「プログラミング教育」とはどういうものなのか、またその背景にある「STEAM(スティーム)教育」とは何なのかを、わかりやすく紹介します!

「STEAM教育」とは何か、など、「プログラミング教育」について様々なテーマをZ会プログラミング講座の責任者がやさしく解説します。

2022年01月12日更新

プログラミングスキル以外にプログラミングを学ぶことで身につく力とは

プログラミングスキル以外にプログラミングを学ぶことで身につく力とは

小学校でのプログラミング教育の必修化がスタートして1年以上経ちましたが、プログラミングがなぜ必要とされているのかご存じですか? 

プログラミングの学習を続けると、プログラミングに関する知識や技能以外にもさまざまな力を身につけることができます。この記事では、プログラミングの学習で身につけることができる力を紹介します。

プログラミングを学習する目的

小学校でのプログラミング教育を導入した理由について、文部科学省ではこのように説明しています。

コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることは、あらゆる活動においてコンピュータ等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、極めて重要なこととなっています。
(引用元:文部科学省「小学校プログラミング教育の手引き」

実際、現在日本ではIT人材の不足が大きな問題となっており、「地域のデジタル化を推進するIT人材の不足は課題」とされています。
(参考:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」

こうしたことから、小学校段階からコンピュータ等を活用し、仕組みの一端であるプログラムについてふれることで、コンピュータ等を主体的に活用する態度を育成することは価値のあることだといえるでしょう。

さらに、「小学校プログラミング教育の手引き」では、注目したい内容として、

情報活用能力を言語能力などと同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付け、「各教科等の特質を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図」り育成することと規定しました。

と記載されている箇所があります。

この「情報活用能力」について文部科学省では、情報活用能力とはコンピュータ等を活用し、適切に情報を収集・整理・比較・伝達等をすることができる力のことだと説明されています。

「プログラミング」がコンピュータの活用にとって大切なものであることを考えると、プログラミングの学習は情報活用能力の育成に結びついているといえます。
(参考:文部科学省「情報活用能力の育成」

そして、見逃してはならないのは、この情報活用能力が言語能力と同等の位置付けとされていることです。いかに情報活用能力が重要視されているのか、顕著にわかります。そのほか、プログラミング教育の系統性等については、下記の文部科学省の資料にまとめられていますので、ぜひ一度ご覧ください。
(参考:文部科学省「新学習指導要領におけるプログラミング教育の充実」

プログラミングを学ぶことで身につく力

プログラミングに関する知識や技能


◯プログラミングスキル
「プログラミング」ですので、当然といえば当然ですが、まずプログラミングに関するスキルが身につきます。学習の初めは、プログラムを視覚的に捉えやすいビジュアル型の言語から始めるとよいでしょう。その後、慣れてきたら一般的な「プログラム」でイメージされているテキスト型の言語に挑戦してみてもよいでしょう。ビジュアル型やテキスト型の言語は、非常に多くの種類がありますが、どの言語であってもプログラムのアルゴリズムは大きく変わりません

◯情報モラル
プログラミングの学習を始めると、身近な生活の中でたくさんのプログラムが利用されていることを知ることとなります。身近な生活のプログラムを知ることは、プログラムの活用におけるメリットやデメリットについて考えるきっかけを与えてくれます。

特に、デメリットやプログラムでは防ぎきれない部分について考えることは、ルールやマナーの必要性を学ぶ機会にもなることでしょう。そのため、「情報社会で適正な活動を行うための考え方や態度」である情報モラルについても知ることができるといえます。

人間性を高める力


◯論理思考能力
プログラミングの学習では、アルゴリズムの理解が欠かせません。アルゴリズムとは「課題を解決するための計算や処理の手順」のことで、これらを考える際には「何が条件で、どのような結果がほしくて、そのためにはどのような要素が必要か」と物事を細分化する必要があります。このように順序立てて考える力がプログラミングでは必要なため、論理的思考力とも密接に結びついているということができます。

◯問題解決能力
プログラミングを行ううえでバグ(プログラムの間違いや不具合)と無縁ではいられません。このことは、プログラミングを本業としているシステムエンジニアやプログラマーですらいえることです。

バグを見つけデバッグ(バグを修正すること)を行うことで、プログラムを一歩一歩完成へと近づけていくのです。このように、小さな問題でも確実に解決していくことがプログラミングでは重要なため、問題解決能力の育成にも役立ちます

◯創造力
基本的なプログラミングスキルを習得した後は、自らプログラムを考えて組み立てることができます。その際、ほかの人のプログラムや発想等を参考にして組み立てていくことも多くありますが、「自分でつくった」経験は何事にも代えがたいものです。

また、ほかの人のプログラムや発想等を参考にしたとしても、実現したいゴールは人それぞれのため、つくるときには想像力と創造力が欠かせません。このように自ら考えつくることで得られる達成感は、子どもたちの成長の糧となることでしょう。

◯自己肯定感
プログラミングでバグの発見とデバックを繰り返すのは、「失敗をたくさん重ねて成功に近づけていく」ということと同じことです。たくさん失敗をした後に成功経験を積むことは、自己肯定感の醸成にもつながります。失敗があって当たり前という考えだからこそ、プログラミングの学習は子どもたちに失敗を恐れさせず自信をもたせてくれるのです

将来に役立つ力


◯他教科の理解力が高まる
ここまでプログラミングの学習では論理的思考力や問題解決能力、創造力などが身につくとお伝えをしてきました。これらの能力は、教科の学習にも通じる大切な土台となる力です。

また、算数の正多角形の学習で作図には正確な繰り返し(反復)が必要ということや、理科の電気の学習で、電気の性質や働きを利用した道具には条件によって動作が変化するものがある(条件分岐)など、教科の理解に直接影響する内容もあります。そのため、プログラミングをとおして身につけた力は、教科の学習にも活かすことができるといえるのです。

◯将来の選択肢が広がる
現在、コンピュータを活用した職業が多様化している状況にあります。また、コンピュータやWebなどを専門にしていない職種・業種であっても、業務の効率化などの観点からこれらの知識・技能は、確実にあった方がよいでしょう。プログラミングの学習は、将来自分がどのような仕事に就きたいか、実務レベルで考える機会にもなるため、子どもたちの将来の視野を広げることにもつながるのです。

まとめ

ここまで、プログラミングの学習で身につく力について説明しました。これからの高度情報社会を生き抜くために、プログラミングの学習をとおして、一人でも多くの子どもたちが情報を活用できる人材になるよう、Z会はこれからもお子さまのプログラミング学習を支える講座を提供してまいります。

【完】

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