私が目指す10年後の私
10年後。だいぶ先のような、すぐ先のような未来、あなたはどこで何をしているでしょう?
Z会のOBOGの先輩が中高生にエールを送る「キャンパスレポーターに聞く 学び・大学生活の極意」の今月のテーマは「私が目指す10年後の私」です。
大学生が将来のために今がんばっていることの中には、大学生・社会人とあなたがこれから切り開く未来の姿のヒントがあるかもしれません。
▲私が日々勉強をしている信州大学の松本キャンパスです。
ここでの学びを将来に生かせるようにこれからも勉強をがんばっていきたいと思っています。
私が目指す「10年後の私」は、臨床検査技師として働いて、多くの人の診断に役に立つ検査を素早く正確に行っている姿です。
今大学で臨床検査技師の国家資格を取るための勉強をしています。10年後の理想を現実にするためには、大学卒業のタイミングで国家試験に合格し、臨床検査技師として病院や検査センターで実践を積む必要があります。そのため、今できることとして、日々の大学での学びの復習をしたり、心電図検定などといった将来役に立ちそうな資格試験の勉強をしています。大学での学びがすべて今後の生活に直結する場合はそんなに多くないかもしれませんが、その学びに対する「態度」は汎用性が高いと思うので、学校での学びは大切にしてほしいなと思います。
▲『プロジェクトX 挑戦者たち(3) 翼よ、よみがえれ』/NHK「プロジェクトX」制作班 編/NHK出版
※現在は電子書籍で発刊されています。
今の自分を形作ってくれた本です。
僕には、夢があります。小学校6年生のときに、「プロジェクトX~挑戦者たち~」シリーズ(NHK出版)の『翼はよみがえった~YS-11 日本初の国産旅客』という、日本初の国産旅客機である「YS-11」を開発する話を読み、その開発者たちに憧れを抱きました。当時の僕は、彼らのような人になるためには、彼らと同じ道を歩む必要があると考え、東京大学の航空宇宙工学科を志すようになりました。それから8年後、無事航空宇宙工学科に進学することが決定しました。ここまで到達できた自分を誇らしく思うとともに、これからも必死に勉強し、過去の自分に恥ずかしくない生き方をしようと思っています。そのうえで、10年後に国産航空機の開発に携わることができていれば、とても幸せなことだと思います。そのために、これからも勉強を続けていこうと思います。
▲いろいろなご飯屋さんに出かけてたくさんの味を知ることで、将来食品の開発を行う際に生かすことができたらいいなと考えています(新潟県新潟市にあるカフェ)!
私は10年後、仕事の面ではたくさんの人に食べてもらえる食品の開発をやりたいと考えています。現在、大学で食品科学を専攻し、食品の機能性や加工方法などについて学んでいるのですが、学んだ知識や技術を生かしてたくさんの人を笑顔にできる食品を作りたいです。また、プライベートの面では、暖かい家庭を築いて安心感を家族に与えられる存在になりたいです! 私自身、母からいつも安心感を与えてもらっていたので、今度は私が与える側となって暖かい家庭を築いていきたいです。10年後というと遠い未来のように感じますが、きっとあっという間に時間は過ぎてしまうと思います。なので、目の前のことと真剣に向き合って努力していきたいです!
▲実習で使う聴診器です。医師には必須ですよね。
このままストレートに卒業できたら、10年後、私は医師7年目をしているはずです。この時期がどんなものかというと、専攻医と呼ばれる立場を終えるころです。専攻医を終えると専門医になり、周りから一人前の医師と認められるようになります。私が目指す10年後は周りから信頼される一人前の医師になっていることです。私が思う「一人前の医師に必要な能力」とは、医学的な知識や経験だけでなく、チーム医療を行ううえで重要なコミュニケーション能力やトラブルの対応力です。これから先の10年間で、勉強だけではなく、人とのつながりを大事にしながら周りから認められる実力を身につけたいです。
▲マカオで見つけた特徴的な現代建築です。
10年後の私の理想は、一級建築士として大きなプロジェクトの設計をすることです。空港や学校や病院などのような大きな公共施設を設計したいと思っています。私は、海外駐在にも興味があるので、海外のプロジェクトに参加することを夢見ています。この夢をかなえるために、私は大学の設計製図の授業を大切にしています。時間がかかって大変ですが、最後まで諦めずにやっています。また、先輩からさまざまな意見を取り入れるために、先輩の設計製図の手伝いをしてコミュニケーションを取っています。海外で働くためには、英語力が重要ですから、交換留学生のチューターとなって、日ごろから英会話をしています。また、海外旅行をして海外の建築を見ることもしています。
▲これはLaTeXを用いて文書を作っている画面です。こんな感じで編集をしています。
自分の10年後の姿について、思い描いていることは、自分のもっている知識や新たに学んだことをわかりやすいかたちで伝えることをしていたいと思っています。自分が興味をもったことや、新たに学んだことを人に伝えるのが高校生のころから好きで、何かしらのかたちでこれからも続けていきたいと考えています。そのためには、表現するためのものを使いこなせるようになっている必要があります。ワープロソフトであったり、論文を作るために用いるLaTeXなどのツールを使いこなせるようになっている必要があると考えています。自分は大学1年生になってからLaTeXというものを使い始め、今でも定期的に使っています。
▲・『ミクロ経済学の力』/神取道宏 著/日本評論社
・『SDGs時代の食・環境問題入門』/吉積巳貴・島田幸司・天野耕二・吉川直樹 著/昭和堂
・『ゲーム理論・入門-人間社会の理解のために 新版』/岡田章 著/有斐閣アルマ
大学で使う参考書や自分で買った本です。これからも自分の専攻をもっと学んでいきたいです。
10年後、私は社会に大きく貢献する職に就いていたいと考えています。漠然とした答えにはなりますが、私が今興味のある社会問題、具体的には貧困問題や食料問題に関わる仕事ができたらなと思います。今は学生として、これらの問題の現状について受け身で学んでいるに過ぎず、実際に解決に向けて何かアクションを起こすことはあまりできていません。大学に入ってボランティアやインターンを行ったこともありますが、やはり社会人として大きいスケールで、仕事として問題解決に携われたらと思います。そのために今は大学での勉強をがんばりたいです。10年後というととても先のように感じて若干不安ではありますが、自分に自信をもって、何事も積極的に楽しめる私でいたいです!
▲『ゼロから作るDeep Learning Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装』/斎藤康毅 著/オライリー・ジャパン
話題のディープラーニングに関する本です。中高での勉強が役に立つことを実感しています!
私は将来的に、ITエンジニアとして働きたいと思っています。高校時代から人工知能などに興味があり、大学でもそれに関連した学科に在籍しています。人工知能の発展は近年著しく、みなさんも「ChatGPT」などについて聞いていることでしょう。私もこういった技術の発展に関われたらと思います。また、この業界の特徴として学生インターンの募集が多いという点があり、私も長期のインターンに参加中です。将来就きたい職業の方向性が決まっている方は、大学に進学した後にインターンに参加してみるのがよいと思います! とはいえ、自分の将来像が固まっていない方も多いでしょうし、それがあたりまえだとも思います。高校、大学と進む中で少しずつ自分のなりたい姿を探してみてください!
▲先日行った実験中に撮影した写真です。生成した化合物が分離しているようすが確認できます。
私は10年後、日用品に関わる企業で日常生活を便利にする商品を開発したいと考えています。大学入学当時の私は漠然と化学系に進学すれば素材の観点からこの目標を実現できるのではないかと思い、応用化学科に進学しました。その後、入学直後のオリエンテーションで、マヨネーズ容器の内壁にマヨネーズが残りにくくする研究をする先生の話を聞いたことをきっかけに、その先生のもとで3年間研究することを決めました。まだ研究が始まって間もないので先輩から指導を受ける日々ですが、いつかは多くの人の生活を豊かにできる研究者になれるよう、日々新しい知識や考え方を身につけていきたいです。
▲大阪のオフィス街を散策した時の一枚。地方出身なので大都会での勤務は一度してみたいと感じます。
私は法曹とくに裁判官を目指して勉強中なので、10年後は任官4、5年目かな、と想像することはよくあります。ただ、各方面の情報に接する中で法律家はどれも魅力的な仕事だと感じているため、「この職業!」ということではなく、仕事の経験を積むことを通して自分の得意分野を見つけて、将来のビジョンがしっかりしている法曹になっていたら、それが一番だなと思います。他方、生活面では家事がちゃんとできる大人になっていたいです。現在一人暮らしを始めて丸2年、部屋の片づけや料理を後回しにしてしまうことを日々反省しています。将来的に自活能力は絶対に必要なので、今から少しずつ改善していきたいです。