【定期テストと成績と入試】定期テストを活かして入試につながる力を身につけるには。

2023年2月10日

カテゴリー : 教育情報全般

入試と成績と定期テストの関係

高校生にとって定期テストは大きなイベントであり、来るべき入試に向けた直接的な対策として、また、入試で重視される可能性のある成績の向上の布石として、重要な位置にある、と言えます。
現在、高校における成績は、主に、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点によって総合的に評価されますが、いわゆる進学校における成績は、長年に渡り、「知識・技能」に重点が置かれていたこともあり、現在も、「知識・技能」は、3観点の中でも、とくに重要と言えます。
また、近年は、「思考力・判断力・表現力」も重要度を増しており、今回の記事の大きなテーマである定期テストは、「思考力・判断力・表現力」の評価を大きく左右する要素です。
さらに、「知識・技能」を重視しつつも「思考力・判断力・表現力」にも重きを置く傾向は、入試、とくに一般入試において顕著ですので、「知識・技能」の定着、「思考力・判断力・表現力」の養成が必須、と言えます。

 

成績の構成要素

  • 知識・技能
  • 思考力・判断力・表現力
  • 主体的に取り組む態度
◎定期テストで主に評価されるのは「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」。この要素は、とくに一般入試で重視される。

 

定期テストに向けて対策を行うことは、成績の向上においても、入試への備えとしても、有効です。では、定期テストはどのように対策するとよいでしょうか。

 

1.自分の現在地、志望校、想定している入試の形式を確認しよう。

対策の第一歩として、自分の現在地を確認するために、これまでの定期テストの結果を見直し・確認しましょう。
定期テストの結果を見る際に確認する数値は、主に、自分自身の得点(素点)・偏差値・順位と、全体の平均点で、それらの推移も確認しましょう。
とくに一般入試を考えている人は、志望校の入試で必要な教科・科目を改めて確認してください。それらの教科・科目については、重点的に過去の定期テストの結果を確認しましょう。順調に推移している教科・科目は問題ありませんが、思うような経過をたどっていない教科・科目については、その原因を明らかにしておきましょう。そもそもあまり勉強していなかったのか、あるいは、学習事項を正しく理解していなかったのか、試験時間内に解けなかった(解くスピードが足りなかった)のか、当日のコンディション(体調など)が悪かったのか、など、原因はいろいろあると思いますが、原因が異なれば、次に打つ対策も異なりますので、原因を明確にし、その上で、学習計画を立てるようにしましょう。
総合型選抜や学校推薦型選抜を考えている人は、成績の評定平均が重要になりますので、現時点での自身の評定平均を確認するとともに、評定平均を下げている教科・科目について、その原因を明確にしてください。

 

2.目標点を決めよう。

これまでの定期テストから、各教科・科目の平均点(難易度)の傾向や、自分の得点(得意・不得意)の傾向は、ある程度、把握できていると思います。それらと、自分の志望校、想定している入試の種類(一般入試、総合型選抜、学校推薦型選抜など)、そしてこれまでの定期テストの結果の推移を踏まえ、教科・科目ごとに目標点を設定しましょう。
ただし、高すぎる目標点は禁物です。これまでの得点状況から、「頑張ればなんとか届きそう」なレベル、「少しだけ背伸びをした」レベルに設定しましょう。たとえば、これまでの最高点が83点であれば、85点を目標にする、ぐらいで十分です。このように設定した目標点については、もちろん「全教科・科目でクリア」が望ましいですし、そこを目指してほしいのですが、実際には、オールクリアは難しいと思います。おそらく、半分の教科・科目で達成できれば上々。半分の教科・科目で達成できれば、トータルの順位としては、過去最高になるでしょう。

 

3.定期テストは、これまでの学習の総まとめの機会として利用しよう。

「自分の現在地を確認するために、これまでの定期テストの結果を見直し・確認しましょう」と述べましたが、実際の定期テストの中身(問題・正解・自身の解答)についても、見直しておくことをお勧めします。
おそらく、すべてを見直す時間はないと思いますので、見直しは、間違えたところを中心に行うのが現実的でしょう。
定期テストというと、「当該テストの範囲だけ勉強すればよい」と考えがちですが、過去の学習内容と関連する事項もたくさんあります。
各教科・科目の学習は、基本的には積み重ね学習ですので、過去の学習内容に穴があると、新たな学習内容の習得が進みにくくなります。ですので、過去の定期テストで間違えたところについて見直すことで、今回の定期テストを受けるにあたっての基礎を固めてください。また、そのことは、定期テストのための勉強になるだけでなく、これまでの学習の総まとめにもなり、次の学習に、よりよい形で取り組むことができるようになります。

 

4.定期テストの記述式問題は、理解・知識を定着に利用、そして「習うより慣れよ」

定期テストでは、一問一答型の問題だけでなく、記述式の問題も出題されます。記述式の問題については、「何から書いたらいいのかわからない」という人もいるかもしれませんが、まずは、関係ありそうな要素を書き出すことから始めてください。最初は、要素が足りなかったり、余分なことを書いたりすることもあるかもしれませんが、それで構いません。なお、「要素の書き出し」は、「知識・技能」の定着にも有効です。
要素を書き出したら、それらについての「順序」「論理(因果関係)」「整合性」などに気を付けながら、自分なりに、解答として求められている形(文章など)にしていってみてください。
最初は、記述量が少ないものから取り組めばよいですし、不完全な解答でも構いませんので、自分なりの解答ができたら、正答と照らし合わせながら、要素の過不足、記述内容の順序、論理の正確さ、解答全体の整合性などに注意して、できた部分とできていない部分を明らかにしていってください。そして、できていない部分については、今後の学習で埋めていってください。この経験を繰り返すことで、「思考力・判断力・表現力」が着実に伸びていきます。
また、記述式の問題への取り組みは、学習内容について、体系的に整理したり、自分なりにストーリーを作ったりする経験になりますので、自分に足りない知識や不十分な理解に気づくことができますし、そのような気づきは、「知識・技能」の定着や、学習内容の理解、「思考力・判断力・表現力」の伸長にとって非常に大切です。
なお、記述式の問題もそうですが、勉強については「習うより慣れよ」が、実は重要です。習ったばかりの知識や解法は、すぐには頭に入ってこないかもしれませんが、何度も目にするうちに、次第に馴染んできて、自分のものとして定着しますので、できるだけ繰り返し触れるよう、心掛けてください。

 

 

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