Column 21年5月 「ノーコード」でプログラミングがいらなくなる!?

「ノーコード」や「ローコード」という言葉を聞いたことがありますか? 通常、アプリ開発にはプログラミング言語で書かれたコード(プログラム)が必要となりますが、ノーコード(NoCode)やローコード(LowCode)とは、その名の通り、コード(プログラミング言語で書かれたプログラム)を使わずに(もしくは少ないコードで)アプリなどの新しいサービスをつくることができる仕組みです。プログラムの代わりに、「部品」のようなかたちで用意された機能を組み合わせてアプリを開発できるため、プログラミングの知識がない人でもアプリなどの新しいサービスをつくることができるようになります。

誰でもアプリを開発できる?

最近では、エンジニアではない人たちがノーコードやローコードのツールを使って、業務に必要なアプリを自分たちで開発した事例が増えてきています。

小学校教員と保護者が業務効率化アプリを自力で開発 仕事の困り事は自分で解決
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/15/news059.html

「手間がめちゃくちゃ減った」 郵送とオンラインのハイブリッド給付金申請、非エンジニアの市職員が開発 経緯を聞いたhttps://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/01/news124.html

プログラミングの知識がない人たちでもアプリ開発ができるこのような手法は世界的な傾向で、アメリカの調査会社によると、2024年までにソフトウェア開発の65%がローコードの手法になると予測しています。また、一見手を出すことが難しそうな「AI(人工知能)」の機械学習モデルを複雑なプログラミングを使わずに構築できる仕組みもグーグル社などが提供しており、「AIの民主化」とも言われているようです。

ノーコードが促す「AIの民主化」 プログラミングいらず
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO64418100Q0A930C2EAC000/

それでもプログラミングの学習は必要?

もちろん、いくらノーコードなどのツールが発展したとしても、ツール自体を開発する人やより複雑なシステムを開発するためにはプログラムを書く必要があり、高度なレベルが求められるエンジニアは残ります。では、プログラミングは一部の人たちのものだけとなり、皆がプログラミングを学習することは必要はなくなるのでしょうか?

上記の記事の中で東芝の最高デジタル責任者は、「ソフトウエア開発が簡単になるのは歴史の流れ。今後はプログラミング能力より、何を作るかというコンセプトを生み出す能力が重要になる」と話しています。問題を解決するための手段としてのテクノロジーが充実する中で、ますます必要となってくるのは、問題を解決したいという想いや原動力、そしてそのツールを活用して問題を解決するためのプロセスや考え方であると考えます。

現在、Z会が提供しているプログラミング講座は、プログラミングの技術そのものを学ぶものではありません。テクノロジーを活用して試行錯誤しながら問題を解決する力を養うことを目的としています。このような力は、ノーコードのようなツールが充実する未来でこそむしろ必要となる力ではないでしょうか。
次の時代にこそ必要な力を、本講座でこれからも楽しく身につけていきましょう。