Column 21年11月 著作権を守ろう

おもしろい作品ができたら、いろいろな人に見てもらいたいと思うものです。作品を公開し、フィードバックを得ることが、お子様の成長にもつながります。しかし、作品を公開する前に気を付けてもらいたいことがあります。その作品を公開することが、誰かの著作権を侵害することとなっていませんでしょうか。
Z会プログラミングシリーズの各コースでは、お子様が作成した作品を学習の成果物として共有していますが、共有した作品がほかの人の著作権を侵害しないようにするために、改めてお子様と、著作権について考える機会を持っていただきたいと思います。

「著作権」とは?

著作権とは、著作者(小説や音楽などの作品を作った人)に与えられるさまざまな権利の総称です。著作権の中には、「作った人が誰であるかを主張する権利」「作ったものを複製したり配布したりする権利」「作ったものを改変する権利」などがあります。
「権利」という目に見えないもののために、軽視されがちになってしまうのか、最近でも、以下のような著作権侵害事例が発生しています。

「鬼滅の刃」のキャラ入りケーキをネットで無断販売、著作権法違反で摘発 4人に計5万6700円で
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2111/09/news166.html

「ファスト映画」投稿者に初の有罪判決 著作権侵害申告の実績ない映画会社狙い組織的犯行
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2111/16/news156.html

漫画海賊版サイト「漫画BANK」に集英社など4社が法的措置へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211114/k10013347781000.html

なぜ「著作権」という権利があるのか

著作権は、知的活動の成果に対して認められる権利のひとつです。もし、この権利が認められないとしたら、自分で考えて作り出したものなのに、他人がそれを使って自由に商売ができてしまうことになります。誰かが作ったもので自由に商売ができるのであれば、自分で苦労して作り出そうと考える人はいなくなってしまいます。著作権は、小説や音楽などの文化・芸術作品を生み出す人を守るため、つまりは文化・芸術を守るためにある権利なのです。

作った人の気持ちになってみる

すべての人は、著作物の作り手になる可能性があります。例えば、ノートの片隅に描いたちょっとしたイラストにも著作権が発生します。もし、このイラストを目にした出版社が、「今度出版する本に、このイラストを使いたい」と考えた場合、このイラストを描いた人(著作者)に許可を得なければなりません。
コンピュータ・プログラムも著作物です。何時間もかけて作ったプログラムを、誰かが何の許可もなく勝手に販売しているという状況を想像してみましょう。本来なら、そのプログラムを作った人の懐に入るはずの売り上げを、他人が手に入れてしまっているのです。著作権を侵害するということは、本来作り手に入るはずのお金を、勝手に自分のものにしてしまうということなのです。
「お金を取らなければ、よいのではないか」と考えるかもしれません。しかし、著作権侵害事例に上げたファスト映画や海賊版サイトは、著作物そのものを販売しているわけではありませんが、著作権違反と認定されています。これは、タダで公開することにより、売れるはずのものが売れなくなったことで、作り手に損害を与えているからなのです。
自分が苦労して作ったものを、他人に盗まれてしまうことを考えれば、著作権を侵害してはいけない理由がわかることと思います。

最後に、お子様でもわかりやすく著作権について解説したサイトを紹介いたします。

はじめて学ぶ著作権(小学生向け)
https://pf.bunka.go.jp/chosaku/chosakuken/hakase/hajimete_1/index.html

みんなのための著作権教室 KIDS CRIC
http://kids.cric.or.jp/

社会には、さまざまな著作物があふれており、知らないうちに、著作権を侵害してしまう可能性があります。また逆に、自分の作ったものを誰かに勝手に使われてしまう可能性もあります。著作物を使う側と著作物を作る側の双方の視点から、改めて著作権についてお子様と話し合う機会としていただけたら幸いです。