計算力を鍛えよう:計算迷路

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)


こんにちは、最近きゅうりレベルを上げようとしている小田です。レシピの習得も大事ですが、個々の食材についての理解を深めていくことも大事ですよね。算数と同じですよ。たぶん。高血圧対策でカリウムを取るために、きゅうりをなるべく食べようとしているのですが、結構癖のある野菜ですよね。野菜の王道である「冷凍しておいて適当に炒めものに混ぜる」というのができない代わりに、むしろ生でなら適当に刻んで何かかければ食べられるという強みがあります。ひとまず、ちくわと一緒に刻んで、ゆずぽんをかけて食べています。

さて今回は、計算の迷路です。計算もしながら迷路のルートを考えるのは、やってみると意外と大変かもしれませんが、まずは気軽にチャレンジしてみてください。

それでは早速行ってみましょう。

 

 

Stage76:計算力を鍛えよう

図のような迷路があります。書かれている2つの数の和が10になるところだけを通って、スタートからゴールまで進んでください。

問題の意味は大丈夫そうですね。「和」や「差」の意味がわかっていなさそうなら、「足したもの・合計」や「引いたもの・違い」と説明してあげてください。差を考えるとき、「左から右を引く」と考えてしまってつまっているようなら、「大きい方から小さい方を引けばいいよ」と伝えてあげましょう。あとは温かく見守ってあげてください。

迷路なので、当然分かれ道もあれば行き止まりもあります。“行き止まり”であることに気づくことも大事なので、行き止まりに行ってしまった場合も、「いいね! その調子! 他の道を探してみよう!」と励ましてあげてください。

ゴールにたどりついたら、まずは通ったマスの計算結果を確認します。すべて条件の通りであれば、正解です。もし、指定された数になっていないところがあれば、(例えば)「ここは7になっているから通れないね」と伝えてあげてください。もし、どうしても「計算」と「迷路」を同時に考えることが難しい場合は、「先に計算しておいてもいいかもね」と伝えてあげても構いませんが、基本的にはお子さまが自分なりに試行錯誤する様子を温かく見守ってあげてください。


難度別に3段階の問題を掲載しています。ぜひ、親子で挑戦してみてくださいね。


▲画像クリックで拡大します(PDFファイル)


解答はこちら 


計算は目的ではなく手段である

冒頭で少し触れたように、計算と迷路を同時に考えようとすると、意外と難しかったりしますよね。今回の問題に限った話ではありませんが、実際に計算が必要な場面の多くは、「計算すること」だけが目的ではなかったりします。つまり、計算はあくまで他の目的を達成するための手段であり、“計算だけ”に集中できるわけではないことが多い、ということです。

計算が主な目的でなはい、ということは、単に「正しく計算できる」だけでなく、なるべく「楽に計算したい」ということでもあります。実際に算数の問題を解くところをイメージしてみてください。文章題を解くときには条件を整理することに、図形の問題を解くときには形を把握することに、できるだけ多くのエネルギーを割きたいですよね。問題を解くときだけではありません。新しい概念を理解していくときには、なおさらです。今までに持っていなかった考え方を身につける、というのは、とてもエネルギーのいることです。“計算”だけに手いっぱいになってしまうと、肝心の新しい概念とじっくり向き合い自分のものにしていくための余裕がなくなってしまうでしょう。計算に使うエネルギーを減らすことができれば、その分、新しいものを身につけたり、他のことを深く考えたりする余裕をもつことができるのです。

ただし、「スムーズに計算ができるようになる」とは言っても、それは単に「とにかく計算練習を積めばいい」ということではありません。大事なことは、「自分にとって扱いやすい方法」を身につけていくことです。子どもたちの様子を見ていると、ひとくちに「計算」と言っても、いろいろな方法で“計算”をしていることに気づきます。そしてそれは、人によって違うだけでなく、同じ子どもであっても場面によって違うやり方で“計算”したりもします。計算が目的ではなく手段であるということは、逆に言うと、正しい結果が得られてさえいれば、決まったやり方でやる必要はないということでもあるでしょう。

今回の問題も、「迷路」という計算以外の負荷をかけることで、“計算”に費やすエネルギーをなるべく減らす方法を探ってほしい、というのが狙いです。もちろん、最初から「うまいやり方」を見つける必要はありません。あくまで「自分にとってやりやすい方法」を探していくことが大事です。お子さまが自分なりに試行錯誤していく様子を、ぜひ温かく見守ってあげてください。

 


いかがでしょうか。

最近、各種検診を受けるようになりました。せめて無料で受けられるものだけでも、そろそろ受けておいたほうがいいのではないか、と思うようになってきたところです。「無料だし、いつでも行けるからまあ別に今行かなくてもいいか」と思っていた頃よりも少し成長しましたね。今のところ大きな病気はないようなので、ひとまず安心といったところです。結果がまだ出ていないものも、とくに何もないといいですね。

それではまた来月!

 

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書


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