「中学アドバンスト」の目的は現時点での学力を確認することですが、通常のテストと同様に復習が大切です。まずはお子さまの苦手な科目や分野を把握してください。科目別のアドバイスメッセージなどにも着目しながら復習を進めることで、苦手科目を克服するポイントをつかみ、本質的な理解へと結びつけていきましょう。
※理科・社会は、中3で5科目受験を選択した学校のみの実施となります。理科・社会を受験されていない方にも、ぜひ参考にしていただきたい学習のポイントをお伝えします。
英語
英文読解力の土台は国語力
英語の読解問題では、英文を読み取る力に加えて、読み取った内容を正しく理解し、適当な英語や日本語で表す力も求められます。したがって、必要なのは、単なる英語の知識ではなく、英語という言語を通した国語力だといえます。
英文読解力を高めるための復習法
英語の読解問題では、「問題のための英文」ではなく、「読む意味のある英文」を取り上げています。お子さまの成長段階に合わせた、興味深い英文素材を出題していますから、復習の際に、素材に関連する事項を百科事典やインターネットなどで簡単に調べてみると、英文への関心が高まり、理解がより深まるでしょう。その上で、「(辞書などを使わずに)英文を読む」→「解説や全訳、辞書などを参考にしながら、英文構造を理解する」という流れで復習させてあげてください。できなかった問題は、日を改めて取り組ませることをお勧めします。
英語にふれることを毎日の習慣に
まずは簡単なものからでもよいので、長さのある英文を週に数本ずつ読んでいくことを習慣としてください。常にアンテナを高くして、いろいろなテーマを扱った英文に積極的にふれることをお勧めします。
数学
このテストによって測れる数学の力
基礎事項の確認問題から発想力・思考力を必要とする問題まで幅広く出題しており、お子さまがどのレベルの問題まで解く力をもっているのかがわかります。また、記述問題も出題していますので、記述力についても確認できます。
解けなかった問題にチャレンジ
できなかった問題というのは、いわゆる“難しい問題”が多いと思います。このとき、「難しい問題ができない=基礎ができていない」と思い、解ける問題ばかり演習させ続けても力はあまり伸びません。お子さまが解けない問題にチャレンジし、それが解けるようになるというくり返しが大切なのです。しかし、いきなり難しい問題に挑戦するのは大変です。取っ掛かりとして、今回の実力テストで解けなかった問題に取り組ませてみてはいかがでしょうか。
親子で同じ課題に取り組む
数学は、解法が1つとは限りません。ぜひこの機会にお子さまと一緒に問題を解いて、いろいろな解法を見つけてみてください。今まで気がつかなかったお子さまの意外な一面が見えてくるかもしれません。
国語
このテストによって測れる国語の力
問題文を読み取る力と、読み取った内容を表現する力の双方について、まんべんなく出題しています。また、語彙・文法などの知識事項についても、適切な力が身についているか確認します。
テストノートを活用した復習を
ノートを活用した学習法を紹介してみたいと思います。
①実力テストを受けるたびに問題文と、誤った設問についてコピーをとります。
②コピーした問題文と設問をノートに貼り付けます。
③解説を読みながら、「ここに注目すれば解答できた」という部分にマーカーで線を施していきます。
単に知識事項を丸暗記しただけでは解答できない読解問題の場合、実際に問題に取り組み、解き方のパターンを定着させていくことが効果的です。「どう読んでいたからあのとき高得点が取れたのか」「どう読めばあのとき得点が取れたのか」「テストノート」を折に触れて確認してみると、同じパターンの問題が出たときに通用することが多いはずです。
ぜひ保護者の方も目を通してみてください
国語では、中学生の刺激となるような問題文を出題するように心がけています。中には、大人が読んでもなるほどと思える文章もあります。ぜひ保護者の方も問題文に目を通し、内容について、お子さまとお話ししてみてください。
理科
弱点を克服するためには
答えが違っていたとき、「なぜまちがったのか」をお子さまと考えてみてください。用語や公式を暗記するだけになっていないでしょうか。暗記すれば基本問題を解くことはできますが、応用問題を解くことはできません。理科の学習では、現象などをしっかり理解することが大切です。基本に戻り、もう一度その現象や実験の意味を考えてみるとよいでしょう。また、重要語句については、語句を覚えるだけでなく、その意味についても自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
身近なものからも学ぶ姿勢を
理科では、観察・実験を通して日常生活に関連づけた内容がテストなどの問題の題材として扱われることがあります。理科は書籍だけではなく、身近にあるものからの学習も大切です。身近で見られる現象について、お子さまと一緒に体験したり考えたりすることで、理科への興味がさらに広がるのではないでしょうか。
社会
保護者の方からアドバイスしてみる
まず、地理・歴史・公民の各分野のうち、お子さまが特に苦手とする分野がないか確認してください。その上で、苦手分野に即した具体的な学習方法として、以下のような内容を保護者の方からアドバイスしてみてはいかがでしょうか。
●地理
用語を覚える際には、文字を追うだけでなく、視覚的にも理解が深まるよう、そのつど必ず地図帳で確認させるように指導するとよいでしょう。
●歴史
用語の暗記一辺倒になってはいないでしょうか。年表を作成するなどして、歴史の「流れ」を意識した学習を心がけるように伝えてみてください。
●公民
ニュースで取りあげられている諸問題や身の回りの出来事など、本人の身近な体験に引きつけて考えることができるよう、機会を与えてあげてください。
社会は「今をよりよく生きるためのヒント」を学ぶ科目であり、地理・歴史・公民はその「ヒント」の3本柱です。公民に限らず、地理・歴史が苦手という場合についても、その分野が自分の生活と密接に関わっているということを理解させ、学習意欲の向上へと結び付けていくことが何より大切なのです。