Z会の臨床心理士講座監修者である無藤隆先生(白梅学園大学教授)から、臨床心理士を目指す人に向けたメッセージです。


臨床心理士を目指す方に求められるもの、それは「知」と「情」だと私は考えています。「知」とは心理学を始めとするさまざまな知識や理屈のことです。そして「情」とは、例えば「相手がどういう悩みを感じているのか」ということを理解できる共感性ですね。臨床心理士の仕事は、基本的には「1対1」で行われます。その場において相手のことを理解するためには知識や理屈だけで十分かというと、そうでもないのです。だからといって共感性だけだと、相手に対する同情に流されてしまいますので、やはり知識や理屈も必要です。必要なのは「知」と「情」のバランスであるということを、まずはお伝えしたいですね。 

その上で、指定大学院に進学するにあたって申し上げておきたいことは、まず「基礎から幅広くかつしっかり学んでおかないと先が大変だ」ということです。これは「知」にあたるわけですが、そうした幅広い知識は、大学院進学後はもちろん、臨床心理士として実際に働く場合にも重要になってきます。
 
なぜ重要なのか。臨床心理士は今やさまざまな場で働いていますが、都市圏では臨床心理士が過剰供給されていることもあり、働き口を見つけるための厳しい競争が待っています。このような状況で就職先を見つけ、そこで臨床心理士としてしっかりと働いていくためには、基礎から幅広く学び、その上で、自分の就職先の間口・イメージを広げておく必要があるからです。例えば大学院では「高校生の悩み」を研究したとしても、就職においては高齢者や乳幼児の施設に行くこともあるのです。ですから、最初から「自分の専門はこれだ」と決めつけるのではなく、柔軟に構えることが大切です。 
 

大学院の修士課程は、実習あり、ゼミあり、で大変ハードなものです。また臨床心理士として一人前になるためには、実際に働き始めて4〜5年間は相当に勉強しなければなりません。臨床心理士を目指して大学院への進学を志す方は、そうした「厳しさ」を前もって覚悟しておいてください。そして、その「厳しさ」を承知の上で自らチャレンジする人、そういう人を大学院は求めています。進学準備も進学後も確かに厳しい世界ですが、臨床心理士という仕事はそれだけのやりがいがある仕事だと思いますし、努力をすれば道は拓けます。
     
なお、Z会では、「基礎から幅広く学ぶ」「いろいろな角度から心理学を学ぶ」というコンセプトのもと、「臨床心理士英語」講座、「臨床心理士専門科目」講座が用意されています。これらのコンセプトは先ほど申し上げたように、大学院入試だけでなく進学後・就職後も必要なものです。進学後・就職後も、わからないことがあったら、まずこれらの講座のテキストに立ち返るとよいでしょう。辞典を手元に置いてわからない用語は調べつつ、テキストを何度も読んで、幅広い知識をしっかり頭に入れていってください。それがひいては、臨床心理士として働く時に重要な支えとなるはずです。

無藤隆先生プロフィール

東京大学教育学部卒業、東京大学大学院教育学研究科博士課程中途退学。
聖心女子大学助教授、お茶の水女子大学生活科学部教授などを経て、現在、白梅学園大学子ども学部発達臨床学科教授。

●主な役職
日本保育学会理事、日本質的心理学会前理事長、日本発達心理学会前理事長。

●主な著作
『幼児教育のデザイン』(東京大学出版会)
『質的心理学講座第1巻』(共編著、東京大学出版会)
『発達心理学全2巻』(共編著、東京大学出版会)など。

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