Column 21年6月 いにしえの技術!?

Windows95を使ったことはありますか?
名前の通り1995年に発売されたWindowsですので、30代後半より年長の保護者の方であれば、「そういえば実家のパソコンがWindows95だったかも」「学校のパソコンがそうだった」「使っていたよ!」といった思い出をお持ちの方も少なくないことでしょう。

しかし、1995年はいまから26年前のこと。この年に生まれた人たちもいまや26歳、いまの10代の子どもたちにとっては、もはや「いにしえの技術」と映ってしまうかもしれません。少し古いものですが、こんな記事のご紹介です。

10代のデジタルネイティブ世代が「Windows 95」を初体験するとこうなる

https://gigazine.net/news/20160309-windows-95-kids/

タイトルの通り、10代の子どもたちにWindows95を使ってもらった反応をまとめた記事です。まずはパソコンの電源を入れることができず、起動にかかる時間にいらだち、インターネットに接続するにも一苦労……。「わかった!世界で初めてつくられたコンピューターでしょ!?」「歴史的なやつだ!恐竜だ!」という反応は、当時を知る人間からすれば、ちょっと複雑な心持ちになってしまいます。

この記事のシリーズで、フィルムカメラを使わせたら、初代iPodを使わせたら、タイプライターを触らせたら、というものもあります。こうした子どもたちの反応を見て感じることは人それぞれでしょうが、いかに「使い勝手」が洗練されてきたのかを感じることができます。いま、私たちが当たり前のように使っているものも、20年後には、「古くさい」と感じるようになってしまうのかもしれません。

【PC-98】Windows95で仕事ができるか実験してみた

https://time-space.kddi.com/digicul-column/suguyaru/20151221/

そんなWindows95で仕事ができるのか、を検証した記事です。「企画の途中で何度も何度も『なんでこんなことしてるんだろう』と自問自答を重ねるハメになりました」という言葉どおり、いまの「仕事」をするためには、現在の機器を使わなければならないようです。

このことから、「仕事」のスタイルも20年前、30年前とは変わってしまっているのだといえるでしょう。島耕作が現場でバリバリ働いていたその働き方は、今とはちょっと違うのだと思わなければいけませんね。

名機PC-98いまだ現役 在庫1000台専門店に迫る

https://www.asahi.com/articles/ASN7F5K3SN7DUEHF118.html

しかし一方で、Windows以前に日本で「パソコン」といえばこれ、というほどに親しまれていたNECのPC9800シリーズがいまだに現役で動いている、という記事もあります。工場や一部企業のシステムでは、いまだに古いコンピュータが使われているケースもあるからです。プログラミングの現場でもそのようなことがあり、半世紀以上前から使われているCOBOLという言語は、いまだに一部では使われているとの事実もあります。それもやはり、古いシステムがCOBOLで作られており、メンテナンスのためにいまだにCOBOLのプログラマーが必要だ、という事情があるそうです。

古いものにこだわり続けることはできないという現実と、古いものも知らなければならないという現実。いずれにしてもバランスが必要なのだということなのでしょうね。