「キャンパスレポーターに聞く 学び・大学生活の極意」2024年9月

大学の授業をのぞいてみよう

大学の授業は、少人数で討論をおこなうものや、グループで実習をおこなうものなど、その形態もさまざま。
内容も、専門性の高いものとなります。
そこで今回は、中学・高校とは一味違う大学の授業について、キャンパスレポーターのみなさんに紹介してもらいます!

 

大学の授業は学生が主体的なものが多く、どれも興味深いです!
東京外国語大・国際社会学部

▲『28言語で読む「星の王子さま」世界の言語を学ぶための言語学入門』
/風間伸次郎・山田怜央 編著/東京外国語大学出版会
この参考書は授業でときどき用いられます。誰もが知っている『星の王子さま』という作品を違う言語で読むと、新たな価値観に気づけるなど、日々発見の連続です。

自分の大学の中で人気の授業は、言語に関する授業です。
外国語系の大学なので、言語に関心をもつ学生が多いのですが、この授業は、「27言語リレー」といって、毎週講師が変わり、それによって題材となる言語も毎週変わっていきます。フランス語やスペイン語といったメジャーな言語だけではなく、スワヒリ語やスロヴェニア語などのマイナー言語も取り入れられており、とても興味深い授業です。
授業の最後には、話の内容を学生同士でディスカッションするのですが、中高での学びとは違って、出席するメンバーが毎回の講義で変わるので、多様な価値観をもつ人たちと会話することができ、それによって、自分の知見を高めたり、視野を広げたりすることに大いに役立ちます。

(2年 新)
Let’s study English for Medicine!
順天堂大・医学部

▲授業で使用したプリントです。

私の大学の「English for Medicine」という授業では、医療現場で使う英語を学びます。英語を話す患者さんを診ることを想定して、必要な英語表現と問診(患者さんから病状や健康状態に関する情報を聞くこと)の流れを学び、模擬患者として来られた外国の方と1対1で実践練習をします。
実際に模擬患者さんを前にすると、名前を正確に聞き取れなかったり、わからない単語が出てきたりと慌てる場面もありましたが、ごまかさずに理解できるまで聞くのが大事!と模擬患者さんに鼓舞されながらやり切ることができました。
将来、英語でも診察ができるように、引き続き練習していきたいと思います。

(3年 ぶーちゃん)
林業実習
京都大・経済学部

▲実習中に見たとても立派な人工林の杉の木です(和歌山県の実習林)。

大学の授業って、大きな講義室にたくさんの学生が座って教授の授業をじっくり聞く、というイメージをしている人が多いのではないでしょうか。実は、少人数で実習を行う授業もあるんです。
私が夏休みに受けた授業は、和歌山の実習林で林業の実習を行うというものでした。受講者はわずか5人。
和歌山の田舎に3泊4日で泊まり込み、木や森の管理方法を学び、実際に木を伐採しました。どの木を切るのかを調査し、チェーンソーで木を切り倒す経験はなかなかできません。とても楽しかったのを覚えています。
このように、大学には本当にさまざまな授業が開講されていて、自分の興味に合わせていろんな授業を受けることができますよ。

(2年 りり)
古文書の沼に浸れる大学!
岡山大・文学部

▲『くずし字解読辞典 普及版』/児玉幸多 編/東京堂出版
『くずし字用例辞典 普及版』/児玉幸多 編/東京堂出版
古文書読解のお供である辞書たちです。

岡山大学文学部歴史学・考古学分野日本史学領域では、2年次に「古文書読解実践演習」があります。
日本史を研究するうえで、古文書は切っても切れない関係にあり、古文書を読むことが求められることが多々あります。この授業では、その際にスムーズに読むことができるように、日本史研究室の先輩学生に教えてもらいながら、翻刻作業を行います。
さらに、この授業で使う古文書は、岡山大学附属図書館所蔵の池田家文庫の原本です。池田家文庫とは、江戸時代に岡山を治めていた岡山藩に関する史料の事です。
こうした貴重な歴史史料を実際に手に取れる経験ができる点でもいい授業だと思います。
日本近世史の研究を志す私は、少しでもスラスラ読めるように日々格闘しています。

(2年 もやし)
世界の広がる第二外国語
京都大・理学部

▲アラビア語を勉強し始めたときに作った単語まとめノートです。

突然ですが、アラビア語かっこよくないですか?
大学1年生時に学ぶ第二外国語は中国語や独語がメジャーですが、私が通う京都大学は第二外国語としてアラビア語を選択できる数少ない大学の一つであり、また冒頭のような不純な動機もあり、アラビア語の世界へと足を踏み入れました。
が、いざ授業が始まると、日本語や英語に似ても似つかない(語族が異なる)文法に頭を抱えました。しかし、言語を媒介として異文化に触れる喜びもひとしおでした。
2023年10月のガザ侵攻の際には、講義でパレスチナ問題について学ぶこともあり、凄惨さに心を痛めました。
言語学習=相互理解です。現在中学生、高校生のみなさん、大学での言語学習は知見を広げる絶好の機会です。ぜひ、めいっぱい吸収してください。

(2年 マンダの流星群)
演習の授業!
長野県看護大・看護学部

▲演習で使っている自分用の聴診器と血圧計です。

大学に入って、中学や高校生のときと大きく変わったのは、座学の授業だけでなく、演習の授業や実習があることです。
私は看護学部看護学科に通っていますが、週に約1コマほど演習の授業があります。看護の技術を身につけるための授業で、座学の講義を受けた後に行われます。
事前に演習を受けるための課題をして、演習の授業の準備をし、授業を受けたあとにはグループの人と再度習った技術の復習をし、事後課題をします。一つの演習だけでやることが山ほどあり、とても大変です。
座学で聞いてわかっているつもりでも、実際にやってみると計画した通りにはいかず、とても難しいですが毎回勉強になっています。

(2年 にんじん)
実習が楽しい農学部の授業
京都大・農学部

▲夏休みに行った附属牧場。
つぶらな瞳をした牛がかわいかったです。

私の所属している学科ではとくに、実習形式の授業が多かったです。
2回生のときは附属農場に週1で行き、農作物の種まきから収穫を体験しました。農作物の種類は幅広く、米、アスパラガス、柿、ダリアなどがありました。収穫したものを持って帰れるのがうれしかったです。
また、夏休みにも実習があり、附属牧場では黒毛和種の世話をしました。エサを持つとすぐに牛が近寄ってくるのがおもしろかったです。
水産実習ではシュノーケリング、魚の解剖、採取した魚や微生物の同定、魚市場見学などを行いました。
やはり座ってばかりの講義となると退屈なことも多いので、体を動かせる実習は楽しかったです。

(3年 ふなぜー)
「好き」を突き詰められる!
早稲田大・文学部

▲授業メモの一部です。
ほとんどタブレットでメモを取っていますが、テストの都合上ルーズリーフを使うこともあります!

大学の講義の魅力は、何といっても自分好みの履修を組めるところにあると思います!
私は所属学部の専攻科目以外のほかに、関心が強いジャーナリズムやメディアについての授業を多く履修しています。現役の新聞記者の方や多様な分野で活躍されているジャーナリストの方々が教鞭を取る授業は毎回刺激的で、非常に興味深いです。一番お気に入りの授業は「テレビ史」というテレビ放送の変遷をたどりながら現代社会の歩みを多角的に振り返る授業です!私が通う早稲田大学戸山キャンパスで開講されている人気授業の一つでもあります。
今まであまり気に留めていなかったドラマの描写やバラエティ番組構成の見方が変わって本当におもしろいです!!

(2年 さてぃ)
SNSのシェアはこちらから

Z会の各種サービスのお申し込み・資料請求はこちらから