります。できた問題も、もう一度解き直して、理解を確実にしておくことが、さらなるステップアップにつながります。