Column 20年8月 ニューノーマル時代に必要な能力とは?

新型コロナウイルスの感染拡大により、社会の規範・秩序が大きく変化しました。「ニューノーマル」と呼ばれるこの状況で、企業はどのような能力を持った人材を求めているのでしょうか。
世界的に有名なコンピュータソフトメーカーのアドビ社が2020年6月に実施した、国内企業の人事担当者500名を対象とした、「新卒採用で企業が重視するスキル」に関する調査の結果を見ていきます。

【アドビ株式会社 プレスリリース】

https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202007/20200729_adobe-survey-of-skills-required-for-new-graduates.html

【New Normalの社会で企業が新卒に求めるスキル】

http://download.macromedia.com/pub/learn/start/aef_research_aug_2020_sec.pdf

課題解決⽅法の発想力∕着想力

調査対象とした能力を「創造的問題解決能力」に絞っているため、選択肢もそれに沿った内容に限られます。その中で、最も重視されている能力は「課題解決方法の発想力/着想力」です。「発想力」「着想力」とは、解決方法を知っているかどうかではなく、解決方法を思いつくことができるかどうか、ということです。つまり、既に存在している答えを探し出す能力ではなく、答えのない課題に取り組み、答えを導き出す能力が求められていると言えます。

デジタルリテラシー

前回調査(2018年)と比較して、より重視されるようになった能力として、デジタルリテラシーが挙げられます。「ネオ・デジタルネイティブ世代」と呼ばれ、生まれた時にはすでにデジタル機器が身近にある世代にとっては、デジタル機器の操作はとりたてて重要視されるような能力ではないように思われます。しかし、スマートフォンやタブレットでコンテンツを『消費』することに慣れてはいても、そうした機器を用いて新たな価値を創造する経験は十分とは言えません。事実、アドビ社の調査では、企業が求めるデジタルリテラシーとして、デジタル機器をクリエイティブツールとして活用する能力が挙げられており、画像や動画の加工・編集、Webページやアプリの開発などが、前回調査と比較して重要度を増加させています。
アドビ社が、クリエイティブツールの開発・販売を行っている会社であることを勘案しても、これまで特殊技能と考えられていたクリエイティブ関連の能力が、広く求められるようになりつつあることは確かでしょう。現代社会で求められているデジタルリテラシーとは、単にIT機器が使えるということではなく、IT機器を使って創造的な作業が行えることも指していると言えます。

この時代に求められる能力

今回のアドビ社の調査結果から、企業の採用担当者は、
  ・答えのない課題に取り組み、答えを導き出す能力
  ・創造的な仕事を行うための適切なツールを使いこなす能力
の2点を重視していると言えますが、これらの能力は、ニューノーマル時代が到来したから要求されるようになった能力ではありません。より付加価値が高い仕事を行いうる能力であり、社会全体から必要とされる重要な能力です。
今回の調査で、時代や業種等に左右されない能力であることが明らかになったこれらの能力は、Z会のプログラミング講座でも養成していきます。ロボットの制作やプログラミングを通して、新しい時代に求められる能力を身につけていきましょう。