研修の成果が上がらない理由はどこにあるか
社会のグローバル化が進み、海外の取引先が増えた、海外に拠点を設けることになった、など、語学力が求められる場面が増えています。
英語が母国語の相手とコミュニケーションを取る場合もあれば、双方の第二言語として英語を用いる場合もあるでしょう。
このような場面に対応するために、英会話教室や英語講座を研修や福利厚生サービスで導入する企業も増えています。
同時に聞こえてくるのが、「英語対策を始めたけれど、なかなか社員の英語力が上がってこない」というお声です。
なぜそうなってしまうのか、多くの場合は英語力が上がらない理由の可視化ができていない点にあります。
英会話教室に通えば必ず上達する?
英語でのコミュニケーション力向上をめざすとき、最もイメージしやすいのは英会話教室に通うことでしょう。
リアルでの対面型だけでなく、自宅でできるオンライン型も普及しており、ハードルが下がって手軽に受講できるようになってきました。
外国人講師を会社に定期的に招き、研修を進める集合型研修も、コロナ禍が落ち着き現在は実施しやすくなりました。
英会話教室、集合型研修を実施することで、英語力向上、使える英語の習得はもちろん期待できます。
ただ、注意したいこととして、必ずしも効果的、効率的な手段にならないことがあげられます。
大切なのは「なぜ英語が使えないのか」という原因を見つけて、それに応じた対策を進めることです。
原因がわからないまま英会話の機会だけを増やしても、英語力はすぐに身につきません。
また、機会そのものを増やし、英語力を向上させようとすると、コストも上がってしまう傾向にあるため、費用対効果が見込みにくくなってしまいます。
実践の場は大切ですが、実践の効果を最大化するためには、英語が使えない原因を明らかにし、準備をするのが良いでしょう。
英語が「使えない」原因は、理解できない or 伝えられない の2パターン
英語が「使えない」原因としては、大きく分けて以下の2パターンがあります。
- 相手の言いたいことを理解できない(聞き取れない/読めない)
- 自分の言いたいことを伝えられない(話せない/書けない)
<1の場合→Listening/Readingの対策が必要>
例えば英会話で「相手の言っていることが聞き取れない」場合、対策が必要なのはリスニングです。
会話はキャッチボールなので、相手に合わせて自分の意見を伝える必要があります。
まずは相手の発言内容を聞き取り、その意味を理解しないと会話が成立しません。
また、「音としては聞き取れたが、単語・文法の意味がわからない」という場合もあります。
この場合は、以前の記事で触れた「語彙」が足りないのが原因です。
「知っている」だけでなく、意味を理解して「使える」ようにするための学習が必要になります。
◆参考記事:ビジネスシーンで英語を「使える」ようにする 英語の語彙力の大切さ【英語研修】
<2の場合→Speaking/Writingの対策が必要>
同じく英会話を例に挙げると「相手の言っていることは理解できたが、自分の考えを言葉にできない」という場合、スピーキングの対策が必要になります。
また、「時間をかければ話せる」場合にはスピーキングで必要な瞬発力を鍛える必要がありますし、「時間をかけてもなかなか文章を組み立てられない」場合には、文法の復習や、文構造を整理しやすいライティングの学習から始めるのも効果的でしょう。
英会話は英語力をフルで活用する。だから原因の特定が難しい
英会話教室や講座において、実は難しいのは、英語を「使えない」原因の特定です。
コミュニケーションを取る際、聴くだけ、話すだけ、ということはなく、複数の力を用いる必要があります。
前述の通り、原因をパターン化して考えても、1度の会話の中には複数の事例が発生し、結局どこに課題があるのか、客観的に把握することは困難です。
自分の英語力のどこに弱点があり、重点的に改善すべきであるか。
弱点の特定や分析においては、英語の総合力が求められる実践では「これだ」を見つけることが難しいため、各技能の実力測定が可能なテストが有効です。
総合力・実践は英語を使えるようになるうえで欠かせませんが、研修効果を高めるうえでは使い分けが大切です。
まずテストなどで現状の実力を把握し、対策の筋道をたてながら学習に取り組めるようにしましょう。
ビジネス英語では4技能すべてが求められる
このように、「なぜできないのか」を突き詰めて考えて、自分に足りない部分を補いつつ、実践を重ねることが、英語を「使える」ようにするための近道です。
英語学習においては、4技能(Reading、Listening、Writing、Speaking)を把握し対策するのがよいでしょう。
英語の学習は積み上げ式であり、かつ相互補完的です。
英会話の場合、相手の言うことが聞き取れないまま、自分自身の発信力(Speaking)だけを鍛えても、会話は成立しません。
また、特にビジネスシーンでは、資料を見ながら会話をしたり、メール・電話・対面のやり取りを重ねたりなど、4技能をフル活用してコミュニケーションをとる場面が多くあります。
だからこそ、4技能をバランスよく積み上げることが大切であり、自分自身に足りないのがどの技能なのか、という点を正確に把握して対策を進めることが、「使える」ビジネス英語を身につけるポイントになります。
企業の研修においては、「各技能の実力を把握する仕組みはあるか」「弱点を補う演習が可能か」「実践の場が設けられているか」などを念頭に起きつつ、設計いただくと効果が高まるのではないでしょうか。
本記事が研修設計のお役に立てますと幸いです。
Z会の英語研修教材「Asteria for Business」でできること
Z会の英語研修教材「Asteria for Business」では、英語4技能の実力を把握する試験があり、弱点の特定が可能です。
各技能ごとの弱点を補うAIを用いた演習と、総合力を高める添削指導・Online Speakingによる実践を通して、効率よく英語力向上を実現します。
ぜひ英語研修に「Asteria for Business」をご活用ください。
講座・お役立ち資料のご紹介
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