英語力はますます重要になっています。
英語については一言で「英語力」と言ってしまうことが多いですが、実は人によって4技能それぞれの力のバランスが違うもの。自分自身の技能ごとの状況が5分程度で把握できるセルフチェックテストを用意したので、ぜひ取り組んでみてください。
- 聞く
- 読む
- 書く
- 話す
英語4技能とは英語を「聞く・読む・書く・話す」力のことです。
4技能は聞く・読むの「受信」技能と、書く・話すの「発信」技能とに分類できます。
なぜ重要視されている?
コミュニケーション能力が求められるようになった
日本では従来から「受信」技能を重視した教育が行われ、学校の授業時間のほとんどが英文解釈や文法の習得にあてられてきました。西欧諸国の進んだ知識や技術を外国語の文献から学ぶ必要のあった時代にはもちろんそれでよかったでしょう。しかし、現代ではまったく事情が違います。英語は世界各国の人たちと一緒に活動したり、日本の文化を国際的に発信したりするために用いられるツールとなりました。こうした背景から、「発信」技能も含めた4技能すべてをバランスよく習得することが重要視されています。
学習指導要領も4技能のバランスを重視
グローバル化による英語コミュニケーション能力へのニーズの高まりは学校教育にも大きな影響を与えています。
これまでの学習指導要領でも4技能は重要視されていましたが、新しい学習指導要領(小学校では2020年度、中学校では2021年度から全面実施、高校では2022年度の入学生から年次進行の形で実施)は4技能を一層重視した内容となっています。
つまり、将来は英語を使って社会で活躍をしたい、と考えている人でなくてもバランスよく4技能を学ぶことが求められているのです。
それでは、小中高それぞれの教育における最近の変化を見てみましょう。
英語教育の変化
小学校ではこれまで5、6年生で実施していた「外国語活動」が3、4年生で行なわれるようになりました。内容としては、高学年への橋渡しを目的とし、言語や文化について体験的に理解を深め、日本語と外国語との音声の違いなどに気付くとともに、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむことや、身近で簡単な事柄について、外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養うこと、などとされています。※
加えて、小学5、6年生では「英語」を教科として学ぶことになりました。教科として学ぶため、成績表での評価もされるようになります。3、4年生では「聞く」「話す」が中心だった学習内容ですが、5、6年生では「掲示やパンフレットから自分が必要とする情報を得る活動※」や「音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いた例の中から言葉を選んで書く活動※」といった「読む」「書く」技能も含めて4技能をより幅広く学ぶことになります。
文部科学省「平成29年7月告示小学校学習指導要領(平成29年告示)解説外国語活動・外国語編」より
中学校でも、今後はますます特定の技能にかたよらずに力を伸ばしていくことが重要視されることが予想されます。例えば、東京都立高校入試では、2023年度入学者選抜試験から、スピーキングテスト(ESAT-J)が実施されました。これまで都立高校の一般入試は
学力検査(700点) + 調査書(300点) =合計(1000点)
で選抜が行なわれてきましたが、2022年度の中3生が受験するタイミングから、
学力検査(700点) + 調査書(300点) + ESAT-J(20点) =合計(1020点)
で選抜が行われます。20点程度、と感じられるかもしれませんが、これは5教科(英語・数学・国語・理科・社会)の内の1教科分の内申点(23点)に匹敵するくらい大きな数値となります。
また、北海道立高校入試では、2022年度入学者選抜からリスニングの配点が英語全体の25%から30~35%程度に引き上げられたのに加え、英文が1回しか読まれない問題が出題されています。
こういった動きは今後他の都道府県にも広がることが予想されています。
新しい学習指導要領のもとで、高校英語は2種類の科目、「英語コミュニケーション」と「論理・表現」に再編されました。「英語コミュニケーション」は、4技能のうち「話す」技能をさらに「やり取り」「発表」に細分化した5領域を総合的に扱う科目、「論理・表現」は発信能力(「書く」と「話す」)を特に強化する科目です。「英語コミュニケーション」では日常的な話題・社会的な話題を取り扱いながら総合的な言語活動を行うことが強調され、「論理・表現」ではスピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションなどでの発信を実際に行うことが明示されました。現実生活のさまざまな局面で行われる多様なコミュニケーションのかたちが具体的に想定されていることがわかります。
今後、高校の授業は英語を使って生徒たち自身がさまざまな活動を行う実践的なスタイルへと変わっていくことになるでしょう。
依然として重要
従来の学習指導要領では、中学校1200語、高校1800語の計3000語だった取り扱う語数の目安が、新しい学習指導要領では小学校600語~700語、中学校1600語~1800語、高校1800語~2500語の計4000語~5000語となっていることからも、単語の学習が重要視されてることがわかります。また、英語を正しく発信するためには、正しい文法の習得は前提になります。
身につけるために
レベル | できること |
C2 |
Proficient User
【熟達した使用者】
様々な状況で英語を意のままに用いることができ、場面に合った言葉づかいや文体を選択できる。
|
---|---|
C1 | |
B2 |
Independent User
【自立した使用者】
日常生活や学習、仕事などで必要な英語を理解し、ある程度流暢に自分を表現することができる。
|
B1 | |
A2 |
Basic User
【基礎段階の使用者】
身近なことやなじみのあるトピックであれば、日常生活で使われる英語を理解し、用いることができる。
|
A1 |
CEFRのレベル(英語)を示す表現は、Z会の定義によるものです。
「その言語を使って何ができるか」を測る際に、欧米ではCEFR(セファール:Common European Framework of Reference for Languagesの略称、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」)という指標が用いられます。CEFRでは各レベルに具体的な「できること」が設定されており、「このレベルに属する人は、その言語を使って何ができるか」がわかります。
日本の学校の英語の授業でも、「〜できる」という書き方の学習目標が設定されることがありますが、到達目標の基準となっているのがこのCEFRです。つまりCEFRの指標を意識して英語を学んでいくことが、学校のテストや入試のみならず、世界基準で使える英語を身につけることに繋がるのです。
CEFR | CEFR-J | 新学習指導要領 がめざすレベル |
---|---|---|
C2 | C2 | |
C1 | C1 | |
B2 | B2.2 | |
B2.1 | 高校 | |
B1 | B1.2 | |
B1.1 | ||
A2 | A2.2 | 中学校 |
A2.1 | ||
A1 | A1.3 | |
A1.2 | 小学校高学年 | |
A1.1 | ||
Pre-A1 | Pre-A1 |
このように言語能力の国際的な指標として活用されるCEFRですが、先ほどの表からも1つのレベルに含まれる範囲がとても広いことがわかります。
現状、日本の高校生の半数以上がA1レベルに留まっており、中学生の半数以上はA1レベルにも達していません※。また、大人でもおよそ8割がA1〜A2レベルに留まっているといわれています。
そこで、CEFRをより日本人の英語学習に適した形にしたものが、CEFR-J(セファールジェー)です。CEFRのうち、日本人が多く属するレベルをより細かく分け、日本人の英語力をより正確に表せるようになりました。
文部科学省 令和元年度「英語教育実施状況調査」概要より
このチェックテストではCEFR-Jの
指標を元に、
技能ごとにあなたが
どの程度のレベルなのかを
チェックできます。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
上記のCEFR-Jの指標を元に、技能ごとにあなたがどの程度のレベルなのかチェックしてみましょう※。
※本セルフチェックテストのチェック項目や診断結果はZ会オリジナルです。文部科学省やその他いかなる団体や組織の公認を受けたものではありません。
ための学習法
英語を聞き取れるようになるには、できるだけたくさん英語を聞いたほうがよいことは確かですが、わからない英語を大量に聞き流してもなかなか力は伸びません。大事なのは、「理解しながら聞くこと」です。
また、知っている単語・表現の量や、それを正しい発音で覚えているかどうかも、理解を大きく左右します。正しい発音で語彙力を高めつつ、理解できるレベルの英語を繰り返し聞くのがおすすめです。
リスニングと同様、「理解できる英語を繰り返し読む」のがリーディング力向上への近道です。意味に意識を向けながら何度も何度も音読を繰り返すと、だんだんと頭の中ですべて日本語に訳さなくても理解できるという感覚を得ることや、英語の言い回しをより確実に身につけることができます。
また、無理のないレベルの英文を繰り返し読むことで、徐々に文の複雑さや単語のレベルが上がってもすらすらと読めるようになっていきます。
書く練習をするとき、初めのうちは「日本語の文を英語に訳す」ということが多いと思いますが、日本語を英語に置き換えるという発想から、だんだんと「こういうときに英語ではどう書くのか」と自分で内容を考えながら書く練習を増やしていくと、実際に英語を使う場面で応用できる力を伸ばしていくことができます。
内容を正しく伝えるためには、文法や単語の誤りをできるだけ少なくすることも重要ですので、文法・単語の学習もおろそかにしないようにしましょう。また、英語のできる第三者に英文を見てもらうことも非常に有効です。
初級レベルでは、基本的な英文を何度も読んで覚えてしまっているくらいになると、その英文で使われている単語を入れ換えて使うだけでもいろいろなことが言えるようになります。
また、自分だけで学習していると、自分の言うことが本当に伝わるのだろうかと、自信がなかなか持てないことが多いと思いますが、実際に英語話者と話してみて、「通じた!」という体験を積むことも、学習効果を生むために非常に重要です。文法学習ばかりでは話せるようにならないということは確かに言えますが、正確な知識は身につけつつ、それを実際に活用できるよう、間違いを恐れずに繰り返し練習する姿勢が大切です。
レベルを合わせること
セルフチェックテストでは、技能ごとのレベルがバラバラだった方がほとんどではないでしょうか。特に日本人は受信技能には強いものの、発信技能に課題があると言われることが多いです。学習の際にどれか1つの技能にレベルを合わせていては、他の技能が伸びにくくなってしまいます。技能ごとのレベルにあわせて学習することが、英語の総合力を高めるための近道です。
「Z会の通信教育 Asteria英語4技能講座」
現代社会で求められる英語力は「コミュニケーション能力」「読解力」「表現力」など多岐にわたります。Z会の英語は、言語体系のベースとなる文法学習と、英語の運用能力を伸ばす言語活動をバランスよく取り入れた学習で、英検®や大学入試にも対応できる英語4技能の力を養成します。
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基本的な文法や表現を学習しながらステップアップしていきますので、英語の学び直し学習や、転職・異動などで英語が必要になった方のリスキリングにも効果的です。
英検®は、公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です。本ページで紹介しているZ会のサービスは独立した商品であり、公益財団法人日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。