「プログラミング教育」とはどういうものなのか、またその背景にある「STEAM(スティーム)教育」とは何なのかを、わかりやすく紹介します!

「STEAM教育」とは何か、など、「プログラミング教育」について様々なテーマをZ会プログラミング講座の責任者がやさしく解説します。

2021年09月01日更新

【2021年度】プログラミング必修化による小学校・中学校・高校の現状と未来

【2021年度】プログラミング必修化による小学校・中学校・高校の現状と未来

●中学校はすでに2011年度から必修化

よく誤解されるのですが、じつは中学校では、前の課程(2011年度より施行)の段階ですでにプログラミング教育が必修となっています。扱われる教科は、技術・家庭科の技術分野。技術分野で扱うのは「材料と加工の技術」「生物育成の技術」「エネルギー変換の技術」「情報の技術」の4つで、プログラミングは「情報の技術」の中で扱われます。

小学校と違い中学校では「情報の技術」を学ぶことが目的ですから、プログラミングの「技術」を体験します。しかし、あくまでも「情報の技術」を学ぶことが目的です。プログラミングのみを学ぶのではなく、広く情報技術について学ぶのが、ここでの目的です。そう、キーワードは「情報活用能力」でしたよね。中学校でのプログラミングも、情報活用能力育成のために行われるのです。

ただし、学校ではなかなかプログラミングにまでたどり着けないケースも少なくなかったようです。2021年度から施行の学習指導要領で、学校現場がどのように変わったのか、今後注視していきたいですね。

●高等学校のプログラミング教育必修化の実態

高校では、教科「情報」でプログラミングが扱われます。この事実からしても、プログラミングが情報活用能力育成という文脈で取り入れられた、とわかりますね。しかしこの「情報」という教科、これまでたいへん不遇な人生(?)を歩んできました。

教科「情報」は2003年度より普通高校の必修教科として新設されました。これまで多くの先生が教えたことのない「情報」なるものを教えなければならなくなったため、すでに教員免許状をお持ちの先生に研修をし、大学でも急遽「情報」の教員養成がなされました。

そして2003年度。日本全国の学校で教科「情報」が開講されたのですが……。
「情報って、パソコンの授業でしょ」
「こんなの、学校でやる意味あるの?」
「入試にも出ないし」
「こんな事やっている時間があったら、数学の演習の時間を増やしてくださいよ」
そのような声も根深く、少なからぬ学校で「情報という名前の時間はあるが、実際には数学演習を行っている」「情報という名前の時間はあるが、ほぼ自習の時間となっている」といった事態が起きてしまいました。その結果、実質的な「未履修問題」ということで、全国の学校が対応に追われるようになります。

学校によって差が出てくる可能性あり

その後、教科「情報」は正しく開講されるようになったものの、専門の教員を置かない学校も少なからずあるようです。「両方の免許状がある」ということで数学や理科と兼任しているだけならばともかく、ちょっとパソコンに詳しいが「情報」の免許状を所持していない先生に臨時の免許状を発行してもらって授業を行うということが珍しくないのです。公立の学校でも、「情報の免許状しか持たない先生は採用しない」という自治体が少なくなかったため、せっかく大学で教科「情報」の免許を取得しても、教員にならずに民間企業に就職するという例があとを絶ちませんでした。

そんな状況の中、2022年度から新しい指導要領が施行されます。
かなり専門的な知識も含まれるため、「パソコンの授業だろ」とたかをくくっていた専門性のない先生方には厳しい内容です。多くの場合、臨時免許では乗り切れなくなります。しかし、20年前から準備をしてきた先生方にとっては、まさに出番です。高校での教科「情報」の指導は、学校差が激しくなることでしょう。

このような状況下にある「情報」でのプログラミング教育は、指導される先生によって大きく変わります。しかし、大学入試で問われることになる「情報」のテストは、そのような事情を忖度してはくれないはずです。大学入試センター試験から変わった「大学入学共通テスト」では、令和7年度の試験から「情報」を出題する、としています。すでに公表されている試作問題を見ても、「パソコンの授業」を受けていただけではとても対応できないものです。まして、プログラミングに関する問題など、手も足もでないかもしれません。

プログラミング必修化、最初の一歩はどうすれば?

ここまで、(幼稚園・)小学校~大学入試までを通して、「プログラミング教育必修化」を眺めてきました。繰り返しになりますが、キーワードは「情報活用能力」。プログラミングのスキルや、プログラミングの知識ではなく、情報活用能力を高めることが必要とされます。

そのためには何をすればよいのか? それは、何よりも「情報機器を使うこと」でしょう。それも、設定から自分でやってみること。もちろん、プログラミングをしてみることも大切です。「情報機器を使う」目的にプログラミングを持ってくるのは悪くない選択肢です。プログラミングをするための設定を自分でしてみて、プログラミングをしてみて、結果を検証する。とにかく情報機器を「使いこなす」ことができるようになることを目標にしましょう。

※関連記事:小学生でプログラミング? 必修化で心配な保護者の方へ

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【完】

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